15 / 463
第9部 倒錯のイグニス
#14 入部審査④
しおりを挟む
素人相手だというのに、アニスの攻撃は熾烈を極めていた。
手加減というものを知らないのか、情け容赦なく杏里の四肢を締め上げてくる。
肩の関節がみしりと鳴った。
無理やり広げられた股関節も、さっきから嫌な軋みを上げているようだ。
が、痛みを感じたのは、最初の数秒間に過ぎなかった。
タナトス特有の防御機能が働き、ある一点を境にふっと痛みが消えたのだ。
急に身体が楽になり、杏里は薄目を開けた。
無痛状態に陥ると、変わってさざ波のような疼きがやってきた。
躰が限界まで反り返っているせいで、乳首と陰部が布に擦れ、快感の発信源と化してしまっている。
特に陰部では、レオタードの切れ込みが深いため、布が肉襞の間に食い込み、アニスが力を籠めるたびに陰核を擦り上げていく。
「ああ…ん」
いつのまにか、杏里は口を半開きにして、そんな熱い吐息を漏らしていた。
丸く張り切った肉の丘の上で、見る間に乳首が硬く尖っていく。
白く薄い布を透かして、乳輪が淫猥な色に染まっているのがわかる。
股間はいつのまにか滲み出した淫汁で、じっとりと湿ってしまっていた。
ステージの下に群がる野次馬たちの目にも、レオタードに広がる染みは見えているに違いない。
そう、私、見られてる…。
その認識は圧倒的だった。
倒錯した快感が津波のように押し寄せ、
「あうっ…」
またも杏里は喘いだ。
ふたつの乳首と陰核だけでなく、視線を感じて全身が性感帯に変わってしまったかのようだった。
自ら頭をのけぞらせ、胸を、腹を、腰を突き上げていく。
さながら杏里は、天に捧げられる供物のようなものだった。
神に蹂躙されることを運命づけられた聖なる生贄。
それが私なのだ、とそう思った。
そしてその幻想は、あながち間違いではなかったのだ。
天井の照明をかき消すかのように、ふいに黒い影が杏里の視界に入ってきた。
短く刈った髪。
岩を打ち割って掘り出したかのような、ごつごつした顔。
奥まった小さな眼が、じっと杏里を見下ろしている。
小谷小百合だった。
「おまえ、痛みを感じないのか?」
いぶかしげに目を細めて、小百合が訊いてきた。
「アニスにこれをかけられたら、5秒ともたないのが普通なんだが」
杏里は答えなかった。
わざわざタナトスであることを明かす必要もないし、たとえ説明したところで信じてもらえるとは思えない。
小百合が一歩下がって杏里の身体をまじまじと観察する。
その瞳の奥に熾火のような揺らぎがともったのを、杏里は見逃さなかった。
おもむろに手が伸びてきた。
太くて硬い指が、レオタードを押し上げて屹立する杏里の右の乳首を、軽くつまんだ。
「くう…」
びくんと痙攣する杏里。
更に左の乳首をもつままれた。
こりこりとふたつの乳首を反対方向にねじられた。
布地を通しても、いや、布越しだからこそ余計に、その快感は強烈だった。
「あんっ!」
不自由な姿勢のまま、杏里は跳ねた。
ぬるり。
子宮の奥で何かがほどけ、蜜壺の中が熱い汁でいっぱいになるのがわかった。
熱にかすむ視界の隅に、迫りくる小百合の顔が見えた。
更なる愉楽の予感に、杏里は小刻みに身を震わせ始めた。
手加減というものを知らないのか、情け容赦なく杏里の四肢を締め上げてくる。
肩の関節がみしりと鳴った。
無理やり広げられた股関節も、さっきから嫌な軋みを上げているようだ。
が、痛みを感じたのは、最初の数秒間に過ぎなかった。
タナトス特有の防御機能が働き、ある一点を境にふっと痛みが消えたのだ。
急に身体が楽になり、杏里は薄目を開けた。
無痛状態に陥ると、変わってさざ波のような疼きがやってきた。
躰が限界まで反り返っているせいで、乳首と陰部が布に擦れ、快感の発信源と化してしまっている。
特に陰部では、レオタードの切れ込みが深いため、布が肉襞の間に食い込み、アニスが力を籠めるたびに陰核を擦り上げていく。
「ああ…ん」
いつのまにか、杏里は口を半開きにして、そんな熱い吐息を漏らしていた。
丸く張り切った肉の丘の上で、見る間に乳首が硬く尖っていく。
白く薄い布を透かして、乳輪が淫猥な色に染まっているのがわかる。
股間はいつのまにか滲み出した淫汁で、じっとりと湿ってしまっていた。
ステージの下に群がる野次馬たちの目にも、レオタードに広がる染みは見えているに違いない。
そう、私、見られてる…。
その認識は圧倒的だった。
倒錯した快感が津波のように押し寄せ、
「あうっ…」
またも杏里は喘いだ。
ふたつの乳首と陰核だけでなく、視線を感じて全身が性感帯に変わってしまったかのようだった。
自ら頭をのけぞらせ、胸を、腹を、腰を突き上げていく。
さながら杏里は、天に捧げられる供物のようなものだった。
神に蹂躙されることを運命づけられた聖なる生贄。
それが私なのだ、とそう思った。
そしてその幻想は、あながち間違いではなかったのだ。
天井の照明をかき消すかのように、ふいに黒い影が杏里の視界に入ってきた。
短く刈った髪。
岩を打ち割って掘り出したかのような、ごつごつした顔。
奥まった小さな眼が、じっと杏里を見下ろしている。
小谷小百合だった。
「おまえ、痛みを感じないのか?」
いぶかしげに目を細めて、小百合が訊いてきた。
「アニスにこれをかけられたら、5秒ともたないのが普通なんだが」
杏里は答えなかった。
わざわざタナトスであることを明かす必要もないし、たとえ説明したところで信じてもらえるとは思えない。
小百合が一歩下がって杏里の身体をまじまじと観察する。
その瞳の奥に熾火のような揺らぎがともったのを、杏里は見逃さなかった。
おもむろに手が伸びてきた。
太くて硬い指が、レオタードを押し上げて屹立する杏里の右の乳首を、軽くつまんだ。
「くう…」
びくんと痙攣する杏里。
更に左の乳首をもつままれた。
こりこりとふたつの乳首を反対方向にねじられた。
布地を通しても、いや、布越しだからこそ余計に、その快感は強烈だった。
「あんっ!」
不自由な姿勢のまま、杏里は跳ねた。
ぬるり。
子宮の奥で何かがほどけ、蜜壺の中が熱い汁でいっぱいになるのがわかった。
熱にかすむ視界の隅に、迫りくる小百合の顔が見えた。
更なる愉楽の予感に、杏里は小刻みに身を震わせ始めた。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる