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第9部 倒錯のイグニス
#157 女王雌豚化計画⑤
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これほどの屈辱は、生れて初めてだった。
挿入を拒絶された怒りで、百足丸は全身をわなわなと震わせた。
思いもよらぬ拒否を受けて、ペニスは逆に猛々しさを倍加している。
下腹に亀頭をすりつけんばかりに反り返った長く硬いペニスを右手で握りしめ、百足丸は尚も零の尻にのしかかろうとした。
が、零の動きのほうが、数倍速かった。
身体をかわして起き上がると、とっさに伸ばした右手で百足丸のペニスをつかんだ。
根元のあたりを鷲掴みにして、万力のような力で締めつけてきた。
どうやら、筋肉の不随意反射による行動は、マインドコントロールの影響を完全には受けないらしい。
「やめろ、零」
百足丸が激痛に顔を歪めるのを見て、井沢が制止した。
「あなたは確かに”上位種”だが、少しは立場をわきまえるんだな。今のあなたは、”捕虜”なんだよ」
零の切れ長の眼のなかで眼球が素早く動き、じろりと井沢のほうを見た。
井沢がサングラスを外したのは、それとほとんど同時だった。
地味で特徴のない顔に比して、異様に大きく鋭い眼。
その眼光が正面から零の視線を捉えると、やがて百足丸のペニスから白魚のような指が離れていった。
大人しくなった零は、膝から下をそろえてベッドに流し、横座りの姿勢を取っている。
束の間垣間見えた凶暴さが消えると、その姿は西洋画のビーナスのように美しかった。
「なんてタマだ…」
ペニスをズボンの中にしまいこみながら、百足丸は憎々しげに吐き捨てた。
「中世ヨーロッパの専制君主じゃあるまいし、お高く留まるのも、たいがいにしやがれってんだ」
井沢の背後の舞台では、依然としてヤチカがふたりの黒人男性に凌辱されている。
2本の黒光りする肉棒を口の中に突っ込まれ、頬が弾けそうなくらいに大きく膨らんでしまっていた。
再び意志を奪われた零は、その様子を何かに憑かれたように凝視している。
「マインドコントロールだけじゃ、やばいんじゃないか?」
長いストレートヘアの間からのぞくその零のうなじあたりに目を当てながら、憮然とした口調で、百足丸は言った。
「俺を受け容れないってことは、すべての雄を拒絶するってことだろう? あの高慢ちきなガードを崩さないことには、とてもあんたの計画通りには事は進まないぜ」
「認めたくないが、どうやらそのようだな」
電子煙草を口にくわえ、井沢が答えた。
「おまえの鍼だけでは不充分だとすると、方法は、ただひとつ」
「なんだ、まだ他に何かあったのか。そうならそうと、早く言ってくれよ」
いらだった百足丸の声が、若干和らいだ。
なんでもいい。
このメスを大人しくさせ、こっちのいいなりにさせることができるのであれば。
「本当は、笹原杏里を捕えてからと考えていたのだが、この際、仕方がない。催淫剤漬けにしたタナトスの体液を、零に直接注射するのさ。それとおまえの鍼があれば、いずれは零の性衝動が暴発し、自我より優位に立つ日がくるに違いないからな」
「いずなを使うと、そう言いたいのか?」
百足丸の脳裏に、ローマ風呂に全裸ではりつけにされた少女の姿が、ふいに浮かんで、すぐに消えた。
「いずなはかなり消耗してるはずだが、そんなことをして、大丈夫なのか?」
「大丈夫とは言えないだろうな」
井沢が酷薄な微笑を口元に浮かべた。
「だが、どうせもうすぐ本命の杏里が手に入るんだ。別にいずなが廃棄処分になっても、大して惜しくはない」
「学校に忍び込んだとかいう、はぐれ変異体はどうなった?」
「その結果は、今から確かめるさ。まあ、所詮、できそこないの気まぐれだ。期待はできないと思うがな」
挿入を拒絶された怒りで、百足丸は全身をわなわなと震わせた。
思いもよらぬ拒否を受けて、ペニスは逆に猛々しさを倍加している。
下腹に亀頭をすりつけんばかりに反り返った長く硬いペニスを右手で握りしめ、百足丸は尚も零の尻にのしかかろうとした。
が、零の動きのほうが、数倍速かった。
身体をかわして起き上がると、とっさに伸ばした右手で百足丸のペニスをつかんだ。
根元のあたりを鷲掴みにして、万力のような力で締めつけてきた。
どうやら、筋肉の不随意反射による行動は、マインドコントロールの影響を完全には受けないらしい。
「やめろ、零」
百足丸が激痛に顔を歪めるのを見て、井沢が制止した。
「あなたは確かに”上位種”だが、少しは立場をわきまえるんだな。今のあなたは、”捕虜”なんだよ」
零の切れ長の眼のなかで眼球が素早く動き、じろりと井沢のほうを見た。
井沢がサングラスを外したのは、それとほとんど同時だった。
地味で特徴のない顔に比して、異様に大きく鋭い眼。
その眼光が正面から零の視線を捉えると、やがて百足丸のペニスから白魚のような指が離れていった。
大人しくなった零は、膝から下をそろえてベッドに流し、横座りの姿勢を取っている。
束の間垣間見えた凶暴さが消えると、その姿は西洋画のビーナスのように美しかった。
「なんてタマだ…」
ペニスをズボンの中にしまいこみながら、百足丸は憎々しげに吐き捨てた。
「中世ヨーロッパの専制君主じゃあるまいし、お高く留まるのも、たいがいにしやがれってんだ」
井沢の背後の舞台では、依然としてヤチカがふたりの黒人男性に凌辱されている。
2本の黒光りする肉棒を口の中に突っ込まれ、頬が弾けそうなくらいに大きく膨らんでしまっていた。
再び意志を奪われた零は、その様子を何かに憑かれたように凝視している。
「マインドコントロールだけじゃ、やばいんじゃないか?」
長いストレートヘアの間からのぞくその零のうなじあたりに目を当てながら、憮然とした口調で、百足丸は言った。
「俺を受け容れないってことは、すべての雄を拒絶するってことだろう? あの高慢ちきなガードを崩さないことには、とてもあんたの計画通りには事は進まないぜ」
「認めたくないが、どうやらそのようだな」
電子煙草を口にくわえ、井沢が答えた。
「おまえの鍼だけでは不充分だとすると、方法は、ただひとつ」
「なんだ、まだ他に何かあったのか。そうならそうと、早く言ってくれよ」
いらだった百足丸の声が、若干和らいだ。
なんでもいい。
このメスを大人しくさせ、こっちのいいなりにさせることができるのであれば。
「本当は、笹原杏里を捕えてからと考えていたのだが、この際、仕方がない。催淫剤漬けにしたタナトスの体液を、零に直接注射するのさ。それとおまえの鍼があれば、いずれは零の性衝動が暴発し、自我より優位に立つ日がくるに違いないからな」
「いずなを使うと、そう言いたいのか?」
百足丸の脳裏に、ローマ風呂に全裸ではりつけにされた少女の姿が、ふいに浮かんで、すぐに消えた。
「いずなはかなり消耗してるはずだが、そんなことをして、大丈夫なのか?」
「大丈夫とは言えないだろうな」
井沢が酷薄な微笑を口元に浮かべた。
「だが、どうせもうすぐ本命の杏里が手に入るんだ。別にいずなが廃棄処分になっても、大して惜しくはない」
「学校に忍び込んだとかいう、はぐれ変異体はどうなった?」
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