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第9部 倒錯のイグニス
#179 イベント準備⑥
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10回ほど射精を繰り返すと、何も出なくなった。
杏里は蜜壺からペニスを抜くと、アキラの腰の傍らにしゃがみこんだ。
半勃ちのそれを、口に含んでみた。
自分の淫汁と精液にまみれた肉棒は、海綿体の部位が酷使されて赤くはれ上がっている。
口に含んだまま、左手で性器をしごき、左手の人差し指を肛門に入れ直す。
勃起中枢を爪でこすると、またペニスが硬さを取り戻した。
根元から先まで、時間をかけ、長い舌でねぶり回してやる。
が、無駄だった。
ペニスは勃起するものの、肝心の精液が枯れてしまっているのだ。
口からペニスをはずすと、杏里は手の中の赤紫色の器官を不思議そうに眺めた。
雄は哀れな生き物だとつくづく思った。
こんなもの1本のために、雄はた易く理性を狂わせてしまう。
そのくせ、精液が枯れてしまえば、もう性的快感を得ることもできないのだ。
その点、雌は違う。
現に、あれほど荒淫の限りを尽くしたというのに、杏里の中ではいまだに欲望が渦巻いている。
我ながら、タナトスの業の深さに唖然とする思いだった。
ここのところ、杏里の性的な部分は急速な進化を遂げているようだ。
美里との融合、タナトス同士の戦い、小百合の特訓、外来種との遭遇、もっくんの媚薬…。
そういったすべての要素を吸収して、性的によりいっそう強くなってきているのがわかる。
相手が誰なら、私は満足できるのだろう…?
完全に気絶してしまったAV男優を眺めながら、ため息混じりにそう思った。
「もう、そこまでにしてやってくれないか」
ブースのひとつに隠れていた大山が、仕切りから顔を出してそう言った。
「それ以上無理強いしたら、彼は不能になってしまうだろう」
「がっかりです」
杏里は答えた。
「この道のプロという触れ込みでしたから、ちょっぴり期待したんですけど、大したことなかったですね」
「い、いや、それは、あまりにも君が…」
「なんなら、校長も試してみますか?」
一糸まとわぬ裸で、杏里は大山の隠れるブースに歩み寄った。
つんと上を向いた乳首の先に露が光っているのは、全身の毛穴から分泌される防護液のせいだ。
「私は、以前の私とは違います。数秒で、あなたを浄化する自信があります」
「そ、それはまずい」
大山が大げさに首を横に振った。
「完全な浄化は、記憶障害を引き起こすと聞いている。私がそんなことになってしまったら、今度のイベントで、君をサポートできなくなってしまう」
「では、あくまでも校長は、私の味方だと?」
釘を刺す杏里に、大山が慌ただしくうなずいた。
「当たり前じゃないか。この学校全体の浄化を願って、君の派遣を委員会に要請したのは、元はといえば、この私だ。私の義務は、美里先生に汚染された全校生徒と一部の職員を、完全に元に戻すこと。それには、笹原君、タナトスとしての君の協力が、必要不可欠なんだ」
「璃子はどうですか? あの子、ずいぶん怪しい動きをしているようだけど」
何もかも知ったうえで、行動しているように見える璃子。
陰で小百合を炊きつけていたのも、彼女ではないかという気がするほどだ。
「あの生徒は、協力者のひとりと考えてもらえばいい。一筋縄ではいかないところもあるが、ほかの生徒への影響も大きいし、頭も切れるので、前原教頭を通じて私が協力を頼んだのだ」
大山の言葉に、本当にそれだけだろうか、と杏里は思った。
どこがどうとはわからない。
だが、璃子には何かそれ以上の秘密が隠されているような気がしてならないのだ。
「ああ、それから君は、きょうはもう帰宅してもらってかまわない。明日も一日、休みたまえ。イベントを公平に行うためにも、各クラスの催しの裏を、君に見せるわけにはいかないのでね。それは、あの、君のボデイガードの女生徒も同様だ。君たちふたりは、明後日の学園祭当日、時間通りに登校してくれれば、それでいい。日曜日の本番の打ち合わせは、学園祭初日に行うことにしよう」
つまり、私とルナは、一般客と同じ立場というわけなのだ。
「わかりました。ありがとうございます」
杏里は礼を言った。
こんな居心地の悪いところ、長居はしたくない。
どうせ誰もが、私を爪弾きにしようとするのだから。
「今さっき撮った映像、うまく使ってくださいね。あれを見せるだけで、気の弱い草食系男子の何人かは、勝手に自己浄化してしまうでしょうから」
「任せてくれ。何が何でも、君のサポートに役立てるよ」
「それから、オープニングイベントの相手役は、別の男の人を。彼はもう、役に立ちません」
「そうだな。外国人のほうがいいかもな。いっそのこと、黒人をあたってみるか」
「女性でもかまいませんよ」
杏里は淫蕩な流し目を、大山に送った。
「私、もともとバイセクシャルですから、その人物が魅力的であるなら、女性が相手でも十分燃えるんです」
杏里は蜜壺からペニスを抜くと、アキラの腰の傍らにしゃがみこんだ。
半勃ちのそれを、口に含んでみた。
自分の淫汁と精液にまみれた肉棒は、海綿体の部位が酷使されて赤くはれ上がっている。
口に含んだまま、左手で性器をしごき、左手の人差し指を肛門に入れ直す。
勃起中枢を爪でこすると、またペニスが硬さを取り戻した。
根元から先まで、時間をかけ、長い舌でねぶり回してやる。
が、無駄だった。
ペニスは勃起するものの、肝心の精液が枯れてしまっているのだ。
口からペニスをはずすと、杏里は手の中の赤紫色の器官を不思議そうに眺めた。
雄は哀れな生き物だとつくづく思った。
こんなもの1本のために、雄はた易く理性を狂わせてしまう。
そのくせ、精液が枯れてしまえば、もう性的快感を得ることもできないのだ。
その点、雌は違う。
現に、あれほど荒淫の限りを尽くしたというのに、杏里の中ではいまだに欲望が渦巻いている。
我ながら、タナトスの業の深さに唖然とする思いだった。
ここのところ、杏里の性的な部分は急速な進化を遂げているようだ。
美里との融合、タナトス同士の戦い、小百合の特訓、外来種との遭遇、もっくんの媚薬…。
そういったすべての要素を吸収して、性的によりいっそう強くなってきているのがわかる。
相手が誰なら、私は満足できるのだろう…?
完全に気絶してしまったAV男優を眺めながら、ため息混じりにそう思った。
「もう、そこまでにしてやってくれないか」
ブースのひとつに隠れていた大山が、仕切りから顔を出してそう言った。
「それ以上無理強いしたら、彼は不能になってしまうだろう」
「がっかりです」
杏里は答えた。
「この道のプロという触れ込みでしたから、ちょっぴり期待したんですけど、大したことなかったですね」
「い、いや、それは、あまりにも君が…」
「なんなら、校長も試してみますか?」
一糸まとわぬ裸で、杏里は大山の隠れるブースに歩み寄った。
つんと上を向いた乳首の先に露が光っているのは、全身の毛穴から分泌される防護液のせいだ。
「私は、以前の私とは違います。数秒で、あなたを浄化する自信があります」
「そ、それはまずい」
大山が大げさに首を横に振った。
「完全な浄化は、記憶障害を引き起こすと聞いている。私がそんなことになってしまったら、今度のイベントで、君をサポートできなくなってしまう」
「では、あくまでも校長は、私の味方だと?」
釘を刺す杏里に、大山が慌ただしくうなずいた。
「当たり前じゃないか。この学校全体の浄化を願って、君の派遣を委員会に要請したのは、元はといえば、この私だ。私の義務は、美里先生に汚染された全校生徒と一部の職員を、完全に元に戻すこと。それには、笹原君、タナトスとしての君の協力が、必要不可欠なんだ」
「璃子はどうですか? あの子、ずいぶん怪しい動きをしているようだけど」
何もかも知ったうえで、行動しているように見える璃子。
陰で小百合を炊きつけていたのも、彼女ではないかという気がするほどだ。
「あの生徒は、協力者のひとりと考えてもらえばいい。一筋縄ではいかないところもあるが、ほかの生徒への影響も大きいし、頭も切れるので、前原教頭を通じて私が協力を頼んだのだ」
大山の言葉に、本当にそれだけだろうか、と杏里は思った。
どこがどうとはわからない。
だが、璃子には何かそれ以上の秘密が隠されているような気がしてならないのだ。
「ああ、それから君は、きょうはもう帰宅してもらってかまわない。明日も一日、休みたまえ。イベントを公平に行うためにも、各クラスの催しの裏を、君に見せるわけにはいかないのでね。それは、あの、君のボデイガードの女生徒も同様だ。君たちふたりは、明後日の学園祭当日、時間通りに登校してくれれば、それでいい。日曜日の本番の打ち合わせは、学園祭初日に行うことにしよう」
つまり、私とルナは、一般客と同じ立場というわけなのだ。
「わかりました。ありがとうございます」
杏里は礼を言った。
こんな居心地の悪いところ、長居はしたくない。
どうせ誰もが、私を爪弾きにしようとするのだから。
「今さっき撮った映像、うまく使ってくださいね。あれを見せるだけで、気の弱い草食系男子の何人かは、勝手に自己浄化してしまうでしょうから」
「任せてくれ。何が何でも、君のサポートに役立てるよ」
「それから、オープニングイベントの相手役は、別の男の人を。彼はもう、役に立ちません」
「そうだな。外国人のほうがいいかもな。いっそのこと、黒人をあたってみるか」
「女性でもかまいませんよ」
杏里は淫蕩な流し目を、大山に送った。
「私、もともとバイセクシャルですから、その人物が魅力的であるなら、女性が相手でも十分燃えるんです」
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