激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
251 / 463
第9部 倒錯のイグニス

#251 最後の夜④

しおりを挟む
 -そう。強くこするの。もっと、もっと激しくー
 スピーカー機能をオンにしたスマートフォンから、ヤチカの淫蕩な声が流れてくる。
 杏里は下着を脱ぎ捨て、いつの間にか全裸になっている。
 全裸でソファにまたがって、その角に陰部をこすりつけているのだ。
 勃起したふたつの乳首は根元を糸で縛られ、一方の端をカーテンレールに結びつけられている。
 これもヤチカに命じられるまま、杏里が自らの手でおこなったことだ。
 尻を前後に動かすたびに、リングに搾り上げられた陰核が硬い角に当たり、刺すような快感が駆け抜ける。
 体の動きに合わせて糸に乳首が引っ張られ、これもたまらなく気持ちがいい。
 秘所はすでに淫汁で濡れそぼり、ソファに蛞蝓が這ったような跡を残している。
 興奮のあまり、口の中で舌が別種の生き物のように膨張を始めていた。
 以前美里からラーニングした触手に代わり、杏里の肉体に新たに顕現した謎の形質だ。
 これも美里の影響かと思うと戦慄を禁じえなかったが、
 いけない!
 と思った時には口から触手化した舌が伸び上がり、先端を長い指のように開いていた。
 ソファの上に転げ落ち、仰向けになった杏里の上に、自らの口から吐き出された触手が襲いかかった。
 先が何本にも分かれたそれは、細い触手の群れとなってあるものは乳房を縛り上げ、あるものは膣とアナルに潜り込んだ。
 一度に数か所の性感帯を責められ、杏里は恍惚感でもうろうとなった。
 まるで肉体が浮遊するような感覚の中に時折激しい電撃が走り、その都度足の腱と指がぴんと突っ張った。
 ーあなたの身体は、私がもらったわー
 ふいにスピーカーから漏れ出る声が、ヤチカのものから別人のそれに変わったようだった。
 -あなたは、そのうち”私”になる。その時が来るのを、楽しみにしているわー
 この声…。
 全身を蕩かすような愉楽に打ち震えながら、杏里は懸命に記憶を呼び覚まそうとする。
 が、あと少しのところで、その努力は快感の津波に押し流されてしまうのだ。
 触手が全身の穴という穴から体内に潜り込み、身体の中でひとつに融合した。
 灼熱のマグマが身体の中心軸を貫き、内臓の隙間に多量のエキスを放出する。
「あああああああうううううっ!」
 そうして中も外も媚薬成分をたっぷり含んだ淫汁にまみれ、杏里は電気を流された食用蛙の心臓のようにひくつき、乳房を震わせ、ぴくぴく痙攣を繰り返し、またしても無様に果ててしまったのだった…。
 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...