激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第9部 倒錯のイグニス

#173 女王雌豚化計画⑦

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 エアロックを模した厳重なドアを開けると、そこが零の部屋だ。
 ヤチカが凌辱劇を演じたステージはそのままだが、百足丸の希望で、つい最近、新しい設備を導入した。
 自在に高さを調節できる、医療用ベッドである。
 今、零はそのベッドに、椅子に腰かけるような恰好で拘束されている。
 ベッドの半分が背もたれのように持ち上がり、零の背中を支えているのだ。
 ただ、ふつうの椅子と違うのは、足を置く場所がかなり高い位置にあるという点である。
 ベッド自体が宇宙船の操縦席のように斜め上を向いているため、分娩室の妊婦よろしく、微妙に上向きになり、零は股を開いている。
 百足丸が入って行くと、スタンドに下げた点滴器具を調整していた白衣の男が振り向いて、困惑気味の口調で言った。
「いくらなんでも、やりすぎじゃないですかね。筋弛緩剤で自由を奪って強姦するなんて、私には犯罪としか思えませんが」
「余計な口を叩くな。調整が終わったら、出て行け」
 医療スタッフに向かって、百足丸は不機嫌に顎をしゃくった。
「これがぎりぎりのラインです。これ以上、投入の間隔を速めると、心臓が止まってしまう」
「そのくらいで死にやしないよ。この女王様は」
 零は相変わらず一糸まとわぬ裸体のままだ。
 顔にVRゴーグルを装着している点も変わらない。
 白衣の男が出て行くと、百足丸は大股に零のもとへと歩み寄った。
 ベッドの前に回ると、キャスター付きの椅子を引き寄せ、零の股間の正面に座った。
 右手の手袋を取り、しばらく指を動かしていると、人差し指が次第に鍼の形に変わり始めた。
 左手でマスクをはめ、零の股の間に顔を近づける。
 会陰部を視認すると、鍼状の爪を伸ばして、チャクラのあるあたりの皮膚に突き刺した。
 日課になっているため、手順に狂いはない。
 第1チャクラが回り出したのを確認し、零の手足の拘束具を順番にはずしていく。
 筋弛緩剤のせいで、零の身体は軟体動物のようにぐにゃぐにゃだ。
 スイッチを押してベッドを倒すと、点滴のチューブがはずれないように注意しながら、その体を裏返す。
 うつぶせにしたところで、尻の肉を開き、露わになった肛門にクスコを突っ込んで穴の形を固定した。
 筋弛緩剤のおかげで、作業は順調だった。
 最初の時のような不安と緊張は、今となっては微塵もない。
 肛門鏡を頼りに、第2チャクラの裏側にターゲットを定め、小さな穴に鍼を挿入する。
 とたんに零の陰部が濡れてきた。
 唇は閉じているのに、透明な汁がにじんできたのだ。
 ふたつめのチャクラが活性化した、何よりの証拠だった。
 施術を終えると、零の身体を仰向けにし、顔からゴーグルを取り去った。
 最新のフィギュア技術で蘇った日本人形のような美貌が現れた。
 切れ長の目を見開くと、零が物憂げに百足丸を見上げた。
「私の身体に、何を、した?」
 薬品の影響か、たどたどしい口調で訊いてきた。
「なんでもいいだろう。今度こそ、大人しく言いなりになるんだな」
 百足丸はすでにズボンからペニスを引っ張り出している。
 零の裸身を目にしただけで、そのペニスは痛いほど勃起してしまっている。
 身動きできない零の上にまたがると、裸の足を左右に大きく押し開き、股間に縦に走る唇を2本の指で広げにかかる。
 筋弛緩剤の効果は絶大だった。
 あれほど固く閉じていた陰唇が、あっけないほどた易く口を開けるのがわかった。
 ふたつのチャクラを回したせいで、中は十分に潤っているようだ。
 百足丸は暴力的にその熱く濡れそぼつ穴に己の肉棒を突き入れた。
 腰を突き出し、更に奥へと埋めていく。
 が、零は声ひとつ立てようとしない。
 ただ、蔑むようなまなざしで、下からじっと百足丸を見上げているだけだ。
 な、なんだ、こいつ?
 感じていないのか?
 懸命に腰を動かしながら、百足丸はひどく焦りを覚えていた。
 こんなに濡れているのに、何なんだ? この冷静な目つきは?
 おわん型の零の乳房を、両手で揉みしだく。
 その感触に気も狂わんばかりに昂ぶりながら、心は逆に冷たく冷めていく。
 やがて零の中でペニスが硬さを失い、委縮し始めた。
「うう…」
 がくりとうなだれる百足丸。
 と、零が憐れむような口調で言った。
「無駄だというのに」
「どうすれば、いい…?」
 百足丸は、ほとんど哀願せんばかりだ。
 この調子では、せっかく挿入できても、射精にまで至れない。
 それでは、子孫繁栄どころの話ではなくなってしまう。
「どうしてもというのなら、ここに杏里を連れてくるんだな」
 零が酷薄な笑みの形に口角を吊り上げた。
「映像なんかじゃなく、本物の杏里をね」






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