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第9部 倒錯のイグニス
#126 女王覚醒④
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潤いは十分なはずなのに、零の”貝”は予想外に頑なだった。
いくら愛液を指でなすりつけても、1ミリたりとも開こうとしないのだ。
思い切って乳房に手を伸ばし、乳首を愛撫してみても、事態は変わらなかった。
「こうなったら、裏側から責めるしかないか…」
すっかり疲れ果て、百足丸はひとりごちた。
膣を介することなく、Gスポットの対面にある第2のチャクラに、鍼を届かせる方法。
それは、アナルを経由することだ。
直腸から膣に向かって鍼を打ち込み、背面からチャクラを突く。
そんなやり方が、ないではない。
が、それはあまりに危険な方法だった。
何しろ、すべてを手探りで行わなければならないのである。
ひとつ間違えば、零の内臓を傷つけてしまいかねないのだ。
もちろん、その程度の傷で、不死身に近い彼女がダメージを受けることはないだろう。
タナトスのオリジナル体である”雌優生種”は、永遠に再生し続ける幹細胞が全身に行き渡っている。
ちょっとやそっとの傷ぐらい、ものの数分で恢復してしまうに違いないからだ。
なのに百足丸がためらうのは、それで零を起こしてしまわないかと恐れるからだった。
今の零は、井沢の凶眼の作用で半ば催眠状態にある。
だが、何かの拍子にそれが解けてしまうのではないかという強迫観念から、どうしても逃れることができないのだ。
井沢に襲いかかった時の零のスピードとパワーを思い出す。
エアロックに擬したスチールの扉を素手でへこませてしまうほどの怪力には、今思い返してみても、身震いを禁じえなかった。
こんな華奢な身体のどこにあのような爆発的な力が潜んでいるのか、それこそ首をかしげたくなるほどだった。
「さて、どうするか…」
股を開いて秘所をさらけ出した零のしどけない姿を見つめて、百足丸はため息をついた。
アナルから鍼を挿入するためには、まずその前に、零を椅子に縛りつけた拘束具を外さなければならない。
だが、そんなことをして、果たして大丈夫といえるのか?
百足丸は、生まれながらの”鍼灸師”である以外には、まったくの非力である。
腕力も体力もない。
零が正気に返りでもしたら、それこそ一巻の終わりだろう。
これは、俺ひとりでは、無理だ。
それが、最終的にたどりついた結論だった。
ここは、もう一度、井沢の力を借りるしかあるまい。
いつ零が覚醒してもいいように井沢にスタンバイしてもらって、それから拘束具をはずし、アナル攻めを敢行するのだ。
「待ってな」
うつろな瞳を宙にさまよわせている零にそう声をかけると、百足丸はズボンの尻ポケットからスマホを取り出した。
「百足丸だ。事情があって、一度戦線を離脱する。お願いだ。ドアを開けてくれないか」
井沢が出ると、かすれ切った声で、そう告げる。
そして、百足丸はふと気づいたのだった。
そう。
自分が、恐ろしく疲弊してしまっていることに…。
いくら愛液を指でなすりつけても、1ミリたりとも開こうとしないのだ。
思い切って乳房に手を伸ばし、乳首を愛撫してみても、事態は変わらなかった。
「こうなったら、裏側から責めるしかないか…」
すっかり疲れ果て、百足丸はひとりごちた。
膣を介することなく、Gスポットの対面にある第2のチャクラに、鍼を届かせる方法。
それは、アナルを経由することだ。
直腸から膣に向かって鍼を打ち込み、背面からチャクラを突く。
そんなやり方が、ないではない。
が、それはあまりに危険な方法だった。
何しろ、すべてを手探りで行わなければならないのである。
ひとつ間違えば、零の内臓を傷つけてしまいかねないのだ。
もちろん、その程度の傷で、不死身に近い彼女がダメージを受けることはないだろう。
タナトスのオリジナル体である”雌優生種”は、永遠に再生し続ける幹細胞が全身に行き渡っている。
ちょっとやそっとの傷ぐらい、ものの数分で恢復してしまうに違いないからだ。
なのに百足丸がためらうのは、それで零を起こしてしまわないかと恐れるからだった。
今の零は、井沢の凶眼の作用で半ば催眠状態にある。
だが、何かの拍子にそれが解けてしまうのではないかという強迫観念から、どうしても逃れることができないのだ。
井沢に襲いかかった時の零のスピードとパワーを思い出す。
エアロックに擬したスチールの扉を素手でへこませてしまうほどの怪力には、今思い返してみても、身震いを禁じえなかった。
こんな華奢な身体のどこにあのような爆発的な力が潜んでいるのか、それこそ首をかしげたくなるほどだった。
「さて、どうするか…」
股を開いて秘所をさらけ出した零のしどけない姿を見つめて、百足丸はため息をついた。
アナルから鍼を挿入するためには、まずその前に、零を椅子に縛りつけた拘束具を外さなければならない。
だが、そんなことをして、果たして大丈夫といえるのか?
百足丸は、生まれながらの”鍼灸師”である以外には、まったくの非力である。
腕力も体力もない。
零が正気に返りでもしたら、それこそ一巻の終わりだろう。
これは、俺ひとりでは、無理だ。
それが、最終的にたどりついた結論だった。
ここは、もう一度、井沢の力を借りるしかあるまい。
いつ零が覚醒してもいいように井沢にスタンバイしてもらって、それから拘束具をはずし、アナル攻めを敢行するのだ。
「待ってな」
うつろな瞳を宙にさまよわせている零にそう声をかけると、百足丸はズボンの尻ポケットからスマホを取り出した。
「百足丸だ。事情があって、一度戦線を離脱する。お願いだ。ドアを開けてくれないか」
井沢が出ると、かすれ切った声で、そう告げる。
そして、百足丸はふと気づいたのだった。
そう。
自分が、恐ろしく疲弊してしまっていることに…。
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