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第9部 倒錯のイグニス
#27 人外セックス④
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元美術教師だった”それ”は、胴の長い蠍のような外見をしていた。
その胴体から、人間としての腕が2本、蜘蛛のような逆関節の脚が6本、そしてズボンを穿いた足が2本生えている。
首はキチン質に覆われた長い管のようで、その先のピンポン玉のような球形の頭部が乗っている。
怪物は今、わき腹から生えた6本の脚を杏里に突き立て、正面から杏里の身体にしがみついていた。
ずぶり。
怪物が動くたびに、杏里の柔らかい脇腹に錐のように鋭い脚がめり込んでいく。
6つの傷口からはすでに血が流れ出し、杏里の肌を網の目のように赤く彩っていた。
だが、杏里が感じているのは、まぎれもなく、性的な快感だった。
6つの傷口が、あたかも新しい膣の役割をはたしているかのように、快感を生み出し続けているのだ。
それはさながら、6本のペニスを、同時に6つの膣口で受け入れるようなものだった。
「ああ…」
めくるめく愉悦に、杏里は喘いだ。
挿入時の快楽が、6倍になって快楽中枢に流れ込む。
その愉悦が乗り移ったのか、怪物が狂ったように杏里の顔を舐め始めた。
ざらついたやすりのような舌に、目を鼻孔を耳の穴を舐め尽くされ、杏里は臭い唾液でべとべとになっている。
が、自らの前戯で昂ぶらせた身体は全身が性感帯と化していて、それすらも気持ちがよくてたまらない。
怪物が痛みを加えれば加えるほど、杏里の肉体はそれを快感に変え、敏感に反応するのだった。
現に怪物の脚は肋骨の間を通り、すでに内臓にも届いているはずなのだが、杏里が感じているのは、ペニスが子宮底に当たった時のような鋭い悦びの感覚なのだ。
はちきれそうに張った乳房を怪物の胸に押し当て、杏里は太腿で相手の片方の足を挟み込んでいる。
濡れそぼった股間を怪物の右の太腿にすりつけ、盛りのついた雌犬よろしく激しく腰を振った。
杏里の身体中の毛穴から分泌される体液が、相手の皮膚を覆っていく。
その中の媚薬成分の効果が現れたのか、怪物が先に鈎針のついた節くれ立った尾を持ち上げた。
尾のように見えるが、それはどうやら怪物特有の生殖器官であるらしい。
先の丸い部分が亀頭みたいに粘液でてらてら光り、そのてっぺんから突き出した鈎針からは、明らかに精子と思われる乳白色のしずくが垂れている。
長い尾が、くねくねうねりながら下がってきた。
それは背後から怪物の股間をくぐると、怪物と抱き合った杏里の陰部に、狙い違わず突き刺さった。
「うぅっ!」
杏里は硬直した。
膣の中でさく裂した激痛が、一瞬にして、とろけるような快感に変わる。
躰の中心を、太く長いものが移動している。
その硬い表面に、杏里の肉が意志を持ったかのように、積極的に絡みつき、強い力で締め上げる。
グググググ…。
怪物が小刻みに震え始めた。
その異形の身体を抱きしめた両腕に、杏里はよりいっそう力をこめた。
グフッ。
怪物の尾が杏里の中で膨張し、そして、爆ぜた。
生暖かいものが、奔流のようにあふれ出し、杏里の太腿を伝って床に滴り落ちた。
だが、杏里はまだ、怪物を放さない、
役目を終えて萎えていく怪物の尾を、肉襞でしっかりくわえ込んだまま、その精を一滴たりとも残さず搾り取る。
ぐらり。
怪物の身体が傾いた。
6本の脚が、1本ずつ、杏里の脇腹らから抜けていく。
ホ…ウ。
小さくつぶやき、くねくねと床に崩れ落ちていった。
その様子を一瞥して、杏里は驚きに目を見開いた。
わずかの間に、怪物はひと回り、小さくなってしまったようだった。
全身の肌にしわが寄り、躰がワンサイズ、縮んでしまったかのようだ。
まるで、木乃伊…。
吐息とともに、杏里は思った。
淫魔にでも、精気を吸い取られてしまったみたい…。
そうなのだ。
全身にみなぎる新たな力を感じながら、杏里は悟った。
その淫魔は、この私。
これが、外来種をも浄化する、真のタナトスの力なのだろう…。
その胴体から、人間としての腕が2本、蜘蛛のような逆関節の脚が6本、そしてズボンを穿いた足が2本生えている。
首はキチン質に覆われた長い管のようで、その先のピンポン玉のような球形の頭部が乗っている。
怪物は今、わき腹から生えた6本の脚を杏里に突き立て、正面から杏里の身体にしがみついていた。
ずぶり。
怪物が動くたびに、杏里の柔らかい脇腹に錐のように鋭い脚がめり込んでいく。
6つの傷口からはすでに血が流れ出し、杏里の肌を網の目のように赤く彩っていた。
だが、杏里が感じているのは、まぎれもなく、性的な快感だった。
6つの傷口が、あたかも新しい膣の役割をはたしているかのように、快感を生み出し続けているのだ。
それはさながら、6本のペニスを、同時に6つの膣口で受け入れるようなものだった。
「ああ…」
めくるめく愉悦に、杏里は喘いだ。
挿入時の快楽が、6倍になって快楽中枢に流れ込む。
その愉悦が乗り移ったのか、怪物が狂ったように杏里の顔を舐め始めた。
ざらついたやすりのような舌に、目を鼻孔を耳の穴を舐め尽くされ、杏里は臭い唾液でべとべとになっている。
が、自らの前戯で昂ぶらせた身体は全身が性感帯と化していて、それすらも気持ちがよくてたまらない。
怪物が痛みを加えれば加えるほど、杏里の肉体はそれを快感に変え、敏感に反応するのだった。
現に怪物の脚は肋骨の間を通り、すでに内臓にも届いているはずなのだが、杏里が感じているのは、ペニスが子宮底に当たった時のような鋭い悦びの感覚なのだ。
はちきれそうに張った乳房を怪物の胸に押し当て、杏里は太腿で相手の片方の足を挟み込んでいる。
濡れそぼった股間を怪物の右の太腿にすりつけ、盛りのついた雌犬よろしく激しく腰を振った。
杏里の身体中の毛穴から分泌される体液が、相手の皮膚を覆っていく。
その中の媚薬成分の効果が現れたのか、怪物が先に鈎針のついた節くれ立った尾を持ち上げた。
尾のように見えるが、それはどうやら怪物特有の生殖器官であるらしい。
先の丸い部分が亀頭みたいに粘液でてらてら光り、そのてっぺんから突き出した鈎針からは、明らかに精子と思われる乳白色のしずくが垂れている。
長い尾が、くねくねうねりながら下がってきた。
それは背後から怪物の股間をくぐると、怪物と抱き合った杏里の陰部に、狙い違わず突き刺さった。
「うぅっ!」
杏里は硬直した。
膣の中でさく裂した激痛が、一瞬にして、とろけるような快感に変わる。
躰の中心を、太く長いものが移動している。
その硬い表面に、杏里の肉が意志を持ったかのように、積極的に絡みつき、強い力で締め上げる。
グググググ…。
怪物が小刻みに震え始めた。
その異形の身体を抱きしめた両腕に、杏里はよりいっそう力をこめた。
グフッ。
怪物の尾が杏里の中で膨張し、そして、爆ぜた。
生暖かいものが、奔流のようにあふれ出し、杏里の太腿を伝って床に滴り落ちた。
だが、杏里はまだ、怪物を放さない、
役目を終えて萎えていく怪物の尾を、肉襞でしっかりくわえ込んだまま、その精を一滴たりとも残さず搾り取る。
ぐらり。
怪物の身体が傾いた。
6本の脚が、1本ずつ、杏里の脇腹らから抜けていく。
ホ…ウ。
小さくつぶやき、くねくねと床に崩れ落ちていった。
その様子を一瞥して、杏里は驚きに目を見開いた。
わずかの間に、怪物はひと回り、小さくなってしまったようだった。
全身の肌にしわが寄り、躰がワンサイズ、縮んでしまったかのようだ。
まるで、木乃伊…。
吐息とともに、杏里は思った。
淫魔にでも、精気を吸い取られてしまったみたい…。
そうなのだ。
全身にみなぎる新たな力を感じながら、杏里は悟った。
その淫魔は、この私。
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