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第4話 転生! 凌辱学園
#1 杏里、転生する?
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「笹原先生、いい加減、起きてください。口からよだれ、垂れてますよ!」
「うう~ん」
肩をゆすられ、杏里は目を覚ました。
何かすごく卑猥な夢を見ていたような気がする。
胸がどきどきして、息が苦しい。
うっすら目を開けると、杏里の顔を覗き込んでいる眼鏡をかけた若い男と目が合った。
「あ、あなたは? こ、ここは、どこ?」
首を上げて、周囲を見回した。
杏里はスチール製のデスクに腕を投げ出し、突っ伏しているところだった。
パソコンのモニター画面が目の前にあり、その横のブックスタンドにはファイルがいくつも立てられている。
そこはデスクの並んだ広い部屋で、見知らぬ大人たちでいっぱいだった。
ある者は立ったまま、ある者は自分のデスクから首だけ曲げて、杏里のほうをじっと見つめている。
「やだなあ、まだ覚えてもらえないんですか? 同僚の木更津ですよ、数学担当の木更津祐介です。それに、ここは職員室に決まってるでしょう? 昼間っから、なに寝ぼけてるんですか」
情けなさそうな顔つきで、男が言った。
「無理ないかなあ、まだ赴任3日目だから」
杏里から視線を逸らし、なんだか切なげにため息をつく。
杏里はまじまじと腺病質の蒼い顔を見つめ返した。
職員室?
どうして私が、職員室に?
それに、赴任3日目って、どういうこと?
私は確か、ついさっきまで紗彩さんの家で、みいと一緒に…。
が、なぜかその後のことが、さっぱり思い出せなかった。
「もうすぐ授業ですよ。シャキッとしてくださいよ、シャキッと」
木更津と名乗る男は、数学の教科書を抱えている。
「あのう…何のことか、さっぱり話が見えないんですけど」
思い切って、杏里はたずねた。
「私、どうして、職員室にいるんでしょうか? 何か悪いことでもやって、呼び出されたんでしょうか? ていうか、きょうは、確か仮病を使って学校を休んだ気がするんですけど…」
「はあ?」
眼鏡の奥で、木更津が目を丸くした。
「何、生徒みたいなこと言ってるんですか! 笹原先生は、この清流院高校の国語教師ですよ! いくら新人だからって、自分の立場忘れてどうするんですか!」
「教師…? 国語の…?」
茫然とする杏里。
そういえば、なんだろう、この服は。
長袖の白いブラウスに、ぴちぴちの黒のタイトミニ。
脚にはご丁寧にもパンティストッキングまで履いている。
こんな大人っぽい服、私、持ってたっけ?
なんだかOLにでもなったみたい…。
「ええと、これ、どっきりカメラか何かですか? 私まだ、高校生ですよ? 先生のはず、ないじゃないですか」
気を取り直して、抗議した時である。
「笹原先生、授業に遅れますよ」
聞き覚えのある、ドスの利いた声が降ってきた。
赤いジャージ姿の逞しい中年女性が、腰に手を当て、恐い眼でじいっと杏里を見下ろしている。
「な、那智先生…」
杏里は絶句した。
その女性は、あの杏里の天敵、鬼龍院那智だったのだ。
「うう~ん」
肩をゆすられ、杏里は目を覚ました。
何かすごく卑猥な夢を見ていたような気がする。
胸がどきどきして、息が苦しい。
うっすら目を開けると、杏里の顔を覗き込んでいる眼鏡をかけた若い男と目が合った。
「あ、あなたは? こ、ここは、どこ?」
首を上げて、周囲を見回した。
杏里はスチール製のデスクに腕を投げ出し、突っ伏しているところだった。
パソコンのモニター画面が目の前にあり、その横のブックスタンドにはファイルがいくつも立てられている。
そこはデスクの並んだ広い部屋で、見知らぬ大人たちでいっぱいだった。
ある者は立ったまま、ある者は自分のデスクから首だけ曲げて、杏里のほうをじっと見つめている。
「やだなあ、まだ覚えてもらえないんですか? 同僚の木更津ですよ、数学担当の木更津祐介です。それに、ここは職員室に決まってるでしょう? 昼間っから、なに寝ぼけてるんですか」
情けなさそうな顔つきで、男が言った。
「無理ないかなあ、まだ赴任3日目だから」
杏里から視線を逸らし、なんだか切なげにため息をつく。
杏里はまじまじと腺病質の蒼い顔を見つめ返した。
職員室?
どうして私が、職員室に?
それに、赴任3日目って、どういうこと?
私は確か、ついさっきまで紗彩さんの家で、みいと一緒に…。
が、なぜかその後のことが、さっぱり思い出せなかった。
「もうすぐ授業ですよ。シャキッとしてくださいよ、シャキッと」
木更津と名乗る男は、数学の教科書を抱えている。
「あのう…何のことか、さっぱり話が見えないんですけど」
思い切って、杏里はたずねた。
「私、どうして、職員室にいるんでしょうか? 何か悪いことでもやって、呼び出されたんでしょうか? ていうか、きょうは、確か仮病を使って学校を休んだ気がするんですけど…」
「はあ?」
眼鏡の奥で、木更津が目を丸くした。
「何、生徒みたいなこと言ってるんですか! 笹原先生は、この清流院高校の国語教師ですよ! いくら新人だからって、自分の立場忘れてどうするんですか!」
「教師…? 国語の…?」
茫然とする杏里。
そういえば、なんだろう、この服は。
長袖の白いブラウスに、ぴちぴちの黒のタイトミニ。
脚にはご丁寧にもパンティストッキングまで履いている。
こんな大人っぽい服、私、持ってたっけ?
なんだかOLにでもなったみたい…。
「ええと、これ、どっきりカメラか何かですか? 私まだ、高校生ですよ? 先生のはず、ないじゃないですか」
気を取り直して、抗議した時である。
「笹原先生、授業に遅れますよ」
聞き覚えのある、ドスの利いた声が降ってきた。
赤いジャージ姿の逞しい中年女性が、腰に手を当て、恐い眼でじいっと杏里を見下ろしている。
「な、那智先生…」
杏里は絶句した。
その女性は、あの杏里の天敵、鬼龍院那智だったのだ。
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