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第9部 倒錯のイグニス
#111 ブロンドの誘惑⑤
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ショートパンツを脱がすと、杏里は静かにルナの身体を畳の上に横たえた。
かろうじて股間を覆う小さなショーツ一枚になったルナの裸身は、息を呑むほど美しかった。
痩せているわけでもなく、太っているわけでもない。
胸こそ杏里ほど大きくないが、括れた腰から張り出した骨盤は意外にしっかりしていて、臀部の肉づきもいい。
本物の8頭身とは、こんな体のことをいうのだろう。
とにかく、脚が長くて綺麗なのだ。
その雪花石膏のように肌理の細かい肌のあちらこちらに、薄いオレンジ色の斑点が浮かび上がっている。
杏里は、興奮がある域に達すると、相手の性感帯を目視することができる。
委員会本部でのトーナメント戦で、敵のひとりからラーニングした能力である。
ルナの性感帯は、腋の下、乳首、臍の周り、性器、太腿の内側、足の指の間と、驚くほど多岐にわたっているようだ。
「よく見せて」
ルナの足を左右に開き、その間に腹這いになると、杏里は内腿のオレンジ色を愛撫しながら上目遣いにルナを見た。
ルナはいつのまにかボニーテールをほどき、長い金髪を裸の肩に垂らしている。
その瞳に期待に似た色が浮かんでいるのを確認し、杏里はおもむろに右の太腿の内側を熱い舌で舐め始めた。
つけ根に向けて進んでいくに従い、徐々にルナの息が荒くなる。
ついに股間にまで、たどりついた。
陰核のあたりを鼻の頭で押しながら、ショーツの上から秘肉の間のスリットをなぞる。
ルナのそこはもうすっかり湿っていて、独特の臭気を発散していた。
舌での愛撫を繰り返しながら、両腕を伸ばし、乳房ごと乳首をつかんでやる。
3点同時に愛撫を始めると、ルナの身体が熱病にでも罹ったかのように細かく震え始めた。
「ねえ、ルナ…指、入れていい?」
ルナが2度3度とのけぞったのを確かめて、杏里はたずねた。
勝算は十分すぎるほど、あった。
ルナはすでに陥落寸前なのだ。
あとは蜜壺の中に指を挿入し、Gスポットに刺激を与えてルナを忘我の境地にさせ、性器同士を密着させこすり合わせる”貝合わせ”にまで持ち込めば、二人一緒にオルガスムスに達することができるはず…。
だが、杏里が薄いショーツの縁をめくろうと、指をかけた瞬間だった。
「だめ」
ルナが突然、身を引いた。
「そこは、だめ。わたしたち、まだ知り合ったばかりだし…そんな恥ずかしいこと、できないよ」
アクアマリンの瞳に、傷ついた獣のような表情が浮かんでいる。
「おかしいよ」
杏里はルナの太腿の間に身を起こした。
「ルナ、いっぱい、いっぱい感じてるじゃない。なのに、今更」
「だめなものは、だめ」
正気に返ったように、ブラジャーを身に着け始めるルナ。
寸前のところで思わぬ拒絶に遭い、杏里の中で欲望が膨れ上がった。
「安心して。すぐにもっと気持ちよくしてあげるから」
身を硬くして胸を隠すルナに抱きつこうと、腕を伸ばしたその時である。
背後でガラッとふすまの開く音がしたかと思うと、突如として変声期前の少年の声が降ってきた。
「あれ? 杏里じゃん? ふたりとも、そんなとこで何やってるの?」
杏里は心の中で舌打ちをした。
振り向くまでもない。
重人だ。
重人が起きてきたに違いない。
「ち、違う…。こ、これは…」
狼狽するルナ。
そのルナに、呆れたような口調で重人が言った。
「しょうがないなあ。ルナまで杏里の毒牙にかかっちゃったって、そういうわけかい? 杏里も杏里だよ。ほんと、見境ないんだから。せっかく人が苦労して、新情報、手に入れたっていうのにさ」
かろうじて股間を覆う小さなショーツ一枚になったルナの裸身は、息を呑むほど美しかった。
痩せているわけでもなく、太っているわけでもない。
胸こそ杏里ほど大きくないが、括れた腰から張り出した骨盤は意外にしっかりしていて、臀部の肉づきもいい。
本物の8頭身とは、こんな体のことをいうのだろう。
とにかく、脚が長くて綺麗なのだ。
その雪花石膏のように肌理の細かい肌のあちらこちらに、薄いオレンジ色の斑点が浮かび上がっている。
杏里は、興奮がある域に達すると、相手の性感帯を目視することができる。
委員会本部でのトーナメント戦で、敵のひとりからラーニングした能力である。
ルナの性感帯は、腋の下、乳首、臍の周り、性器、太腿の内側、足の指の間と、驚くほど多岐にわたっているようだ。
「よく見せて」
ルナの足を左右に開き、その間に腹這いになると、杏里は内腿のオレンジ色を愛撫しながら上目遣いにルナを見た。
ルナはいつのまにかボニーテールをほどき、長い金髪を裸の肩に垂らしている。
その瞳に期待に似た色が浮かんでいるのを確認し、杏里はおもむろに右の太腿の内側を熱い舌で舐め始めた。
つけ根に向けて進んでいくに従い、徐々にルナの息が荒くなる。
ついに股間にまで、たどりついた。
陰核のあたりを鼻の頭で押しながら、ショーツの上から秘肉の間のスリットをなぞる。
ルナのそこはもうすっかり湿っていて、独特の臭気を発散していた。
舌での愛撫を繰り返しながら、両腕を伸ばし、乳房ごと乳首をつかんでやる。
3点同時に愛撫を始めると、ルナの身体が熱病にでも罹ったかのように細かく震え始めた。
「ねえ、ルナ…指、入れていい?」
ルナが2度3度とのけぞったのを確かめて、杏里はたずねた。
勝算は十分すぎるほど、あった。
ルナはすでに陥落寸前なのだ。
あとは蜜壺の中に指を挿入し、Gスポットに刺激を与えてルナを忘我の境地にさせ、性器同士を密着させこすり合わせる”貝合わせ”にまで持ち込めば、二人一緒にオルガスムスに達することができるはず…。
だが、杏里が薄いショーツの縁をめくろうと、指をかけた瞬間だった。
「だめ」
ルナが突然、身を引いた。
「そこは、だめ。わたしたち、まだ知り合ったばかりだし…そんな恥ずかしいこと、できないよ」
アクアマリンの瞳に、傷ついた獣のような表情が浮かんでいる。
「おかしいよ」
杏里はルナの太腿の間に身を起こした。
「ルナ、いっぱい、いっぱい感じてるじゃない。なのに、今更」
「だめなものは、だめ」
正気に返ったように、ブラジャーを身に着け始めるルナ。
寸前のところで思わぬ拒絶に遭い、杏里の中で欲望が膨れ上がった。
「安心して。すぐにもっと気持ちよくしてあげるから」
身を硬くして胸を隠すルナに抱きつこうと、腕を伸ばしたその時である。
背後でガラッとふすまの開く音がしたかと思うと、突如として変声期前の少年の声が降ってきた。
「あれ? 杏里じゃん? ふたりとも、そんなとこで何やってるの?」
杏里は心の中で舌打ちをした。
振り向くまでもない。
重人だ。
重人が起きてきたに違いない。
「ち、違う…。こ、これは…」
狼狽するルナ。
そのルナに、呆れたような口調で重人が言った。
「しょうがないなあ。ルナまで杏里の毒牙にかかっちゃったって、そういうわけかい? 杏里も杏里だよ。ほんと、見境ないんだから。せっかく人が苦労して、新情報、手に入れたっていうのにさ」
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