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第3話 ずっとあなたとしたかった
#147 不機嫌な下僕⑩
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「みいはもともと、紗彩さまのためにつくられたペットロイドです。その後、縁あって杏里さまにもお仕えできるようになり、これまで未熟者ながら、おふたりのため、せいいっぱいがんばってきたつもりです」
両の目を真っ赤に泣きはらし、みいが言う。
「でも、これからは、杏里さまがみいの代わりとなって、紗彩さまとじかにおつき合いなさるんですよね? そうなれば、当然、みいはお払い箱です。ただの空気人形と同じですから、いずれ燃えないゴミとして捨てられます」
「誰がそんなこと、するもんですか」
杏里は柳眉を逆立てた。
「みいを燃えないゴミに出すなんて、あのやさしい沙耶さんが、そんなひどいこと、するわけないでしょ!」
「いいえ。そうとも限りません」
頑固に首を横に振るみい。
「ペットロイドとは、端的にいえば、意志を持ったラブドールです。ご主人さまの性的欲望を満足させることを第一義としてつくられた道具なのです。その役目を十分に果たせないペットロイドなど、冷えない冷蔵庫並みの価値しかありません」
冷えない冷蔵庫…?
みいの奇妙な比喩には妙な説得力がある。
「で、でも、紗彩さんも、みいにすぐ着脱式の子宮を装備するって言ってたし、それまでのしんぼうだよ」
「そんな大手術、1日や2日で終わるとは思えません。おそらくみいは、旦那様のラボに送られて、何週間もの間、メンテと改造手術を受けることになると思います。その間に、紗彩さんはきっと、杏里さまをお求めになるでしょう。そして、ふたりとも、入院中のみいのことなど、お忘れになってしまうのです」
みいが悲しそうにため息をつく。
そんなみいを見るに忍びず、杏里は半ばやけくそで提案した。
「だったら、こうしたら? みいが、紗彩さまの子宮を徹底的に愛撫するテクニックを覚えるの。それこそ、紗彩さんが忘れられなくなるくらい、すごいのを。そうすれば、紗彩さんも、きっとみいの退院を心待ちにしてくれるはずでしょう?」
「でも、今のみいには子宮がないんですよ? そのテクニックとやらを練習したくても、できないんです」
「これがあるじゃない」
杏里は自分の子宮をみいの手の上に乗せた。
「きょう一日、私がこれ、貸してあげるから」
「本当ですか?」
みいの瞳に希望の灯がともる。
「あたりまえじゃない。私たち、単なるセフレじゃなくって、れっきとした恋人同士なんだから! じゃ、まず、あれを教えてあげる。ゆうべ、沙彩さんと試した秘技があるの」
「秘技ですかあ?」
「うん。とっても、気持ちよくなる技なんだ。もちろん、この子宮を使うんだけどね」
両の目を真っ赤に泣きはらし、みいが言う。
「でも、これからは、杏里さまがみいの代わりとなって、紗彩さまとじかにおつき合いなさるんですよね? そうなれば、当然、みいはお払い箱です。ただの空気人形と同じですから、いずれ燃えないゴミとして捨てられます」
「誰がそんなこと、するもんですか」
杏里は柳眉を逆立てた。
「みいを燃えないゴミに出すなんて、あのやさしい沙耶さんが、そんなひどいこと、するわけないでしょ!」
「いいえ。そうとも限りません」
頑固に首を横に振るみい。
「ペットロイドとは、端的にいえば、意志を持ったラブドールです。ご主人さまの性的欲望を満足させることを第一義としてつくられた道具なのです。その役目を十分に果たせないペットロイドなど、冷えない冷蔵庫並みの価値しかありません」
冷えない冷蔵庫…?
みいの奇妙な比喩には妙な説得力がある。
「で、でも、紗彩さんも、みいにすぐ着脱式の子宮を装備するって言ってたし、それまでのしんぼうだよ」
「そんな大手術、1日や2日で終わるとは思えません。おそらくみいは、旦那様のラボに送られて、何週間もの間、メンテと改造手術を受けることになると思います。その間に、紗彩さんはきっと、杏里さまをお求めになるでしょう。そして、ふたりとも、入院中のみいのことなど、お忘れになってしまうのです」
みいが悲しそうにため息をつく。
そんなみいを見るに忍びず、杏里は半ばやけくそで提案した。
「だったら、こうしたら? みいが、紗彩さまの子宮を徹底的に愛撫するテクニックを覚えるの。それこそ、紗彩さんが忘れられなくなるくらい、すごいのを。そうすれば、紗彩さんも、きっとみいの退院を心待ちにしてくれるはずでしょう?」
「でも、今のみいには子宮がないんですよ? そのテクニックとやらを練習したくても、できないんです」
「これがあるじゃない」
杏里は自分の子宮をみいの手の上に乗せた。
「きょう一日、私がこれ、貸してあげるから」
「本当ですか?」
みいの瞳に希望の灯がともる。
「あたりまえじゃない。私たち、単なるセフレじゃなくって、れっきとした恋人同士なんだから! じゃ、まず、あれを教えてあげる。ゆうべ、沙彩さんと試した秘技があるの」
「秘技ですかあ?」
「うん。とっても、気持ちよくなる技なんだ。もちろん、この子宮を使うんだけどね」
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