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第9部 倒錯のイグニス
#204 美里の影⑧
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それから起こったことは、まるで喜劇だった。
杏里が身を引くのと同時に、男児が窓から落ちてきたのだ。
ごつんと鈍い音がして、地面に転がった男児が頭を抱えて泣き出した。
「うぇーん!」
泣いている姿は、どこから見ても普通の幼児である。
ただ、異様なのは丸裸であることと、その身体の大きさだ。
赤ん坊がそのまま大きくなったような体型をしているくせに、体のサイズは小5か6くらいある。
「大丈夫?」
子どもの目線に合わせるため、その場にしゃがみこんで杏里はたずねた。
しゃがむとマイクロミニの間から下着が丸見えになってしまうが、この際そんなことも言っていられない。
男児が落ちたのは、半分は杏里のせいなのだ。
こんなところを園の関係者に見られたら、何を言われるかわかったものではなかった。
「頭ぶったの? どれ、見せてごらん」
イガ栗頭に手を伸ばすと、後頭部にこぶができていた。
「いたいよう! ママぁ、いたいよう!」
男児は顔を真っ赤にしてわめくように泣いている。
気配を感じて見上げると、バスの窓から女児がふたり顔を出し、咎めるようなまなざしで杏里を睨んでいた。
困ったな、お医者さんに連れてったほうがいいのかな。
途方に暮れて、泣きわめく男児の身体を抱き寄せた。
と、そのとたんである。
男児がぴたりと泣き止んだ。
「え?」
杏里は驚いてその顔を見た。
男児の肉まんのように丸い顔には、涙の跡ひとつない。
それどころか、陰湿に目を細め、ほくそ笑んでいるように見える。
ウソ泣きなの?
本能的な危険を感じ、その重い身体を突き放そうとした瞬間だった。
「うっ」
右胸に激痛を覚え、杏里はのけぞった。
見ると、テニスウェアの上から、男児が右の乳房に噛みついていた。
「何するの!」
振りほどこうとするものの、幼児のくせに異様に力が強い。
そのうち、男児が右手を伸ばし、杏里のスカートの中に手を入れてきた。
偶然そうなったという感じではなかった。
無防備な股間に手を突っ込むと、いきなりパンティ越しに恥丘を鷲掴みにしてきたのだ。
「やめて!」
重量感のある裸体がのしかかり、杏里を地面に押し倒す。
「ぐはあ! 本物のおっぱいだ!」
テニスウェアを喰い破り、布の切れ端を口から垂らしながら、男児が顔を上げた。
乳歯にしては妙にたくましい歯列がその口の間から覗いている。
めくれた唇の端から突き出ているのは、明らかに尖った犬歯である。
むき出しになった杏里の右の乳房には、半月型の歯型が刻まれてしまっていた。
そ、そんな…。
杏里は唖然となった。
杏里のテニスウェアは、紙でできているわけではない。
有名メーカーのちゃんとした製品である。
それを、幼児が歯で食い破るだなんて。
恐ろしい顎の力だった。
大人にだって、こんなの無理。
これじゃ、まるで野獣じゃない!
杏里の両手を地面に押さえつけ、もう一方の乳房に噛みつこうと、男児が大きく口を開けた。
「やめなさい!」
もう黙ってはいられない。
名状しがたい恐怖と激しい怒りに駆られ、杏里は両足を跳ね上げ、その背中を思い切り膝で蹴飛ばした。
「ぐあ」
衝撃で、男児がのけぞった。
転げ落ちる男児に背を向け、立ち上がろうとした時、後ろから足首をつかまれた。
スカートが派手にめくり上げられるのがわかった。
「逃げちゃだめ!」
むき出しの尻に硬いものが当たった。
熱い棒のようなものが、尻の割れ目に食い込んでくる。
背後から両の乳房をつかまれた。
サバ折りのように、身体が弓なりにしなった。
「ねえ、おっぱい姉ちゃん、もっとボクと遊ぼうよ」
杏里の腰の上に馬乗りになり、猛り立つ肉棒を尻のはざまに押しつけながら、無邪気な声で男児が言った。
杏里が身を引くのと同時に、男児が窓から落ちてきたのだ。
ごつんと鈍い音がして、地面に転がった男児が頭を抱えて泣き出した。
「うぇーん!」
泣いている姿は、どこから見ても普通の幼児である。
ただ、異様なのは丸裸であることと、その身体の大きさだ。
赤ん坊がそのまま大きくなったような体型をしているくせに、体のサイズは小5か6くらいある。
「大丈夫?」
子どもの目線に合わせるため、その場にしゃがみこんで杏里はたずねた。
しゃがむとマイクロミニの間から下着が丸見えになってしまうが、この際そんなことも言っていられない。
男児が落ちたのは、半分は杏里のせいなのだ。
こんなところを園の関係者に見られたら、何を言われるかわかったものではなかった。
「頭ぶったの? どれ、見せてごらん」
イガ栗頭に手を伸ばすと、後頭部にこぶができていた。
「いたいよう! ママぁ、いたいよう!」
男児は顔を真っ赤にしてわめくように泣いている。
気配を感じて見上げると、バスの窓から女児がふたり顔を出し、咎めるようなまなざしで杏里を睨んでいた。
困ったな、お医者さんに連れてったほうがいいのかな。
途方に暮れて、泣きわめく男児の身体を抱き寄せた。
と、そのとたんである。
男児がぴたりと泣き止んだ。
「え?」
杏里は驚いてその顔を見た。
男児の肉まんのように丸い顔には、涙の跡ひとつない。
それどころか、陰湿に目を細め、ほくそ笑んでいるように見える。
ウソ泣きなの?
本能的な危険を感じ、その重い身体を突き放そうとした瞬間だった。
「うっ」
右胸に激痛を覚え、杏里はのけぞった。
見ると、テニスウェアの上から、男児が右の乳房に噛みついていた。
「何するの!」
振りほどこうとするものの、幼児のくせに異様に力が強い。
そのうち、男児が右手を伸ばし、杏里のスカートの中に手を入れてきた。
偶然そうなったという感じではなかった。
無防備な股間に手を突っ込むと、いきなりパンティ越しに恥丘を鷲掴みにしてきたのだ。
「やめて!」
重量感のある裸体がのしかかり、杏里を地面に押し倒す。
「ぐはあ! 本物のおっぱいだ!」
テニスウェアを喰い破り、布の切れ端を口から垂らしながら、男児が顔を上げた。
乳歯にしては妙にたくましい歯列がその口の間から覗いている。
めくれた唇の端から突き出ているのは、明らかに尖った犬歯である。
むき出しになった杏里の右の乳房には、半月型の歯型が刻まれてしまっていた。
そ、そんな…。
杏里は唖然となった。
杏里のテニスウェアは、紙でできているわけではない。
有名メーカーのちゃんとした製品である。
それを、幼児が歯で食い破るだなんて。
恐ろしい顎の力だった。
大人にだって、こんなの無理。
これじゃ、まるで野獣じゃない!
杏里の両手を地面に押さえつけ、もう一方の乳房に噛みつこうと、男児が大きく口を開けた。
「やめなさい!」
もう黙ってはいられない。
名状しがたい恐怖と激しい怒りに駆られ、杏里は両足を跳ね上げ、その背中を思い切り膝で蹴飛ばした。
「ぐあ」
衝撃で、男児がのけぞった。
転げ落ちる男児に背を向け、立ち上がろうとした時、後ろから足首をつかまれた。
スカートが派手にめくり上げられるのがわかった。
「逃げちゃだめ!」
むき出しの尻に硬いものが当たった。
熱い棒のようなものが、尻の割れ目に食い込んでくる。
背後から両の乳房をつかまれた。
サバ折りのように、身体が弓なりにしなった。
「ねえ、おっぱい姉ちゃん、もっとボクと遊ぼうよ」
杏里の腰の上に馬乗りになり、猛り立つ肉棒を尻のはざまに押しつけながら、無邪気な声で男児が言った。
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