激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第9部 倒錯のイグニス

#269 恥辱まみれのセレモニー③

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 野生のゴリラを思わせる小百合の巨躯に比べると、華奢な杏里の肢体はまるで玩具の人形のようだ。
 白いレオタードに包まれたその小柄な身体は今や弓のように反り返り、胸に開いたふたつの穴と、股間を縦断するスリットから、それぞれ最も感じる部位をあられもなくはみ出させてしまっている。
 逆さに首を垂れた杏里の眼に、サッカーボールの内側のようなシアターの壁面が映った。
 微妙な角度で組み合わさった無数の六面体に、杏里の身体の隅々があますところなく映し出されている。
 それは、鏡というより、一枚一枚が大きな液晶画面になっているようだった。
 乳房の形を生々しく浮き上がらせたレオタードの胸の部分。
 その穴から突き出した、恥ずかしいほど勃起してしまっているふたつの乳首。
 スリットからのぞく、二つに割れた恥丘。
 その狭間に溜まり始めた露。
 小百合に引き絞られ、表皮の下で限界まで筋肉の盛り上がったむき出しの二の腕と生白い太腿。
 半ば半開きになった、何かを訴えかけるようなその口元…。
 そんな卑猥な映像に囲まれ、痛みに痙攣する生身の美少女を目の当たりにして、レスリング部の面々が大人しくしているはずがなかった。
 全員一気に群がったかと思うと、それぞれが持ち場を決め、阿吽の呼吸で杏里を一斉に攻め始めた。
 首筋を、長い舌で麻衣が舐めた。
 右の乳房にトモが取りついた。
 左の乳房をアニスが受け持っている。
 ふたりは乳房をつけ根から握りしめ、生クリームを絞るように揉みしだくと、突き出た硬い乳首に吸いついた。
 股間の前に陣取ったのは、咲良である。
 咲良はその太い指で杏里の大陰唇を左右にめくり、内部のサーモンピンクの部分をあらわにすると、やにわに熱い舌で舐め始めた。
「ああん…」
 喘ぎ始めた杏里の唇に、待ちかまえていた純の唇が覆い被さってくる。
 舌、両の乳首、膣口…。
 4か所の性感帯をピンポイントで同時責めされ、杏里のなかで一時麻痺していたタナトスの機能が漸く蘇った。
 身体の奥深くから、灼熱のマグマが満ちてくる。
 口の中で舌が蠢き、形を変え始める。
 全身の毛穴という毛穴から、汗の代わりに透明なオイルがにじみ出してくる。
 いつの間にか、身体の痛みがすべて消え、疼くような快感に置き換わっていた。
 はあはあはあ。
 息が荒くなる。
 その音をマイクが拾って、スピーカーが増幅する。
 シアターのなかに、杏里の喘ぎ声が大音量で広がっていく。
 トモとアニスの指に弄り回される乳首が、拡大映像となって万華鏡のような壁面に無数に映っている。
 その間に挟まるのは、咲良の指でこねまわされる、杏里の充血した膣内の映像だ。
 観客たちの間に異変が起き始めるのに、長くはかからなかった。
 ある者はズボンから勃起したペニスをつかみ出し、杏里の映像を凝視しながらすごい勢いでしごいている。
 ある者は立ち上がって服を脱ぎ、全裸になって己の身体をまさぐっている。
 隣同士抱き合って、お互いの性器を弄り合う即席のカップルもいれば、ひとりの少女を裸に剥いて、その身体をまさぐる少年たちのグループもいる。
 まさに酒池肉林の大狂乱状態だ。
 そのむんむんとした情欲の波動が、杏里自身にフィードバックして、更なる活力を与えたようだった。
 全身の腺という腺に、エキスが行き渡るのがわかった。
 杏里は薄く目を開き、唇を貪る純を見た。
 まずはこの子から。

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