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第9部 倒錯のイグニス
#39 基礎訓練⑧
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前に回された小百合の丸太のような右腕が、杏里の喉笛を締めつけている。
垂直に立てた左腕で顔の側面をロックされているため、杏里は首を動かすことができない。
「これはスリーパーホールドというプロレス技だ。首を絞めるのはアマチュアレスリングでは禁止されている。だが、同じプロレス技のロメロスペシャルを解くことができたのなら、これを抜け出すのはたやすいはずだ。さあ、やってみろ」
杏里の耳に息を吹きかけながら、小百合が言った。
もとより杏里には、レスリングとプロレスの違いなどわからない。
ただ、自分が今かけられているのが危険な技だということは、なんとなくわかる。
頸動脈がぎりぎりと締めつけられ、頭がかっと熱くなる。
このまま血流を止められたら、失神するか、運が悪ければ死んでしまうに違いない。
が、やってみろと言われて、すぐにできるものではなかった。
杏里の全身を覆うオイル上の防護液は、快感が高まるか、逆に痛みが閾値を超えた時にしか分泌されないのだ。
この技は呼吸困難に陥ることはあっても、アニスにかけられた技のように、肉体的な痛みはそれほどない。
つまり、痛みが快感に変換されるところまで届かない。
だから、このままでは、ただ血流と呼吸を止められて意識を失うことになってしまう。
杏里が動けないことをいいことに、小百合が杏里の頬を舐め始めた。
ざらざらした分厚いハムのような舌が杏里の顔を、耳の穴を、耳朶の後ろを這い回る。
だめ…気持ちよく、なれない。
杏里は絶望的な気分に陥った。
サイコジェニーには悪いが、この感触、快感にはほど遠い。
ふみに襲われた時と同じように、どうしても生理的な嫌悪感が先に立ってしまう。
「まだ、だめか」
杏里の耳の後ろの匂いを嗅ぎながら、小百合が言う。
「なら、これはどうだ」
言うなり、背後から杏里の両足首に足をかけ、ぐいっと大きく左右に押し広げた。
小百合に後ろから抱きかかえられたまま、大股開きの姿勢を取らされる杏里。
「おお、いい眺めじゃないか」
杏里の薄く柔らかな耳朶を口に含んで吸いながら、くぐもった声で小百合がつぶやいた。
「ほら、よく見てみろ。自分の恥ずかしい格好を」
小百合が両腕の角度を変え、杏里の顔を壁一面の鏡に向けた。
ああ…。
ぐびりと杏里の喉が鳴った。
岩のようにごつい腕と足を絡められ、股を開いてこちらを見つめている少女。
少女が身に着けているのは、肌にぴったりと貼りついたハイレグの薄いレオタード一枚だ。
身体を後ろに反らされているせいで、股間のふくらみが余計に目立ってしまっている。
レオタードの切れ込みがあまりに鋭角なため、局部で布は紐のように細くなり、その間のスリットに深く食い込んでいる。
少女の頬に顔を押しつけている小百合は、こうして見るとあたかも凶暴極まりない野生の肉食獣のようだ。
あるいは華奢な少女の身体を押しつぶそうとする、岩の塊のようにも見える。
小百合が醜ければ醜いほど、虐げられる少女の肢体から、濃密なエロスが匂い立つようだった。
杏里…あなた、なんて、淫らなの…?
鏡に映る己の姿に見とれ、杏里は心の中で陶然となった。
その刺激が、どうやら身体の芯のスイッチをONにしたらしい。
鏡の中で、少女の股間をかろうじて覆うベージュ色の布地に、ふいに染みが現れた。
同時に杏里は、膣の奥で最初のマグマが沸き上がるのを感じている。
「先生、来ました」
つぶれかけた喉から、杏里はやっとのことで声を絞り出した。
「だから、お願いです。もっと…もっと強く…私の首…絞めてください」
垂直に立てた左腕で顔の側面をロックされているため、杏里は首を動かすことができない。
「これはスリーパーホールドというプロレス技だ。首を絞めるのはアマチュアレスリングでは禁止されている。だが、同じプロレス技のロメロスペシャルを解くことができたのなら、これを抜け出すのはたやすいはずだ。さあ、やってみろ」
杏里の耳に息を吹きかけながら、小百合が言った。
もとより杏里には、レスリングとプロレスの違いなどわからない。
ただ、自分が今かけられているのが危険な技だということは、なんとなくわかる。
頸動脈がぎりぎりと締めつけられ、頭がかっと熱くなる。
このまま血流を止められたら、失神するか、運が悪ければ死んでしまうに違いない。
が、やってみろと言われて、すぐにできるものではなかった。
杏里の全身を覆うオイル上の防護液は、快感が高まるか、逆に痛みが閾値を超えた時にしか分泌されないのだ。
この技は呼吸困難に陥ることはあっても、アニスにかけられた技のように、肉体的な痛みはそれほどない。
つまり、痛みが快感に変換されるところまで届かない。
だから、このままでは、ただ血流と呼吸を止められて意識を失うことになってしまう。
杏里が動けないことをいいことに、小百合が杏里の頬を舐め始めた。
ざらざらした分厚いハムのような舌が杏里の顔を、耳の穴を、耳朶の後ろを這い回る。
だめ…気持ちよく、なれない。
杏里は絶望的な気分に陥った。
サイコジェニーには悪いが、この感触、快感にはほど遠い。
ふみに襲われた時と同じように、どうしても生理的な嫌悪感が先に立ってしまう。
「まだ、だめか」
杏里の耳の後ろの匂いを嗅ぎながら、小百合が言う。
「なら、これはどうだ」
言うなり、背後から杏里の両足首に足をかけ、ぐいっと大きく左右に押し広げた。
小百合に後ろから抱きかかえられたまま、大股開きの姿勢を取らされる杏里。
「おお、いい眺めじゃないか」
杏里の薄く柔らかな耳朶を口に含んで吸いながら、くぐもった声で小百合がつぶやいた。
「ほら、よく見てみろ。自分の恥ずかしい格好を」
小百合が両腕の角度を変え、杏里の顔を壁一面の鏡に向けた。
ああ…。
ぐびりと杏里の喉が鳴った。
岩のようにごつい腕と足を絡められ、股を開いてこちらを見つめている少女。
少女が身に着けているのは、肌にぴったりと貼りついたハイレグの薄いレオタード一枚だ。
身体を後ろに反らされているせいで、股間のふくらみが余計に目立ってしまっている。
レオタードの切れ込みがあまりに鋭角なため、局部で布は紐のように細くなり、その間のスリットに深く食い込んでいる。
少女の頬に顔を押しつけている小百合は、こうして見るとあたかも凶暴極まりない野生の肉食獣のようだ。
あるいは華奢な少女の身体を押しつぶそうとする、岩の塊のようにも見える。
小百合が醜ければ醜いほど、虐げられる少女の肢体から、濃密なエロスが匂い立つようだった。
杏里…あなた、なんて、淫らなの…?
鏡に映る己の姿に見とれ、杏里は心の中で陶然となった。
その刺激が、どうやら身体の芯のスイッチをONにしたらしい。
鏡の中で、少女の股間をかろうじて覆うベージュ色の布地に、ふいに染みが現れた。
同時に杏里は、膣の奥で最初のマグマが沸き上がるのを感じている。
「先生、来ました」
つぶれかけた喉から、杏里はやっとのことで声を絞り出した。
「だから、お願いです。もっと…もっと強く…私の首…絞めてください」
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