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第9部 倒錯のイグニス
#78 弱点
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「これが何か、わかったみたいだな」
つま先で杏里の股を押し広げたまま、璃子が言った。
その右手に握られているのは、手のひらに隠れるくらいの大きさの黒い物体である。
スマートフォンを少し分厚くしたような形で、先端に一対の突起が生えている。
スタンガンだ。
背筋が凍るような思いとともに、杏里はそう思った。
実物を見るのはこれが初めてだが、テレビドラマや映画で何度も目にしているから、すぐにぴんときた。
「やめて…来ないで」
身体を衝立の支柱にあずけ、立ち上がろうとしたところに、
「動くんじゃないよ」
璃子の足蹴りが飛んできた。
顎を蹴り上げられ、再び崩れ落ちる杏里。
その鳩尾を、更に璃子が蹴る。
「どうして…どうして、こんなことをするの…? 私は何もしていないのに」
切れた唇を手の甲で拭って、杏里は璃子の狐顔をにらみつけた。
「どうしてって、ただ面白いからさ」
三白眼の目をすっと細めて、璃子が言う。
「それに、ちょいと試してみたいことがあってさ」
薄く笑いながら、杏里の前にしゃがみこむ。
身動きするとまた乱暴されるに決まっている。
とりあえず、したいようにさせてやろう。
蹴られようが殴られようが、痛みは閾値を超えれば快感に変換されるし、その程度の怪我は数分で治るだろう。
だが、暴力行為にさらされるのは、正直あまり好きではない。
殴られたり蹴られたりするよりは、性的な悪戯をされるほうがまだマシだ。
そう判断した杏里は衝立に背をもたせかけ、身体から力を抜いた。
その投げ出された足を、璃子が持つ。
片足ずつ立ててM字開脚の姿勢を取らせると、
「やっぱりな」
舌なめずりするような口調で、つぶやいた。
璃子が凝視しているのは、レオタードのクロス部分に開いた穴である。
鋏で開けられた紡錘形の穴からは、盛り上がった大陰唇の一部と勃起した陰核がはみ出している。
媚薬の効果と小百合の愛撫の名残りで、その部位は透明な淫汁にまみれ、いまだにぬめぬめと光沢を放っていた。
「おまえのここさ、普通よりずいぶん大きいよな」
璃子がスタンガンの先で肥大した陰核をつついて、感心したように言った。
「な、何よ、急に」
羞恥で耳たぶまで熱くなる。
璃子の言う通りだった。
以前、美里の性奴隷にされた時、杏里はクリトリスリングの装着を強要され、何十時間もつけっ放しにしていたことがある。
その時以来、陰核が元の倍近くのサイズに肥大してしまっているのだ。
「前にさ、おまえのここに竹刀突っ込んでやったことがあっただろ? あの時思ったんだ。うわ、でかいなって」
「ば、ばか。変なこと、いわないで」
杏里はますます赤くなる。
美里にリングをつけられた時のことを思い出すと、またしても濡れてきた。
そういえば、同じことを、今度の学園祭のイベントで、校長はやろうとしているのだ。
つい先日見せられた、あの宝石箱に入った、極小の婚約指輪みたいなリング…。
私、あれをまた装着されるんだ…。
それを想像しただけで、胸が絞られるように苦しくなり、子宮の奥が熱くなった。
「隠したってだめさ。こいつ、もうこんなに大きくなって、肉ビラの間からはみ出してるじゃないか」
にやにや笑いながら、璃子が左手を伸ばしてきた。
「い、いや、触らないで」
身をよじったが、スペースが狭すぎて逃げることはできなかった。
璃子の指が、充血して大人の親指ほどの大きさに勃起した杏里の陰核を、無造作につまみ上げた。
指先だけで器用に包皮をめくると、更に引っ張って陰核自体を裏返す。
「知ってるか? 男のあそこもさ、実はこの裏側んところが一番敏感なんだって」
綺麗なピンクをした肉の芽に、右手に握ったスタンガンを近づけてきた。
「だからあたし、思ったんだ。おまえもさ、この裏側んとこが弱点なんじゃないかってね」
冷たいものが、これまで誰も触れたことのない部位に当たる感触。
「だ、だめよ!」
あわてて太腿をすぼめようとした、その瞬間だった。
有り得ない部分に電撃が走り、杏里は反射的に大きくのけぞった。
激しい痛みとともに、疼くような快感が、膣の一点を中心に、腰全体へと広がっていった。
下半身から完全に力が抜け、ぐったりとなる杏里。
頭の中は靄がかかったように白くなり、すぐ近くからこちらをのぞき込んでいる璃子の顔さえぶれて見える。
「効いてるじゃないか」
満足げに璃子が唇の端を吊り上げた。
「もっとほしいだろ? ほら、これでどうだ」
いったん離れたスタンガンが、また押しつけられた。
「あんっ! だめっ!」
滅茶苦茶に身体を打ち振る杏里。
抵抗も空しく、すぐに電撃が股間を貫いた。
が、璃子は容赦ない。
「あ、あああああああっ!」
3度目で、杏里は早くも潮を吹き上げた。
噴水のように噴き上がったしぶきが、マスクをかけた璃子の顔にかかった。
「おっと、危ないとこだった」
璃子が手で額にかかった淫汁を拭った。
杏里は、その手に透明なビニル手袋がはめられていることに気づいて、腹の底がしーんと冷えるのを覚えた。
マスクに、手袋。
それに、スカートの下に履いた、ジャージのズボン。
この子、知ってるんだ…。
私の武器が、何なのかを。
つま先で杏里の股を押し広げたまま、璃子が言った。
その右手に握られているのは、手のひらに隠れるくらいの大きさの黒い物体である。
スマートフォンを少し分厚くしたような形で、先端に一対の突起が生えている。
スタンガンだ。
背筋が凍るような思いとともに、杏里はそう思った。
実物を見るのはこれが初めてだが、テレビドラマや映画で何度も目にしているから、すぐにぴんときた。
「やめて…来ないで」
身体を衝立の支柱にあずけ、立ち上がろうとしたところに、
「動くんじゃないよ」
璃子の足蹴りが飛んできた。
顎を蹴り上げられ、再び崩れ落ちる杏里。
その鳩尾を、更に璃子が蹴る。
「どうして…どうして、こんなことをするの…? 私は何もしていないのに」
切れた唇を手の甲で拭って、杏里は璃子の狐顔をにらみつけた。
「どうしてって、ただ面白いからさ」
三白眼の目をすっと細めて、璃子が言う。
「それに、ちょいと試してみたいことがあってさ」
薄く笑いながら、杏里の前にしゃがみこむ。
身動きするとまた乱暴されるに決まっている。
とりあえず、したいようにさせてやろう。
蹴られようが殴られようが、痛みは閾値を超えれば快感に変換されるし、その程度の怪我は数分で治るだろう。
だが、暴力行為にさらされるのは、正直あまり好きではない。
殴られたり蹴られたりするよりは、性的な悪戯をされるほうがまだマシだ。
そう判断した杏里は衝立に背をもたせかけ、身体から力を抜いた。
その投げ出された足を、璃子が持つ。
片足ずつ立ててM字開脚の姿勢を取らせると、
「やっぱりな」
舌なめずりするような口調で、つぶやいた。
璃子が凝視しているのは、レオタードのクロス部分に開いた穴である。
鋏で開けられた紡錘形の穴からは、盛り上がった大陰唇の一部と勃起した陰核がはみ出している。
媚薬の効果と小百合の愛撫の名残りで、その部位は透明な淫汁にまみれ、いまだにぬめぬめと光沢を放っていた。
「おまえのここさ、普通よりずいぶん大きいよな」
璃子がスタンガンの先で肥大した陰核をつついて、感心したように言った。
「な、何よ、急に」
羞恥で耳たぶまで熱くなる。
璃子の言う通りだった。
以前、美里の性奴隷にされた時、杏里はクリトリスリングの装着を強要され、何十時間もつけっ放しにしていたことがある。
その時以来、陰核が元の倍近くのサイズに肥大してしまっているのだ。
「前にさ、おまえのここに竹刀突っ込んでやったことがあっただろ? あの時思ったんだ。うわ、でかいなって」
「ば、ばか。変なこと、いわないで」
杏里はますます赤くなる。
美里にリングをつけられた時のことを思い出すと、またしても濡れてきた。
そういえば、同じことを、今度の学園祭のイベントで、校長はやろうとしているのだ。
つい先日見せられた、あの宝石箱に入った、極小の婚約指輪みたいなリング…。
私、あれをまた装着されるんだ…。
それを想像しただけで、胸が絞られるように苦しくなり、子宮の奥が熱くなった。
「隠したってだめさ。こいつ、もうこんなに大きくなって、肉ビラの間からはみ出してるじゃないか」
にやにや笑いながら、璃子が左手を伸ばしてきた。
「い、いや、触らないで」
身をよじったが、スペースが狭すぎて逃げることはできなかった。
璃子の指が、充血して大人の親指ほどの大きさに勃起した杏里の陰核を、無造作につまみ上げた。
指先だけで器用に包皮をめくると、更に引っ張って陰核自体を裏返す。
「知ってるか? 男のあそこもさ、実はこの裏側んところが一番敏感なんだって」
綺麗なピンクをした肉の芽に、右手に握ったスタンガンを近づけてきた。
「だからあたし、思ったんだ。おまえもさ、この裏側んとこが弱点なんじゃないかってね」
冷たいものが、これまで誰も触れたことのない部位に当たる感触。
「だ、だめよ!」
あわてて太腿をすぼめようとした、その瞬間だった。
有り得ない部分に電撃が走り、杏里は反射的に大きくのけぞった。
激しい痛みとともに、疼くような快感が、膣の一点を中心に、腰全体へと広がっていった。
下半身から完全に力が抜け、ぐったりとなる杏里。
頭の中は靄がかかったように白くなり、すぐ近くからこちらをのぞき込んでいる璃子の顔さえぶれて見える。
「効いてるじゃないか」
満足げに璃子が唇の端を吊り上げた。
「もっとほしいだろ? ほら、これでどうだ」
いったん離れたスタンガンが、また押しつけられた。
「あんっ! だめっ!」
滅茶苦茶に身体を打ち振る杏里。
抵抗も空しく、すぐに電撃が股間を貫いた。
が、璃子は容赦ない。
「あ、あああああああっ!」
3度目で、杏里は早くも潮を吹き上げた。
噴水のように噴き上がったしぶきが、マスクをかけた璃子の顔にかかった。
「おっと、危ないとこだった」
璃子が手で額にかかった淫汁を拭った。
杏里は、その手に透明なビニル手袋がはめられていることに気づいて、腹の底がしーんと冷えるのを覚えた。
マスクに、手袋。
それに、スカートの下に履いた、ジャージのズボン。
この子、知ってるんだ…。
私の武器が、何なのかを。
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