激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
284 / 463
第9部 倒錯のイグニス

#284 西棟攻略③

しおりを挟む
「ここは気をつけたほうがいいよ。みんな、君が入ってくるのを、今か今かと待ちかまえてる」
 廊下を少し進み、隣の3年B組の引き戸の前に立つと、眉間にしわを寄せて重人が言った。
 教室の中は、しんと静まり返っている。
 だが、テレパスである重人には、壁を通して中の生徒たちの思念が読み取れるのだ。
「ロープに手錠、大人の玩具。それぞれ役割分担が決まってて、君が一歩中に足を踏み入れたが最後、流れ作業で事が進むようになってるみたい」
 杏里としても、そんなことだろうと思う。
 これまでが簡単に行き過ぎたのだ。
 ここから先は、腹を据えて慎重に行動すべきだろう。
 相手は3年生だから、体格ではとてもかなわない、
 一度捕まったら、逃げるのはまず不可能だ。
「だからといって、中に入らなければ浄化はできないわ。さあ、どうするかな」
 杏里は不気味に閉まった引き戸を見つめて、考え込んだ。
 1年生の時のように相手が外に出て来てくれればいいのだが、その可能性はほとんどない。
 ただ、これまでの経緯から、重人の”快感放射”が有効だということは判明している。
 男子だけでなく、女子も一緒に昇天させるために、杏里自身もある程度エクスタシーを感じなければならないのが面倒だが、それは重人との疑似セックスでなんとかクリアできた。
 ならばここも、同じ手を使うだけだ。
 ただし、クラスじゅうの生徒を瞬殺する必要がある。
「そうね…かくなる上は、と」
 決めた。
 重人のほうを振り返ると、杏里はやおら、そのなで肩に両手をかけた。
「一気にカタをつけるしかないでしょうね。時間が経てばたつほど、こっちが不利になるから」
「一気にって、どうするつもり?」
 重人の眼に怯えの色が浮かんだ。
 今のところ、重人は杏里に振り回される一方である。
 2度も続けて射精させられたせいか、なんとはなしに顔色が悪い。
 が、同情している場合ではなかった。
 重人には、限界まで働いてもらわなければならないのだ。
「こうするの」
 言うなり杏里は重人の唇に己の唇をかぶせ、その間に舌をつっこんだ。
「うぐ、な、何を」
「いいから」
 最初のうちこそ抵抗しかけた重人だったが、杏里が舌に舌を絡め、大量の唾液を流し込むと、すぐに大人しくなった。
 ただでさえ、性露丸マグナムとロイヤルゼラチンで人工的に昂っているところに、杏里のフェロモンがたっぷり詰まったエキスを注入されたのだ。
 杏里の下腹に、鋭角に勃起した重人のパニスが当たるのがわかった。
 ペニスを右手でしごきながら、睾丸を左手でゆっくりと揉みしだく。
「ああ…だめ、だよ…そんなことしたら、また…ぼく…」
 身も世もないふうに、たちまち喘ぎ出す重人。
 亀頭が十分濡れてきたのを見計らい、ショーツをずらし、陰部をむき出しにする。
 そこに重人の亀頭の先端を押し当てて、杏里は小声でささやいた。
「私が戸を開ける。中に入ったら、あなたはすぐに放出するの。ここからの3クラスは、全部この方法でいく」
「わ、わかったよ」
 瞳孔の開きかけた眼で杏里を見つめ返し、興奮にしゃがれた声で重人が答えた。

 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...