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第4話 転生! 凌辱学園
#2 なんで私が教師なの?①
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岩に刻まれた彫像のようにごつい顔。
眼はぎょろりとして大きく、眼光が鋭い。
鉤型に曲がった鼻は、まるで猛禽類のくちばしのようだ。
それでいてへの字に引き結んだ唇はぽってりして妙に赤く、どことなく官能的である。
やっぱり、鬼龍院先生だ。
杏里の脳裏に、忌まわしい記憶の断片が、フラッシュバックのようによみがえった。
車の中で、美和の家で、教室で、体育館で…。
彼女はこの私の身体をいいように弄び、セフレに仕立て上げたのだ…。
あの悪夢は、まだ続いているということなのだろうか?
眼をぱちくりさせる杏里に、叱りつけるように那智が言う。
「それに、あなたのクラス、1年A組の生徒たち、なんだかそわそわして落ち着かないようだけど、それは笹原先生、その服装に問題があるんじゃありませんか? そんな格好で思春期の子供たちの前に出たら、そりゃあ誰だっておかしくなるというものですよ。少しは教師の本分というものをわきまえてくれないと」
「はあ…」
言われて杏里は自分の身体に目をやった。
乳房が大きすぎて、ブラウスはボタンがはまらず、胸のあたりまで開いている。
だから、ピンクのブラジャーに持ち上げられ、寄せられた巨乳が半分ほど見えている。
杏里の乳房はもともと高校生離れしたサイズだが、それが今はいつもより更に成長しているように見える。
ブラで隠しきれず、乳輪すら半ば覗いている始末なのだ。
それに、と思う。
那智の言う通り、教師にしては、このスカートもやばいかも。
座っているだけで、裾が太腿のつけ根までずり上がり、小さなピンクの三角地帯が丸見えなのだ。
「す、すみません…」
机の上にあった教科書で股間を隠し、杏里は亀の仔のように首を縮めた。
「生活指導部としては、風紀を乱す者は、たとえ教師であれ、看過できませんからね。改善の意志が見られない時には…」
那智が鬼のような形相で、更に言い募ろうとした時だった。
「鬼龍院先生、笹原先生はそれでいいのです」
のんびりした老人の声が、場の緊迫した雰囲気を和ませた。
見ると、いつのまにか、那智の後ろに腰をかがめた老人が佇んでいた。
つるりと禿げた頭の周囲を、シャンプーハットのように縁どる白髪。
太い眉も白く、八の字に垂れ下がっている。
「でも、校長先生…」
那智の顔が怒りと屈辱で赤くなる。
「先生には、採用の時に、わたしから頼んだのです。今の世の中、何よりも個性が大切だ。それを生徒に教えるためにも、教師自らが自己実現を進めるべきだ。だから、いちばん自分にふさわしい服装をしてくるように、とね」
杏里は驚きの眼で、いかにも好々爺然とした老人を眺めた。
そのしわだらけの顔には見覚えがある。
推薦入試で杏里を合格させ、入学式でストリップをさせたのが、このおじいちゃんだ。
個性だとか自己実現だとか、難しいことを並べ立てているけれど、要は単にスケベなだけだろう。
「僭越ながら言わせてもらいますと、ぼ、僕も校長に賛成です」
すかさず横から口をはさんできたのは、数学教師の木更津である。
「笹原先生の服装を否定することは、憲法で守られている基本的人権を侵害することになります。彼女の個性は明らかにそのムチムチプルルンとしたボディです。芸術的とすらいえるそのボディを封印して、何が自由ですか、平等ですか。それを言うなら鬼龍院先生、あなたはそのおっかない顔を隠さなければならなくなる」
「なんですって? 私の顔に何か文句でも?」
那智ににらまれ、さすがに言い過ぎたと思ったのか、木更津が縮こまった。
「あ、いや、最後のは忘れてください」
「まあ、とういうわけで、この件はここまでとしませんか」
笑いながら校長が中に割って入った。
「先生方は好きなファッションで授業をしてくれればよいのです。木更津先生のおっしゃる通り、自由・平等はこの学園の建学理念でもありますからね。何なら鬼龍院先生、あなたも笹原先生みたいに…」
「けっこうです!」
鼻息荒く吐き捨てると、くるりと踵を返し、那智は出て行った。
「やれやれ」
木更津がげっそりしたようにつぶやいた。
「でも、笹原先生、気をつけたほうがいいですよ」
校長が立ち去るのを待って、杏里の耳元にささやいた。
「あんなこと言ってるけど、鬼龍院先生、実はレズビアンなんじゃないかって噂があるんです…」
眼はぎょろりとして大きく、眼光が鋭い。
鉤型に曲がった鼻は、まるで猛禽類のくちばしのようだ。
それでいてへの字に引き結んだ唇はぽってりして妙に赤く、どことなく官能的である。
やっぱり、鬼龍院先生だ。
杏里の脳裏に、忌まわしい記憶の断片が、フラッシュバックのようによみがえった。
車の中で、美和の家で、教室で、体育館で…。
彼女はこの私の身体をいいように弄び、セフレに仕立て上げたのだ…。
あの悪夢は、まだ続いているということなのだろうか?
眼をぱちくりさせる杏里に、叱りつけるように那智が言う。
「それに、あなたのクラス、1年A組の生徒たち、なんだかそわそわして落ち着かないようだけど、それは笹原先生、その服装に問題があるんじゃありませんか? そんな格好で思春期の子供たちの前に出たら、そりゃあ誰だっておかしくなるというものですよ。少しは教師の本分というものをわきまえてくれないと」
「はあ…」
言われて杏里は自分の身体に目をやった。
乳房が大きすぎて、ブラウスはボタンがはまらず、胸のあたりまで開いている。
だから、ピンクのブラジャーに持ち上げられ、寄せられた巨乳が半分ほど見えている。
杏里の乳房はもともと高校生離れしたサイズだが、それが今はいつもより更に成長しているように見える。
ブラで隠しきれず、乳輪すら半ば覗いている始末なのだ。
それに、と思う。
那智の言う通り、教師にしては、このスカートもやばいかも。
座っているだけで、裾が太腿のつけ根までずり上がり、小さなピンクの三角地帯が丸見えなのだ。
「す、すみません…」
机の上にあった教科書で股間を隠し、杏里は亀の仔のように首を縮めた。
「生活指導部としては、風紀を乱す者は、たとえ教師であれ、看過できませんからね。改善の意志が見られない時には…」
那智が鬼のような形相で、更に言い募ろうとした時だった。
「鬼龍院先生、笹原先生はそれでいいのです」
のんびりした老人の声が、場の緊迫した雰囲気を和ませた。
見ると、いつのまにか、那智の後ろに腰をかがめた老人が佇んでいた。
つるりと禿げた頭の周囲を、シャンプーハットのように縁どる白髪。
太い眉も白く、八の字に垂れ下がっている。
「でも、校長先生…」
那智の顔が怒りと屈辱で赤くなる。
「先生には、採用の時に、わたしから頼んだのです。今の世の中、何よりも個性が大切だ。それを生徒に教えるためにも、教師自らが自己実現を進めるべきだ。だから、いちばん自分にふさわしい服装をしてくるように、とね」
杏里は驚きの眼で、いかにも好々爺然とした老人を眺めた。
そのしわだらけの顔には見覚えがある。
推薦入試で杏里を合格させ、入学式でストリップをさせたのが、このおじいちゃんだ。
個性だとか自己実現だとか、難しいことを並べ立てているけれど、要は単にスケベなだけだろう。
「僭越ながら言わせてもらいますと、ぼ、僕も校長に賛成です」
すかさず横から口をはさんできたのは、数学教師の木更津である。
「笹原先生の服装を否定することは、憲法で守られている基本的人権を侵害することになります。彼女の個性は明らかにそのムチムチプルルンとしたボディです。芸術的とすらいえるそのボディを封印して、何が自由ですか、平等ですか。それを言うなら鬼龍院先生、あなたはそのおっかない顔を隠さなければならなくなる」
「なんですって? 私の顔に何か文句でも?」
那智ににらまれ、さすがに言い過ぎたと思ったのか、木更津が縮こまった。
「あ、いや、最後のは忘れてください」
「まあ、とういうわけで、この件はここまでとしませんか」
笑いながら校長が中に割って入った。
「先生方は好きなファッションで授業をしてくれればよいのです。木更津先生のおっしゃる通り、自由・平等はこの学園の建学理念でもありますからね。何なら鬼龍院先生、あなたも笹原先生みたいに…」
「けっこうです!」
鼻息荒く吐き捨てると、くるりと踵を返し、那智は出て行った。
「やれやれ」
木更津がげっそりしたようにつぶやいた。
「でも、笹原先生、気をつけたほうがいいですよ」
校長が立ち去るのを待って、杏里の耳元にささやいた。
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