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第9部 倒錯のイグニス
#171 偵察⑬
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熟練した人差し指が陰核の裏を撫で上げた。
杏里の陰核にはまだリングがはまったままである。
リングに搾り上げられて肥大した、男性でいえば亀頭の裏側に当たる部位を、ヤチカの指の腹がナメクジが這うようなスピードで撫でていく。
腰を引いて逃げる暇もなく、翻った指先が唇を割り、蠢動する穴から内部へと滑り込む。
括約筋が収縮してその侵入を止めようとするが、肉襞をまといつかせたまま、かまわず指が内部をかき回す。
第二関節で折れ曲がった指の先端が、Gスポットのざらざらの壁を強く圧迫すると、たまらず杏里は脱力した。
下着の隙間から淫汁を垂れ流してくず折れる杏里の上に、裸のラブドールたちが次々にのしかかる。
ヤチカそっくりの人形たちの手や足が、複雑怪奇に杏里の四肢に絡みつく。
身動きが取れなくなった杏里の身体を、人形たちの間から伸びた2本の手が、好き勝手に弄ぶ。
タンクトップをたくしあげられ、スカートのファスナーを下ろされて、杏里は半ば裸になりかかっている。
人形たちの間から突き出た足を、長い舌がつけ根から膝の裏側に向かって、ぞろりと舐め上げた。
思わぬところで性感帯を刺激されたせいで、性露丸マグナムの残滓が活性化し始めたようだった。
前歯で乳首を甘噛みされ、Gスポットと陰核を同時攻撃され、杏里はがくんがくんと身体を波打たせた。
相手が見えないだけに、その効果は予想をはるかに超えていた。
「あんあんあんつ!」
こらえきれずに、最初の絶頂を迎えた時である。
バアン!
いきなり引き戸が跳ね飛んで、外の光が部屋の内部を照らし出した。
逆光を背に、戸口に立っているルナの姿が見えてきた。
「杏里!」
鋭い叫びと同時に、杏里に覆いかぶさっていた人形たちが吹き飛んだ。
ルナは、アクアマリンの瞳を限界まで見開いている。
その瞳孔の中心に危険な輝きが宿っているのを目に止めて、かすれた声で杏里は叫び返した。
「ルナ、やめて。それ以上、力を使わないで」
「いったい、何なんだ? この部屋は」
人形たちを足蹴にして道をつくると、ルナが中に入ってきた。
伸ばした杏里の右腕をつかむと、一挙動で引き起こす。
乳房とショーツも露わな姿のまま、杏里はルナにしなだれかかった。
改めてなかを見回すと、いつのまにか、ヤチカの気配は消えていた。
どこかに秘密の抜け道でもあって、そこを通って脱出したのだろうか。
部屋の中にはヤチカを模したラブドールたちが、壊れたマネキン人形のように乱雑に積み重なっているだけだ。
「ここは、ヤチカさんの部屋…」
ルナの胸にしがみついて、荒い息を吐きながら、杏里は言った。
「ヤチカって、残虐少女絵画集の、あの画家のことだろう? おまえをモデルにした、あのとんでもない画集の」
ルナはヤチカのアトリエで、原画を何枚か見ているのだ。
その中身に、嫉妬すら覚えているに違いない。
「だからって、どうしておまえがそんなふうになるんだよ?」
興奮で潤んだ杏里の眼をにらみつけて、怒ったような口調で責めてきた。
「だってヤチカさんは、私に初めて悦びを教えてくれた人だから…。ただれた性の歓びを…」
ルナの顔色が変わった。
「それ以上、言うな」
杏里のほてった躰を突き放し、吐き捨てるようにつぶやいた。
「それ以上聞いたら、わたしはおまえを許せなくなる…」
杏里の陰核にはまだリングがはまったままである。
リングに搾り上げられて肥大した、男性でいえば亀頭の裏側に当たる部位を、ヤチカの指の腹がナメクジが這うようなスピードで撫でていく。
腰を引いて逃げる暇もなく、翻った指先が唇を割り、蠢動する穴から内部へと滑り込む。
括約筋が収縮してその侵入を止めようとするが、肉襞をまといつかせたまま、かまわず指が内部をかき回す。
第二関節で折れ曲がった指の先端が、Gスポットのざらざらの壁を強く圧迫すると、たまらず杏里は脱力した。
下着の隙間から淫汁を垂れ流してくず折れる杏里の上に、裸のラブドールたちが次々にのしかかる。
ヤチカそっくりの人形たちの手や足が、複雑怪奇に杏里の四肢に絡みつく。
身動きが取れなくなった杏里の身体を、人形たちの間から伸びた2本の手が、好き勝手に弄ぶ。
タンクトップをたくしあげられ、スカートのファスナーを下ろされて、杏里は半ば裸になりかかっている。
人形たちの間から突き出た足を、長い舌がつけ根から膝の裏側に向かって、ぞろりと舐め上げた。
思わぬところで性感帯を刺激されたせいで、性露丸マグナムの残滓が活性化し始めたようだった。
前歯で乳首を甘噛みされ、Gスポットと陰核を同時攻撃され、杏里はがくんがくんと身体を波打たせた。
相手が見えないだけに、その効果は予想をはるかに超えていた。
「あんあんあんつ!」
こらえきれずに、最初の絶頂を迎えた時である。
バアン!
いきなり引き戸が跳ね飛んで、外の光が部屋の内部を照らし出した。
逆光を背に、戸口に立っているルナの姿が見えてきた。
「杏里!」
鋭い叫びと同時に、杏里に覆いかぶさっていた人形たちが吹き飛んだ。
ルナは、アクアマリンの瞳を限界まで見開いている。
その瞳孔の中心に危険な輝きが宿っているのを目に止めて、かすれた声で杏里は叫び返した。
「ルナ、やめて。それ以上、力を使わないで」
「いったい、何なんだ? この部屋は」
人形たちを足蹴にして道をつくると、ルナが中に入ってきた。
伸ばした杏里の右腕をつかむと、一挙動で引き起こす。
乳房とショーツも露わな姿のまま、杏里はルナにしなだれかかった。
改めてなかを見回すと、いつのまにか、ヤチカの気配は消えていた。
どこかに秘密の抜け道でもあって、そこを通って脱出したのだろうか。
部屋の中にはヤチカを模したラブドールたちが、壊れたマネキン人形のように乱雑に積み重なっているだけだ。
「ここは、ヤチカさんの部屋…」
ルナの胸にしがみついて、荒い息を吐きながら、杏里は言った。
「ヤチカって、残虐少女絵画集の、あの画家のことだろう? おまえをモデルにした、あのとんでもない画集の」
ルナはヤチカのアトリエで、原画を何枚か見ているのだ。
その中身に、嫉妬すら覚えているに違いない。
「だからって、どうしておまえがそんなふうになるんだよ?」
興奮で潤んだ杏里の眼をにらみつけて、怒ったような口調で責めてきた。
「だってヤチカさんは、私に初めて悦びを教えてくれた人だから…。ただれた性の歓びを…」
ルナの顔色が変わった。
「それ以上、言うな」
杏里のほてった躰を突き放し、吐き捨てるようにつぶやいた。
「それ以上聞いたら、わたしはおまえを許せなくなる…」
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