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第9部 倒錯のイグニス

#268 恥辱まみれのセレモニー②

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 全体重をかけた、高所からの強烈なボディプレスだった。
 小百合の巨体の下敷きになり、杏里は内臓が潰れたような激痛に喘いでいる。
 さすがの防御機能もすぐには働かず、全身が粉々になったように痺れてしまっていた。
 むくりと身を起こすと、小百合がぎらついた眼で杏里のレオタード姿をねめ回した。
 がううっ。
 獣のように唸ったかと思うと、レオタードの穴から突き出した乳首を、犬がゴムの玩具をしゃぶるように舐め回し始めた。
「うわあっと、きたあ! フライング・ボディプレス! これは重量級の大技だあっ! 大丈夫かあ! 笹原杏里いっ!」
 今やすっかり絶叫型の解説者と化した大山が、興奮を隠し切れない口調で実況する。
 ここで、仕留めなきゃ。
 杏里は痛む腕を動かし、小百合のうなじに回した。
 そのまま、ぐっと小百合の頭を自分の乳房に押しつける。
 もっと吸ってごらん。
 もう少し。
 もう少し、強く…。
 だが、ボディプレスの後遺症からか、痛みが先に立ち、快感が訪れてこない。
 さしもの杏里も、自分が快感を覚えなければ、”エキス”を分泌することができないのだ。
 と、小百合が動いた。
 太い腕で杏里を抱き起こすと、そのままするりと下に入り込んできた。
 こ、これは?
 杏里の顔に、一瞬、焦りの表情が浮かんだ。
 この体勢は…?
 仰向けのまま、身体が浮き上がった。
 それと反比例して、両手両足が後方へ引き絞られていく。
 小百合が己の四肢を杏里の四肢に絡め、真下から起重機のように持ち上げ始めたのだ。
「出たア! 久々のロメロ・スペシャル! 杏里の身体がみるみるうちに持ち上げられていくぞお! し、しかし、これは、なんといういやらしいポーズ!」
 大山は、ノリに乗っている。
 小百合が四肢を突っ張ると、弓なりになった姿勢で杏里はマットから1メートルほどの高さまで浮き上がった。
 身体が背中側に反り返っているせいで、レオタードに開いた穴から乳首がつんと突き出し、おそろしく卑猥な格好になっている。
 それは股間も同じことで、デリケートゾーンのスリットは限界まで開き、そこから縦長の二枚の肉唇が丸ごとはみ出していた。
 そこに、ぞろぞろとレスリング部のメンバー達が集まってきて、淫らに乳首と局部を晒した杏里を取り囲んだ。
「いい眺め」
 純がつぶやいた。
「うち、こういうの見ると、めちゃくちゃにしてやりたくなるんだよね」
 よだれを垂らさんばかりに、麻衣が言う。
「いいんじゃない? それがあたしたちのお役目なんだからさ」
 にやっと笑うなり、咲良がその肉付きのいい大きな手で、やにわに杏里の右の乳房を鷲掴みにした。

 
 
 


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