278 / 463
第9部 倒錯のイグニス
#278 東棟攻略③
しおりを挟む
重人を盾にして、杏里は廊下の端に立った。
パンツの中に入れた右手で勃起したペニスの根元を握り、カッターシャツの間から滑りこませた左手で、アンズの実のような左の乳首をぎゅっとつまんでいる。
「いい? イキそうになったら、すぐに意識を全開にして。でも、まだ駄目だよ。もう少し我慢するの」
「くうう…。ひどいよ、こんなの」
杏里の手の中で海綿体をひくひく波打たせながら、重人がうめいた。
指先が濡れてきたのは、重人の尿道口からカウパー腺液がにじみ出してきている証拠だろう。
杏里がペニスを握って包皮を押し下げているので、先から亀頭が露出し、下着にこすれて充血しているのだ。
足音を忍ばせながら、1年A組の入口の前に立つ。
下見の時にテレパシーで重人が探ったところによると、1年生の部屋にはロープだのネズミ捕りだのを使った仕掛けがいくつも施してあるらしい。
大方、引き戸を開けると上から輪になったロープが落ちてきて首を絞めるとか、あるいは床に罠がしかけてあるとか、そんな子どもだましが関の山だろうと思う。
しょせん、1年生の考えることなのだ。知能程度は小学生と大差ない。
「開けて」
目の前の引き戸を顎でしゃくって、杏里は言った。
「罠にかかったと見せかけて、一気に念を放出するの。そうすれば、ひとクラス分の生徒を一網打尽にできる」
「ぼ、僕が先に入るの? それじゃ、まるで生贄じゃないか」
尻込みする重人。
「言う通りにして」
パンツの中で人差し指を伸ばし、濡れた亀頭の先をひと撫でする。
「はぐっ」
感じたらしく、重人が身体をくの字に折って、尻を突き出した。
ザザッ。
頭上で音がしたのは、その瞬間だった。
いきなり何かが落ちてきて、杏里と重人を包みこんだ。
網?
気づいた時にはもう遅かった。
目の粗い頑丈な網に足をすくわれ、背後から重人を抱きしめたまま、杏里は転倒した。
じわじわと視点が高くなっていく。
杏里と重人を絡め取った網が、徐々に上昇を開始したのだ。
と、次々に教室の引き戸が開いた。
歓声を上げながら、5つの教室すべてから生徒たちが飛び出してくる。
その思いもかけぬ光景に、杏里は絶句した。
まさか、そんな…。
予想外だった。
こんな手があったとは。
己のうかつさを呪いたくなった。
まさか、こんなふうに、1年生全員が一気に襲いかかってくるなんて…。
パンツの中に入れた右手で勃起したペニスの根元を握り、カッターシャツの間から滑りこませた左手で、アンズの実のような左の乳首をぎゅっとつまんでいる。
「いい? イキそうになったら、すぐに意識を全開にして。でも、まだ駄目だよ。もう少し我慢するの」
「くうう…。ひどいよ、こんなの」
杏里の手の中で海綿体をひくひく波打たせながら、重人がうめいた。
指先が濡れてきたのは、重人の尿道口からカウパー腺液がにじみ出してきている証拠だろう。
杏里がペニスを握って包皮を押し下げているので、先から亀頭が露出し、下着にこすれて充血しているのだ。
足音を忍ばせながら、1年A組の入口の前に立つ。
下見の時にテレパシーで重人が探ったところによると、1年生の部屋にはロープだのネズミ捕りだのを使った仕掛けがいくつも施してあるらしい。
大方、引き戸を開けると上から輪になったロープが落ちてきて首を絞めるとか、あるいは床に罠がしかけてあるとか、そんな子どもだましが関の山だろうと思う。
しょせん、1年生の考えることなのだ。知能程度は小学生と大差ない。
「開けて」
目の前の引き戸を顎でしゃくって、杏里は言った。
「罠にかかったと見せかけて、一気に念を放出するの。そうすれば、ひとクラス分の生徒を一網打尽にできる」
「ぼ、僕が先に入るの? それじゃ、まるで生贄じゃないか」
尻込みする重人。
「言う通りにして」
パンツの中で人差し指を伸ばし、濡れた亀頭の先をひと撫でする。
「はぐっ」
感じたらしく、重人が身体をくの字に折って、尻を突き出した。
ザザッ。
頭上で音がしたのは、その瞬間だった。
いきなり何かが落ちてきて、杏里と重人を包みこんだ。
網?
気づいた時にはもう遅かった。
目の粗い頑丈な網に足をすくわれ、背後から重人を抱きしめたまま、杏里は転倒した。
じわじわと視点が高くなっていく。
杏里と重人を絡め取った網が、徐々に上昇を開始したのだ。
と、次々に教室の引き戸が開いた。
歓声を上げながら、5つの教室すべてから生徒たちが飛び出してくる。
その思いもかけぬ光景に、杏里は絶句した。
まさか、そんな…。
予想外だった。
こんな手があったとは。
己のうかつさを呪いたくなった。
まさか、こんなふうに、1年生全員が一気に襲いかかってくるなんて…。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる