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第9部 倒錯のイグニス
#144 アニス③
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こうなるのは、初めからわかっていたー。
しばし杏里を抱きしめた後、おもむろにユニフォームを脱ぎ始めたアニスを目の当たりにして、杏里は思った。
思えばアニスは、最初から杏里に関心を示していた。
言葉の端々から、それがわかった。
国民性なのか、アニスはそれを隠そうともしなかった。
ふみを除けば、最も杏里を熱い眼で見ていたメンバー。
それがアニスだったのだ。
学園祭の秘密イベント当日まで、全校生徒は杏里に指一本触れることができない。
その唯一の例外であるこの紅白戦を、アニスは一日千秋の思いで待ち望んでいたのに違いない。
「コレデおあいこダネ」
すべてを脱ぎ棄てて、アニスが言った。
杏里は、目の前に立つ黒曜石のニンフ像のようなその肉体に、舌を巻く思いだった。
細身だが、鞭のような筋肉に覆われた引き締まった裸身。
硬そうな小ぶりの乳房が品よくツンと上を向き、その頂でそこだけピンクの蕾が濡れて光っている。
杏里と長時間肌を触れ合ったせいで、アニスの肌にも防護液が沁み込んでいる証拠だった。
杏里が裸にされ、今度はアニスまでもオールヌードになるという前代未聞のハプニングに、会場は気味の悪いほど静まり返ってしまっている。
リングの外に設けられた監督席に座る小百合の眼にも、驚きの表情が浮かんでいる。
「アニス、やり過ぎだろうが」
リングの片隅でふたりの様子を窺っていたレフェリーの璃子が、呆れたような口調で言った。
「それじゃ、もう、プロレスでもレスリングでもないじゃないか」
が、アニスは答えない。
何も聞えなかったかのように一歩足を踏み出すと、やにわに杏里の脇の下に頭を入れてきた。
そしてそのまま、コブラツイストで杏里を締め上げにかかった。
絡み合う黒と白の少女のふたつの裸体。
ぬめる肌。
たわむ筋肉。
したたる汗。
変形する乳房。
杏里はさながら、蛇に巻きつかれた高性能のラブドールだった。
上半身をねじり上げられ、たわわな乳房がぶるんと揺れた。
「あ、ああ…ああ…」」
のけぞった杏里の喉から、甘い吐息が漏れる。
はなから抵抗する気はなかった。
この体勢なら、自分からギブアップしない限りは、フォールされる心配はない。
締め上げられ、肌と肌が強くこすれ合うたびに、快感が波紋を描いて杏里の全身に広がっていく。
こんなに気持ちよくって、ギブアップなどできるわけがない。
コブラツイストを解き、アニスが杏里を逆さに抱え上げた。
頭を下にして、杏里の身体を大きく持ち上げ、パイルドライバーの構えを取った。
逆流する血液の音を間近に聞きながら、
そろそろ、潮時だ。
と、杏里は思った。
杏里が足をVの字に広げたのは、その瞬間だ。
ふいに両の太腿をアニスの両肩にかけると、内腿で左右からアニスの顔を挟み込んだ。
湿った股間が、アニスの鼻と唇に強く押しつけられるのがわかった。
「杏里…」
あまりの僥倖に、アニスが、信じられないといった口調でつぶやいた。
杏里は目を見開いた。
チャンスだった。
濡れた秘所をアニスの口に更に強く押しつけると同時に、杏里はその腰に腕を回し、眼前の股間に顔を埋めた。
第三者から見たら、極めて異様な光景だったに違いない。
直立した姿勢での、シックスナイン。
杏里とアニスの取った姿勢は、まさにそれなのだ。
アニスが股を開いて、杏里を受け容れた。
貪るように、アニスが舐める。
負けじと杏里も舐め返す。
お互いの性器を舐め合う淫猥な音が、静まり返った体育館に鳴り響く。
こうして、究極のオーラルセックスが、始まった。
しばし杏里を抱きしめた後、おもむろにユニフォームを脱ぎ始めたアニスを目の当たりにして、杏里は思った。
思えばアニスは、最初から杏里に関心を示していた。
言葉の端々から、それがわかった。
国民性なのか、アニスはそれを隠そうともしなかった。
ふみを除けば、最も杏里を熱い眼で見ていたメンバー。
それがアニスだったのだ。
学園祭の秘密イベント当日まで、全校生徒は杏里に指一本触れることができない。
その唯一の例外であるこの紅白戦を、アニスは一日千秋の思いで待ち望んでいたのに違いない。
「コレデおあいこダネ」
すべてを脱ぎ棄てて、アニスが言った。
杏里は、目の前に立つ黒曜石のニンフ像のようなその肉体に、舌を巻く思いだった。
細身だが、鞭のような筋肉に覆われた引き締まった裸身。
硬そうな小ぶりの乳房が品よくツンと上を向き、その頂でそこだけピンクの蕾が濡れて光っている。
杏里と長時間肌を触れ合ったせいで、アニスの肌にも防護液が沁み込んでいる証拠だった。
杏里が裸にされ、今度はアニスまでもオールヌードになるという前代未聞のハプニングに、会場は気味の悪いほど静まり返ってしまっている。
リングの外に設けられた監督席に座る小百合の眼にも、驚きの表情が浮かんでいる。
「アニス、やり過ぎだろうが」
リングの片隅でふたりの様子を窺っていたレフェリーの璃子が、呆れたような口調で言った。
「それじゃ、もう、プロレスでもレスリングでもないじゃないか」
が、アニスは答えない。
何も聞えなかったかのように一歩足を踏み出すと、やにわに杏里の脇の下に頭を入れてきた。
そしてそのまま、コブラツイストで杏里を締め上げにかかった。
絡み合う黒と白の少女のふたつの裸体。
ぬめる肌。
たわむ筋肉。
したたる汗。
変形する乳房。
杏里はさながら、蛇に巻きつかれた高性能のラブドールだった。
上半身をねじり上げられ、たわわな乳房がぶるんと揺れた。
「あ、ああ…ああ…」」
のけぞった杏里の喉から、甘い吐息が漏れる。
はなから抵抗する気はなかった。
この体勢なら、自分からギブアップしない限りは、フォールされる心配はない。
締め上げられ、肌と肌が強くこすれ合うたびに、快感が波紋を描いて杏里の全身に広がっていく。
こんなに気持ちよくって、ギブアップなどできるわけがない。
コブラツイストを解き、アニスが杏里を逆さに抱え上げた。
頭を下にして、杏里の身体を大きく持ち上げ、パイルドライバーの構えを取った。
逆流する血液の音を間近に聞きながら、
そろそろ、潮時だ。
と、杏里は思った。
杏里が足をVの字に広げたのは、その瞬間だ。
ふいに両の太腿をアニスの両肩にかけると、内腿で左右からアニスの顔を挟み込んだ。
湿った股間が、アニスの鼻と唇に強く押しつけられるのがわかった。
「杏里…」
あまりの僥倖に、アニスが、信じられないといった口調でつぶやいた。
杏里は目を見開いた。
チャンスだった。
濡れた秘所をアニスの口に更に強く押しつけると同時に、杏里はその腰に腕を回し、眼前の股間に顔を埋めた。
第三者から見たら、極めて異様な光景だったに違いない。
直立した姿勢での、シックスナイン。
杏里とアニスの取った姿勢は、まさにそれなのだ。
アニスが股を開いて、杏里を受け容れた。
貪るように、アニスが舐める。
負けじと杏里も舐め返す。
お互いの性器を舐め合う淫猥な音が、静まり返った体育館に鳴り響く。
こうして、究極のオーラルセックスが、始まった。
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