上 下
387 / 475
第4話 転生! 凌辱学園

#49 混浴露天風呂の恐怖①

しおりを挟む
 これまで何人もの女を落としてきた那智だったが、これほどエロチックな気分にさせられたことはなかった。

 笹原杏里の水着姿である。

 紺色のスクール水着が貼りついたその熟したボディときたら…。

 見ているだけでかぶりつきたくなってしまう。

 だが、今はまだだめだ、と自分の欲望を押さえ込む。

 ここでまた職を失うわけにはいかないのだ。

 校長たちの機嫌を取っておくために、まずは杏里を男性教師たちの生贄に捧げる必要がある。

 なぜなら、それが今回の歓迎会における那智の役割であるからだ。

 新米女性教師を逃がさないように監視しながら、男たちの供物にする。

 那智が事前に大山から仰せつかった使命がそれだった。

 杏里はすりガラスの手前で躊躇したまま凍りついている。

 きゅんとくびれた腰と、発達した尻の間に食い込んだ水着が悩ましい。

「なに怖気づいてるんだい? 行くよ」

 杏里の肩を抱くようにしてガラス戸を開くと、冷たい夜気がふたりを包み込んだ。

 段差の下に、岩風呂が広がっている。

 天然の湯船は全部で3つあり、それぞれに10人ずつ、男たちがつかっていた。

 教師たちはは年齢別に、20代、30代~40代、50~60代と、3グループに分かれている。

 校長の大山と教頭の前原は、当然最後のグループに入っていた。

 那智の仕事は、杏里がこの3グループに順に弄ばれるのを監視することだ。

 途中で逃げ出したりしないように、完全に退路を断つこと。

 大山にはあらかじめそう命じられている。

 最初は若い教員たち。

 次が中堅。

 そして最後がベテラン教師たち。

 その順に「どこまでやれるか」が決められており、那智はそのルール違反にも目を光らせなければならない。

 例えば最初の若い教員のグループに許されるのは、水着の上から杏里の胸にタッチすることだけ。

 中堅には、全身への接触が解禁になる。

 ただし、これも水着の上からだけで、杏里の身体を好きなように弄ぶことができるのは、最後の老害グループだけと決められているのだ。

「よお、待ってました!」

「素敵! 素敵すぎる!」

「な、なんていやらしい水着なんだ!」

「早くこっちにおいで! すぐにあっためてあげるから!」

 ガラス戸を開けて杏里が姿を現すなり、教員たちの間から黄色い声が飛び交った。

 考えてみれば、失礼な話である。

 水着を着た杏里に対して、那智は全裸なのだ。

 なのに、那智の裸に興味を示す者は誰もいない。

 イマニミテイロ。

 那智の胸の奥底で、どす黒い憎しみが湧き上がる。

 が、それは男たちではなく、傍らで震えている杏里に対してのものだ。

 ちょっとかわいい顔してるからって…。

 ちょっと男好きのする身体をしてるからって…。

 こういうタイプの女は、許せない。

 私がこの手で、滅茶苦茶にしてやるのだ。

「みなさん、お待たせ」

 内心の憤懣を押し隠し、那智はひきつった笑顔をその岩のような顔に浮かべてみせた。

「では、楽しい混浴タイムを始めたいと思います。さ、笹原先生、まずはここへ」

 杏里を紹介すると見せかけて、いきなり足をひっかけた。

「あ」

 よろめいて、一番手近な湯船に杏里がダイブする。

 歓声を上げて、若手教員たちが湯船に落ちた杏里に取りすがる。

「いやあっ! だめえ!」

 杏里の抗議の声が、

「行け! 行け!」

 という周囲からの応援にかき消された。

 混浴温泉という名の地獄めぐりが、今始まったのだ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

好きになっちゃったね。

青宮あんず
大衆娯楽
ドラッグストアで働く女の子と、よくおむつを買いに来るオシャレなお姉さんの百合小説。 一ノ瀬水葉 おねしょ癖がある。 おむつを買うのが恥ずかしかったが、京華の対応が優しくて買いやすかったので京華がレジにいる時にしか買わなくなった。 ピアスがたくさんついていたり、目付きが悪く近寄りがたそうだが実際は優しく小心者。かなりネガティブ。 羽月京華 おむつが好き。特に履いてる可愛い人を見るのが。 おむつを買う人が眺めたくてドラッグストアで働き始めた。 見た目は優しげで純粋そうだが中身は変態。 私が百合を書くのはこれで最初で最後になります。 自分のpixivから少しですが加筆して再掲。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

女子バスケットボール部キャプテン同士の威信を賭けた格闘

ヒロワークス
大衆娯楽
女子大同士のバスケットボールの試合後、キャプテンの白井有紀と岡本彩花が激しい口論に。 原因は、試合中に彩花が有紀に対して行ったラフプレーの数々だった。 怒った有紀は、彩花に喧嘩同然の闘いを申し込み、彩花も売り言葉に買い言葉で受ける。 2人は、蒸し暑い柔道場で、服をはぎ取り合いながら、激しい闘いを繰り広げる。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

ようこそ、悲劇のヒロインへ

一宮 沙耶
大衆娯楽
女性にとっては普通の毎日のことでも、男性にとっては知らないことばかりかも。 そんな世界を覗いてみてください。

処理中です...