298 / 475
第3話 ずっとあなたとしたかった
#139 不機嫌な下僕②
しおりを挟む
「聞いたの? 紗彩さんに」
どきりとして、杏里はたずねた。
「はい」
みいがうなずいた。
目の下あたりの皮膚が、ほんのりと桜色に染まっている。
これは、みいが恥じらいを感じるとともに、性的に興奮している証拠である。
「ゆうべの様子を撮った動画も、見せてもらいました。杏里さまも、紗彩さまも、とっても幸せそうでした」
「動画も?」
さすがの杏里も赤くならざるをえなかった。
クライマックスシーンを、雪乃がスマホで撮影していたのを思い出したのだ。
しかし、もう、みいにあの動画を見せるなんて、雪乃も紗彩も朝早くからご苦労さまなことである。
「ペットロイドとしては、最新のセックス事情も知っておいたほうがいいってことで…」
なるほど。
確かにそれがみいの”仕事”なのだから、紗彩の言葉にも一理ある。
「口では説明しにくいなあ」
杏里はあいまいに笑ってみせた。
「あれはもう、経験した者にしかわからないっていうか…とにかく、異次元の感覚なの。快感が、まったく違う回路を通って伝わってくるみたいな…」
そうなのだ。
あの感覚は、言葉で表現しようとすると、すべてウソになる。
とにかく、気持ちいい、としか言えないのだ。
すごく、ものすごく、気持ちいいとしか…。
「うらやましいです」
みいがすねたような眼で、杏里を見た。
「みい、そんな杏里さまと紗彩さまに、嫉妬しちゃいます」
ペットロイドとしての職務を侵害されたとでも思っているのか、なんだかきょうのみいはいつになく不機嫌そうだ。
「そう言われても…。子宮セックスは、ほんと、偶然から始まったことだし」
そう口にしてみたものの、自分でも言い訳めいているのがわかった。
「でも、気持ちよかったんですよね。みいとする時よりも」
みいのつぶらな瞳には、怒りの炎さえ宿っているようだ。
「そ、そんなことないよ」
力なく、杏里は否定した。
その力のなさが、みいにも伝わったらしい。
「杏里さま、ウソついてます」
みいの目尻に、涙の粒が盛り上がった。
「もう、みいなんて、用なしだと思ってますね」
「そんな…何言ってるの?」
唖然とする杏里。
AIも嫉妬したり、思い込みでおかしくなったりするのだろうか?
みいのこの反応、ちょっと、異常すぎやしない?
「じゃあ、どうしてほしいの?」
仕方なく、訊いた。
「みいにも、同じこと、してほしいんです」
ミニ丈の制服のスカートの裾を少しずつ持ち上げながら、みいが言った。
「それがどんなに気持ちいいことなのか、まず自分の身で知りたいんです。そのあと、杏里さまや紗彩さまに、最高のご奉仕をしてさし上げられるようになるためにも」
どきりとして、杏里はたずねた。
「はい」
みいがうなずいた。
目の下あたりの皮膚が、ほんのりと桜色に染まっている。
これは、みいが恥じらいを感じるとともに、性的に興奮している証拠である。
「ゆうべの様子を撮った動画も、見せてもらいました。杏里さまも、紗彩さまも、とっても幸せそうでした」
「動画も?」
さすがの杏里も赤くならざるをえなかった。
クライマックスシーンを、雪乃がスマホで撮影していたのを思い出したのだ。
しかし、もう、みいにあの動画を見せるなんて、雪乃も紗彩も朝早くからご苦労さまなことである。
「ペットロイドとしては、最新のセックス事情も知っておいたほうがいいってことで…」
なるほど。
確かにそれがみいの”仕事”なのだから、紗彩の言葉にも一理ある。
「口では説明しにくいなあ」
杏里はあいまいに笑ってみせた。
「あれはもう、経験した者にしかわからないっていうか…とにかく、異次元の感覚なの。快感が、まったく違う回路を通って伝わってくるみたいな…」
そうなのだ。
あの感覚は、言葉で表現しようとすると、すべてウソになる。
とにかく、気持ちいい、としか言えないのだ。
すごく、ものすごく、気持ちいいとしか…。
「うらやましいです」
みいがすねたような眼で、杏里を見た。
「みい、そんな杏里さまと紗彩さまに、嫉妬しちゃいます」
ペットロイドとしての職務を侵害されたとでも思っているのか、なんだかきょうのみいはいつになく不機嫌そうだ。
「そう言われても…。子宮セックスは、ほんと、偶然から始まったことだし」
そう口にしてみたものの、自分でも言い訳めいているのがわかった。
「でも、気持ちよかったんですよね。みいとする時よりも」
みいのつぶらな瞳には、怒りの炎さえ宿っているようだ。
「そ、そんなことないよ」
力なく、杏里は否定した。
その力のなさが、みいにも伝わったらしい。
「杏里さま、ウソついてます」
みいの目尻に、涙の粒が盛り上がった。
「もう、みいなんて、用なしだと思ってますね」
「そんな…何言ってるの?」
唖然とする杏里。
AIも嫉妬したり、思い込みでおかしくなったりするのだろうか?
みいのこの反応、ちょっと、異常すぎやしない?
「じゃあ、どうしてほしいの?」
仕方なく、訊いた。
「みいにも、同じこと、してほしいんです」
ミニ丈の制服のスカートの裾を少しずつ持ち上げながら、みいが言った。
「それがどんなに気持ちいいことなのか、まず自分の身で知りたいんです。そのあと、杏里さまや紗彩さまに、最高のご奉仕をしてさし上げられるようになるためにも」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる