そんなお口で舐められたら💛

戸影絵麻

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第4話 転生! 凌辱学園

#72 新たな道へ①

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 心臓が停まるかと思った。

 おっかなびっくり振り向くと、夕陽の中に立っているのは、美衣だった。

 百合丘女子の制服を着て、右手にカバンを提げている。

「あ、あなたは…」

 言いかけたけど、言葉が続かない。

「私、学校帰りにここで少し読書するのが日課なんです。なのに、杏里さんが、さっきからずっとそこに座ってて、動かないから…」

「杏里って…やっぱり思い出してくれたの? 私のこと?」

 希望が胸にきざし、勢い込んでたずねてみた。

「いえ、そうじゃなくって。あなたがさっき、そう名乗ってたから…」

 美衣の顔に一瞬、怯えに似た表情が浮かんだ。

 なあんだ。

 空気の抜けた風船のように、芽生えたばかりの希望がしぼんでいく。

 やはり、この子は私のことを知らないのだ。

 私は喫茶店でいきなりスカートを脱ぎ出す痴女に過ぎないのだ…。

「さっきは、ごめんなさい。驚かしちゃって。あなたがあまりに似てたから…私の知ってるみいに」

「そのことなんですけど」

 ここ、座っていいですか?

 小声で断って、美衣がベンチの隣に腰を下ろしてきた。

「どういうことなんでしょう? 私、妙に気になっちゃって」

「どういうことって言われても…」

 返答に窮して、杏里はきょろきょろと周囲を見回した。

 幸い、美衣の連れたちの姿はないようだ。

「あ、友達なら、みんな帰りました。百合丘の生徒って、みんな習い事や塾で忙しいんです。それに、特に何もなくても、明日もまだテストが残ってるし…」

「あなたは、大丈夫なの?」

「大丈夫かって言われるとムフフですけど…それより、こっちのほうが気になって」

 美衣が可愛くぺろりと舌を出す。

「こっちって、私のこと?」

「ええ。正直、びっくりしました。だって、杏里さん、すっごくスタイルいいんですもの」

 え? スタイル?

 杏里はきょとんと美衣の美少女フェイスを見返した。

 びっくりしたって、そっち方面?

 元の世界のみいもどこか常識はずれだったけど、この子もやっぱりそうなのだろうか?

「そんなグラドルみたいなナイスバデイの女の人から、突然『あなたの恋人です』なんて言われたら、誰だってどきどきしちゃうじゃないですか?」

 美衣が、はにかむように微笑んだ。

 やだ。

 杏里は、無意識のうちに両腕で巨乳を抱え込んでいた。

 なに? このどきどき感?

 私の勘違いじゃなければ、なんだか、脈ありって感じがしてならないんだけど…?

「だから、よければ教えていただけませんか? どうしてあんなこと言ったのか。私に似てるその『みい』って人は誰なのか…」

 美衣の瞳は意外と真剣である。

 そうか。

 杏里は、胸の奥に熱いものが湧きあがるのを感じないではいられなかった。

 仮にこの世界の美衣が私のことを何ひとつ知らなくても、これから親しくなっていけばいいだけのことなのだ。

 少なくとも、希望はある。

 なぜって、この子、私を嫌っているわけではないらしいからだ。

 いやそれどころか、むしろこっちに興味を抱いているといっていい…。

「いいわよ。でも、ちょっと寒くなってきたし、場所を変えようか?」

 杏里は立ち上がった。

「実はね、私の実家、あなたのおうちのお隣なの。距離的にはずいぶん離れてるけど。よければ寄っていかない? まあ、大したおもてなしはできないけどね」

「私の家、知ってるんですか?」

 美衣が驚きに目を見張った。

「ええ。叔母さんが、広田紗彩さんよね。和服の似合う和風美女の」

「沙彩おばさんのことも? わあ、すごい」

「だって、本当にお隣同士なんだから」

「知らなかったなあ。そうなんだ」

 美衣の無邪気な驚きように、杏里の胸は、もう高まるばかりだった。









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