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第9部 倒錯のイグニス
#250 最後の夜③
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まさか、ヤチカのほうからその話題を振ってくるとは…。
好都合だった。
そもそも、杏里が電話をかけた目的がそれなのだ。
高まる性的愉悦から無理やり意識を引きはがし、杏里はヤチカとの会話に集中することにした。
「私、見ました…。ヤチカさん、凛子とふみに会ってましたね。それに、あの男の人…あれは誰なんですか?」
-あの子たちはね、真布ばあさんに紹介してもらったの。私、明日のシークレット・イベントがどうしても見たくって…。そうしたら、なんでも校外の人間でも入れるプラチナチケットがあるっていうじゃない。それを譲ってくれる相手を探してたら、あのふたりに行きついたっていうわけー
「プラチナ・チケット?」
それは初耳だった。
そんなものがあるのなら、重人にあんな無理をさせずに済んだのに…。
校長の大山の考案だろうか。
小遣い稼ぎのため?
だとしたら、大人って、本当に汚い手を平気で使うんだ…。
-それからあの男はね、百足丸といって、私のお仲間のひとりなの。相手の性感帯を活性化する力を持っててね、ぜひとも杏里ちゃんと引き合わせたいと考えてるのー
「性感帯を、活性化?」
-彼は”チャクラ”と呼んでるわ。気功術でいう、人間の体内にある宇宙エネルギーの通り道なんだって。その中には性的能力を倍加するチャクラというのが存在していて、そこを活性化することで、人は至福の快楽を得られるようになるそうよ。どう? オナニーやセックスが大好きな杏里ちゃんにぴったりだと思わない?ー
「そ、そんな…」
あまりにあからさまに指摘され、陰核を弄る杏里の指の動きが早くなる。
こみあげる疼きにもうろうとしながら、杏里は思う。
そう…。それでわかった。
あの時の重人の変わりよう。
あれはその男が彼になんらかの”術”をほどこしたせいだったのだ。
-ね? これであなたの疑いはすべて解けたんじゃない? ならばあとはゆっくり楽しみましょう…-
ヤチカの声が、ねっとりとしたぬめりを帯びた。
「楽しむって…何を、ですか?」
我ながら白々しいと思いながらも、杏里はたずねないではいられなかった。
この興奮が、電波を通してヤチカに伝わっていないはずがないのだ。
-ふふっ。そこまで私に言わせる気? わかってるのよ。あなたが今、何をしてるのかー
「え…?」
ーあなたのお指は、今どこを触ってるの? そのかすかに聞こえるくちゅくちゅという音はなあに? いいのよ。隠さなくても。あのね、いいこと教えてあげましょうか? 実はさっきから、私も杏里ちゃんと同じことをしているの。お指を濡れたあそこに突っ込んで、中をかきまぜたり、お豆をつまんだり…。どう? 私の立てる音も、ちゃんとあなたに聞こえているかしら?-ー
「ああ…だめ…ヤチカ…さん…」
無意識のうちに、杏里は喘いでいた。
ヤチカの息遣いに混じるのは、確かに湿った肉の内部をかき回すあの音だ。
-私がイかせてあげるー
荒い息を吐きながら、ヤチカが言った。
-遠く離れたここから、言葉だけで、杏里ちゃん、あなたをねー
好都合だった。
そもそも、杏里が電話をかけた目的がそれなのだ。
高まる性的愉悦から無理やり意識を引きはがし、杏里はヤチカとの会話に集中することにした。
「私、見ました…。ヤチカさん、凛子とふみに会ってましたね。それに、あの男の人…あれは誰なんですか?」
-あの子たちはね、真布ばあさんに紹介してもらったの。私、明日のシークレット・イベントがどうしても見たくって…。そうしたら、なんでも校外の人間でも入れるプラチナチケットがあるっていうじゃない。それを譲ってくれる相手を探してたら、あのふたりに行きついたっていうわけー
「プラチナ・チケット?」
それは初耳だった。
そんなものがあるのなら、重人にあんな無理をさせずに済んだのに…。
校長の大山の考案だろうか。
小遣い稼ぎのため?
だとしたら、大人って、本当に汚い手を平気で使うんだ…。
-それからあの男はね、百足丸といって、私のお仲間のひとりなの。相手の性感帯を活性化する力を持っててね、ぜひとも杏里ちゃんと引き合わせたいと考えてるのー
「性感帯を、活性化?」
-彼は”チャクラ”と呼んでるわ。気功術でいう、人間の体内にある宇宙エネルギーの通り道なんだって。その中には性的能力を倍加するチャクラというのが存在していて、そこを活性化することで、人は至福の快楽を得られるようになるそうよ。どう? オナニーやセックスが大好きな杏里ちゃんにぴったりだと思わない?ー
「そ、そんな…」
あまりにあからさまに指摘され、陰核を弄る杏里の指の動きが早くなる。
こみあげる疼きにもうろうとしながら、杏里は思う。
そう…。それでわかった。
あの時の重人の変わりよう。
あれはその男が彼になんらかの”術”をほどこしたせいだったのだ。
-ね? これであなたの疑いはすべて解けたんじゃない? ならばあとはゆっくり楽しみましょう…-
ヤチカの声が、ねっとりとしたぬめりを帯びた。
「楽しむって…何を、ですか?」
我ながら白々しいと思いながらも、杏里はたずねないではいられなかった。
この興奮が、電波を通してヤチカに伝わっていないはずがないのだ。
-ふふっ。そこまで私に言わせる気? わかってるのよ。あなたが今、何をしてるのかー
「え…?」
ーあなたのお指は、今どこを触ってるの? そのかすかに聞こえるくちゅくちゅという音はなあに? いいのよ。隠さなくても。あのね、いいこと教えてあげましょうか? 実はさっきから、私も杏里ちゃんと同じことをしているの。お指を濡れたあそこに突っ込んで、中をかきまぜたり、お豆をつまんだり…。どう? 私の立てる音も、ちゃんとあなたに聞こえているかしら?-ー
「ああ…だめ…ヤチカ…さん…」
無意識のうちに、杏里は喘いでいた。
ヤチカの息遣いに混じるのは、確かに湿った肉の内部をかき回すあの音だ。
-私がイかせてあげるー
荒い息を吐きながら、ヤチカが言った。
-遠く離れたここから、言葉だけで、杏里ちゃん、あなたをねー
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