激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
111 / 463
第9部 倒錯のイグニス

#110 ブロンドの誘惑④

しおりを挟む
「ひょっとして、ルナ、ここ、触られるの、初めてなの?」
 杏里は紙でこよりをつくるように、親指と人差し指でつまんだ乳首をよじっている。
 ルナは答えない。
 が、かすかにうなずいたのを、杏里は見逃さなかった。
 意外といえば、これほど意外なことはなかった。
 ルナはどこから見ても、典型的な美少女タイプである。
 背も高く、スタイルも抜群にいい。
 なのに、処女だなんて。
 ううん、処女どころか、ペッティングの経験もないなんて。
 考えてみれば、ありえないことではなかった。
 杏里やルナは、一度死んで、生まれ変わった身なのだ。
 ルナにしても、蘇生処理されたのは、まだ最近のことに違いない。
 ”前世”でどうだったのかまではわからないが、パトスとして蘇生した後、性経験を積む暇がなかったという可能性は十分にある。
 杏里にしても、”前世”の記憶はほとんどない。
 もし仮にルナの”前世”が娼婦のようにふしだらな娘だったにせよ、その記憶をなくした今のルナは、やはり生まれたての処女のようなものなのだ。
「すごい…乳首、こんなに硬くなってるよ」
 巧みに刺激を与え続けながら、杏里は言った。
「おなかもすごくぴくぴくしてる…」
 ルナはうつむいたまま、首を振るばかりである。
 それでも杏里の愛撫から逃れようとしないのは、十分に感じているせいだろう。
「それ、脱いじゃおっか」
 愛撫を止め、杏里はルナのTシャツに手をかけた。
 ルナは逆らわない。
 それどころが、杏里がTシャツを脱がせやすいように、自分から両手を上げる始末だった。
「ブラも取ろうね」
 こっくりと首を縦に振り、ルナが背中に手を回す。
 水色のブラが、外れてかたむいた。
 肩紐を指でつまみ、脱がせてやる。
「綺麗…」
 杏里は少し距離を開けて、ルナの裸の上半身をしげしげと眺めた。
 杏里ほど、乳房は大きくはない。
 どちらかといえば、ルナはスレンダーな体つきをしている。
 が、特筆すべきは、その肌の肌理の細かさだった。
 雪のように白い、とはまさにこのことだ。
 同じ色白といっても、乳白色に近い杏里の肌とは明らかに質が違う。
 その透き通った白は、どこか北欧の氷河を思わせるのだ。
「来て」
 座ったまま、杏里はルナを抱き寄せた。
 自分の大きな乳房を、ルナの小ぶりな乳房に押しつけていく。
「あん」
 ルナがかすかな声を立てたのは、乳首と乳首が触れ合った瞬間だった。
 杏里のふたつのつぼみが、ルナの小さな両のつぼみを正確に捉えたのだ。
「どう? 気持ち、いい?」
 上半身をゆっくり左右に動かして、乳首で乳首を弾いてやる。
 それは杏里にとっても、躰の芯が疼くように甘美な体験だった。
 リングに締めつけられた陰核が、むくむく膨らみ始めるのがわかった。
「硬いよ…ルナったら、どうしちゃったの? こんなに乳首、硬くして」
 杏里の動きが激しくなる。
 はあ、はあ、はあ、はあ…。
 答える代わりに、ルナの口から荒い息が漏れ始めた。
 ルナの左腕を持ち上げ、腋の下を舐めてやる。
  剃毛の痕跡もない、すべすべの肌が心地よい。
 腋の下から首筋、そして唇へとキスの雨を降らせていった。
 唇を触れ合わせると。今度はルナのほうから舌を絡めてきた。
 貪るように舌をからみ合わせ、杏里の首に腕を回してくる。
 そろそろ、かな。
 杏里の右手が下に伸び、ルナのショートパンツのファスナーに指をかけた。
 はやる気持ちにせかされるように引き下ろすと、淡い水色のショーツが見えてくる。
 杏里のと同じ、面積の狭いビキニタイプのようだ。
 右手の手のひらを、ルナの下腹に当て、そのままショートパンツの中にもぐりこませていく。
 すぐに、指先が湿った恥丘を探り当てた。
「ルナ…濡れてるよ」
 耳たぶに口を寄せて、杏里はささやいた。
「ほんと、どうしちゃったのかなあ? パンティ、こんなにびしょびしょにして」
 指を立てると、
「ああん」
 ルナが、子猫が甘えるように、ひと声鳴いた。

 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...