激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
280 / 463
第9部 倒錯のイグニス

#280 東棟攻略⑤

しおりを挟む
「せ、セックス? 何を馬鹿なこと言ってるんだよ! こんな体勢じゃ、無理に決まってるだろ?」
 竹刀やバットで全身を叩かれて、切れ切れに悲鳴を上げながら重人がわめいた。
「わからないの? これはある意味大チャンスなのよ! 廊下には1年生が全員出てきてる。今ここでふたり分のエクスタシーを爆発させれば、一気に1学年分の生徒を浄化できる。こんなチャンスを逃す手はないでしょう?」
 言いながら、杏里は重人の尻の下をくぐらせた右手で、ペニスをゆっくりしごき始めている。
 その間も左手で、背後から重人の胸板に勃起したアンズのような勃起乳首をぐりぐり愛撫するのを忘れない。
「だって杏里は僕の後ろにいるんだよ? それなのに、どうやってその、挿入しろっていうのさ?」
「こうするの」
 重人のペニスが限界まで勃起したのを確かめると、杏里はそれをぐいと下方向に折り曲げた。
「うわあ! な、何するの?」
 重人の抗議もおかまいなしに更にねじると、亀頭が尻の間から後ろに向かって突き出すように固定した。
 2次性徴が十分でないためか、あるいは使い込み方が足りないせいか、重人のペニスは予想より短かった。
 後方に突き出たのは本当にカリから先の亀頭の部分だけで、十分な長さにはほど遠い。
 それでもこれで実行するしかなかった。
 杏里は尻を前にずらすと、網の弾性を利用して、なんとか数センチ分、腰を斜め上に持ち上げた。
 折り曲げた重人のペニスが、パンティの中心部に当たるのがわかった。
 その亀頭を懸命に動かし、パンティのへりをめくりにかかる。
 かろうじて布がずれ、二枚の肉の唇の間にぬめぬめと光る亀頭の先端が接触した。
「体の力を抜いて。全体重をかけて、私の上に乗っかって」
 乳首を強くひねり上げながら、重人の耳元に杏里は熱い息を吹きかけた。
「くううう」
 空気の漏れるような音を発し、重人の身体がもたれかかってくる。
 そのせいでペニスが余分に突き出して、かろうじて杏里の膣内に亀頭がめりこんだ。
 瞬間、杏里の大小の陰唇が生き物のようにうごめき、重人の亀頭をすっぽり包んで貼りついた。
「今よ!」
 自ら腰をグラインドさせ、叫ぶ杏里。
 不自由な姿勢からの無理な接触が、意外なほどの快感を呼び覚ましたようだった。
 ぎりぎりの所で重人のペニスをくわえ込み、きつく締めつけながら杏里は爆発的に高まる性欲を感じていた。
「いく! いく! 出る! 出ちゃうううううっ!」
 重人が激しく痙攣する。
 その瞬間ー。
 ぱあーん!
 気圧の急激な変化で、耳が鳴るような”音”がした。
 重人を中心にして、目に見えない波動が同心円状に広がっていくのが、なぜか杏里には感じ取ることができた。
 振り上げた得物を取り落とし、あちらこちらで硬直して、目を剥きながら床に倒れ込んでいく生徒たち。
 その誰もが両手で股間を押さえ、芋虫のようにうつぶせになってぴくぴくともがいている。
 網を吊ったロープが緩んだのか、杏里はどさりと床に投げ出された。
 絡みつく網を振りほどき、四苦八苦の末、なんとか外へと転げ出た。
 振り返ると、重人はまだ網の中心にうずくまっていて、ひたすら己の手で半勃ちのペニスをしごいていた。
「終わったよ。ねえ、いつまでやってるつもり? さあ、次、行くよ」
 その裸の尻を上履きのつま先で蹴りつけると、呆れたような口調で杏里は言った。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...