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第9部 倒錯のイグニス
#249 最後の夜②
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「拷問?」
穏やかならぬ表現に、杏里は眉をひそめた。
まったく、ヤチカは何を考えているのか。
都合が悪いことでもあって、ただ話を逸らそうとしているだけなのか。
-まあ、拷問といっても、あなたを苦しめたり、痛めつけたりといった、そういうものじゃないのよー
ヤチカの声には、なにか面白がっているような響きがこもっている。
杏里をからかって、喜んでいるのかもしれなかった。
-私はね、もう一度あなたの恍惚としてるお顔が見たいの。だから、今、ラブドールのふたつの乳首とクリトリスを糸で縛って、天上から吊るしてみたのー
「そ、そんな…」
杏里が思わず声を上げてしまったのは、その光景が鮮明に脳裏に浮かんだからだった。
釣り鐘の形をしたひと組の美しい乳房。
その頂の先のふくらんだ乳首の根元を糸で縛られ、宙に浮く少女の裸体。
もう一本の糸はリングに搾り上げられ、肥大した陰核から伸びている。
普通の人間には不可能な体勢である。
体重を支え切れず、すぐに乳首、陰核ともどももげてしまうだろう。
だが、ラブドールなら可能な気がした。
痛みを快感に変換する能力を持つタナトスである杏里自身も、あるいはそうかもしれない。
-きっと杏里ちゃんなら感じてくれると思ってね。さっきから吊るしたこの子の全身にキスしたり、舐めたりして可愛がってあげてるんだけど、残念。そこはしょせんお人形の哀しさね。外観がどんなに似ていても、この子ったら、顔色ひとつ変えないの。そこがあなたとの決定的な違い。ああ、杏里ちゃん、あなたが恋しいわ。あなたと過ごしたあの濃密でただれた日々が、恋しくてならない。あなたのいやらしい裸や、いつもしてほしそうに潤んでるその瞳、ねだるようにあえぐ可愛い声…それを思い出すだけで、私濡れてきて、なんにも手につかなくなっちゃうの…-
ヤチカのあからさまな淫語に、杏里は無意識のうちに太腿をこすり合わせている。
膣の中に生暖かい液体がにじみ出し、割れ目の内側を濡らし始めたからだった。
-会いたいわ…杏里ちゃん。あなたにとっては、私なんて、もう過去の人に過ぎないかもしれないけど…-
ヤチカの声には、切ないほどの情感がこめられているようだ。
杏里は戸惑った。
もとより、何かがあってヤチカと別れたわけではない。
ただ杏里の側に立て続けにさまざまなことが起こって、疎遠になっているだけなのだ。
美里との確執。
委員会本部での、死のトーナメント戦。
変異外来種たちの襲撃。
ルナの参入。
小百合の特訓。
レスリング部の紅白戦。
そして、明日のイベント…。
そのうちに、ヤチカ自身が、いずなとともに失踪してしまったのだ。
ヤチカの言葉は続く。
-だから、どうしても会いたくって悶々としてたんだけど…。そうしたら、真布ばあさんが教えてくれたのよ。あなたの学校で、秘密のイベントがあるらしいってね。そのPR動画も見せてもらったわ。あなたのオナニーシーンが映ったあれね。あんまり懐かしくて、私、泣いちゃった。もちろん、何回も再生しては、あえぐあなたをおかずにして、私自身、オナニーに耽ったわ…-
「な、なにが、言いたいんですか…?」
杏里の左手は、すでにブラジャーの下から己の乳首をつまんでいる。
大陰唇がぬかるんだように濡れて、勃起した陰核が下着を強く押し上げていた。
-きょう、学校で会ったでしょ?ー
やにわにヤチカがそう言った。
-事情があって、話しかけられなかったけど、久しぶりに元気そうなあなたを見て、ほっとしたわー
穏やかならぬ表現に、杏里は眉をひそめた。
まったく、ヤチカは何を考えているのか。
都合が悪いことでもあって、ただ話を逸らそうとしているだけなのか。
-まあ、拷問といっても、あなたを苦しめたり、痛めつけたりといった、そういうものじゃないのよー
ヤチカの声には、なにか面白がっているような響きがこもっている。
杏里をからかって、喜んでいるのかもしれなかった。
-私はね、もう一度あなたの恍惚としてるお顔が見たいの。だから、今、ラブドールのふたつの乳首とクリトリスを糸で縛って、天上から吊るしてみたのー
「そ、そんな…」
杏里が思わず声を上げてしまったのは、その光景が鮮明に脳裏に浮かんだからだった。
釣り鐘の形をしたひと組の美しい乳房。
その頂の先のふくらんだ乳首の根元を糸で縛られ、宙に浮く少女の裸体。
もう一本の糸はリングに搾り上げられ、肥大した陰核から伸びている。
普通の人間には不可能な体勢である。
体重を支え切れず、すぐに乳首、陰核ともどももげてしまうだろう。
だが、ラブドールなら可能な気がした。
痛みを快感に変換する能力を持つタナトスである杏里自身も、あるいはそうかもしれない。
-きっと杏里ちゃんなら感じてくれると思ってね。さっきから吊るしたこの子の全身にキスしたり、舐めたりして可愛がってあげてるんだけど、残念。そこはしょせんお人形の哀しさね。外観がどんなに似ていても、この子ったら、顔色ひとつ変えないの。そこがあなたとの決定的な違い。ああ、杏里ちゃん、あなたが恋しいわ。あなたと過ごしたあの濃密でただれた日々が、恋しくてならない。あなたのいやらしい裸や、いつもしてほしそうに潤んでるその瞳、ねだるようにあえぐ可愛い声…それを思い出すだけで、私濡れてきて、なんにも手につかなくなっちゃうの…-
ヤチカのあからさまな淫語に、杏里は無意識のうちに太腿をこすり合わせている。
膣の中に生暖かい液体がにじみ出し、割れ目の内側を濡らし始めたからだった。
-会いたいわ…杏里ちゃん。あなたにとっては、私なんて、もう過去の人に過ぎないかもしれないけど…-
ヤチカの声には、切ないほどの情感がこめられているようだ。
杏里は戸惑った。
もとより、何かがあってヤチカと別れたわけではない。
ただ杏里の側に立て続けにさまざまなことが起こって、疎遠になっているだけなのだ。
美里との確執。
委員会本部での、死のトーナメント戦。
変異外来種たちの襲撃。
ルナの参入。
小百合の特訓。
レスリング部の紅白戦。
そして、明日のイベント…。
そのうちに、ヤチカ自身が、いずなとともに失踪してしまったのだ。
ヤチカの言葉は続く。
-だから、どうしても会いたくって悶々としてたんだけど…。そうしたら、真布ばあさんが教えてくれたのよ。あなたの学校で、秘密のイベントがあるらしいってね。そのPR動画も見せてもらったわ。あなたのオナニーシーンが映ったあれね。あんまり懐かしくて、私、泣いちゃった。もちろん、何回も再生しては、あえぐあなたをおかずにして、私自身、オナニーに耽ったわ…-
「な、なにが、言いたいんですか…?」
杏里の左手は、すでにブラジャーの下から己の乳首をつまんでいる。
大陰唇がぬかるんだように濡れて、勃起した陰核が下着を強く押し上げていた。
-きょう、学校で会ったでしょ?ー
やにわにヤチカがそう言った。
-事情があって、話しかけられなかったけど、久しぶりに元気そうなあなたを見て、ほっとしたわー
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