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第4話 転生! 凌辱学園
#98 戦慄のストーカー③
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「く、来るな」
怒りのにじんだ声で、少年が言った。
「そんなかっこうで、俺のそばに来るんじゃない!」
そんな格好?
杏里は己の身体に目をやった。
しまった。
すっかり忘れてた。
私、まだレスリング部のユニフォームのままだったんだ!
へその下からVの字に伸びた2本の布が、かろうじて豊満な乳房の先を隠している。
しかも、裏地がないため、乳首がぽっちり浮き出してしまっている。
「ひどいよ…。明君、どうしてそんな冷たいこと言うの」
色々なことがありすぎて、情緒不安定になっているのか、杏里はぐずんと鼻を鳴らした。
大神明には、なんとはなしに好意を抱いている。
ぼっち同士、通じるものがある気がして、一緒にいると気が休まるのだ。
なのに、この仕打ち…。
でも、めげてる場合じゃない。
だって、私のほうがオトナで、曲がりなりにも教師なんだから。
「それに、あなた、怪我してるじゃない。ほら、その手の傷はなに?」
膝を抱えてうずくまる少年の手首に血がついている。
それを目ざとく見つけて、杏里は言った。
「大したケガじゃない。かすり傷さ。さっき、廊下で転んだんだよ」
膝に顔をうずめたまま、明が答えた。
が、長い前髪の間から目だけが杏里を見ているようだ。
「廊下で転んだ? あなたが?」
ウソだと思った。
運動神経ゼロの杏里ならともかく、一流アスリートみたいに引き締まった身体をしているこの子が転んでけがするなんてありえない。
「とにかく、見せて。応急手当してあげるから」
保健室へ行こう、とはさすがに言えなかった。
保健室には、気絶しているとはいえ、那智がいるのだ。
「いいったら! こんな傷、放っておけばすぐ治る。今は月齢が低いから、時間がかかってるけど…。それより、早く向こうへ行ってくれないか。でないと俺は、あんたを…」
「なに? 何が言いたいの? 話が見えないんだけど」
「だからレスリング部の顧問なんて断れって言ったんだ! なんだよ、さっきのざまは! あれじゃまるで見世物じゃないか!」
明の声に、また怒気がにじんだ。
「見てたの…?」
杏里は耳のつけ根まで赤くなった。
「ああ、見てたよ。そしたら、自分を抑えきれなくなって…」
「それ…どういうこと?」
「いいから行け!」
明がやみくもに土をつかんで投げてきた。
「お願いだから、ひとりにしておいてくれ!」
「大神君は…そんなに私が嫌いなの? ふしだらな女に見えるから?」
目を潤ませて、杏里はたずねた。
自分が謎の獣の血を追ってここまで来たことなど、すっかり忘れてしまっていた。
「行けったら行けよ! 俺がおかしくなる前に!」
ひどい…。
ひどいよ、大神君…。
少年に怒鳴りつけられ、杏里は泣きながらその場から逃げ出した。
怒りのにじんだ声で、少年が言った。
「そんなかっこうで、俺のそばに来るんじゃない!」
そんな格好?
杏里は己の身体に目をやった。
しまった。
すっかり忘れてた。
私、まだレスリング部のユニフォームのままだったんだ!
へその下からVの字に伸びた2本の布が、かろうじて豊満な乳房の先を隠している。
しかも、裏地がないため、乳首がぽっちり浮き出してしまっている。
「ひどいよ…。明君、どうしてそんな冷たいこと言うの」
色々なことがありすぎて、情緒不安定になっているのか、杏里はぐずんと鼻を鳴らした。
大神明には、なんとはなしに好意を抱いている。
ぼっち同士、通じるものがある気がして、一緒にいると気が休まるのだ。
なのに、この仕打ち…。
でも、めげてる場合じゃない。
だって、私のほうがオトナで、曲がりなりにも教師なんだから。
「それに、あなた、怪我してるじゃない。ほら、その手の傷はなに?」
膝を抱えてうずくまる少年の手首に血がついている。
それを目ざとく見つけて、杏里は言った。
「大したケガじゃない。かすり傷さ。さっき、廊下で転んだんだよ」
膝に顔をうずめたまま、明が答えた。
が、長い前髪の間から目だけが杏里を見ているようだ。
「廊下で転んだ? あなたが?」
ウソだと思った。
運動神経ゼロの杏里ならともかく、一流アスリートみたいに引き締まった身体をしているこの子が転んでけがするなんてありえない。
「とにかく、見せて。応急手当してあげるから」
保健室へ行こう、とはさすがに言えなかった。
保健室には、気絶しているとはいえ、那智がいるのだ。
「いいったら! こんな傷、放っておけばすぐ治る。今は月齢が低いから、時間がかかってるけど…。それより、早く向こうへ行ってくれないか。でないと俺は、あんたを…」
「なに? 何が言いたいの? 話が見えないんだけど」
「だからレスリング部の顧問なんて断れって言ったんだ! なんだよ、さっきのざまは! あれじゃまるで見世物じゃないか!」
明の声に、また怒気がにじんだ。
「見てたの…?」
杏里は耳のつけ根まで赤くなった。
「ああ、見てたよ。そしたら、自分を抑えきれなくなって…」
「それ…どういうこと?」
「いいから行け!」
明がやみくもに土をつかんで投げてきた。
「お願いだから、ひとりにしておいてくれ!」
「大神君は…そんなに私が嫌いなの? ふしだらな女に見えるから?」
目を潤ませて、杏里はたずねた。
自分が謎の獣の血を追ってここまで来たことなど、すっかり忘れてしまっていた。
「行けったら行けよ! 俺がおかしくなる前に!」
ひどい…。
ひどいよ、大神君…。
少年に怒鳴りつけられ、杏里は泣きながらその場から逃げ出した。
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