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第3話 ずっとあなたとしたかった
#112 性奴隷杏里⑳
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「こちら、『可憐な百合を愛でる会』の皆さん。みんな、若い女の子が大好きなの」
沙彩の紹介を受けて、例の大柄な女性が杏里に花のような笑顔を向けた。
「私は早瀬雪乃。もちろん、独身よ。よろしくね」
露出度の高いドレスから、優にHカップはありそうな乳房が半ばはみ出ている。
見上げるほど背が高く、まさに圧巻のボリュームだ。
見た感じ、どこかの企業の若手女社長といった貫禄である。
「こんばんは。私は沢崎緑子。いつも沙彩にはお世話になってるわ」
続いて右手を差し出したのは、ストレートヘアを背中に流した、モデル体型の美女だった。
化粧映えのする彫りの深い顔立ちと切れ長の眼。
雪乃が女社長なら、こちらは高級クラブのママといった印象である。
「は、はあ、私、笹原杏里って、言います。どこにでもいるような、ただの女子高生です」
どぎまぎしながら杏里がぺこりと頭を下げると、
「そのミラクルボディで『どこにでもいるような』はないでしょ。顔もアイドル並みに可愛いし。ほんと、食べちゃいたいわ」
雪乃が舌なめずりするような口調で言う。
「沙彩から聞いてるわよ。自分の肉体で生け花したり、体を張って探偵したり、卒業式でストリップやったり、色々ご活躍なんですって?」
緑子が、意味深な笑みを口元に浮かべて杏里を見つめてきた。
ネイルで飾り立てた爪で頬を撫でながら、値踏みするように杏里の全身に素早く視線を走らせる。
「ま、お互い、自己紹介はそれくらいにして、杏里ちゃん、おなかすいてるでしょ? のども乾いてるんじゃない? さ、ここに座って、まずはお料理と飲み物をどうぞ」
沙彩のひと言で、みいを先頭にしたメイド服の少女たちが、次から次へと料理の皿とグラスを運んできた。
前菜、仔牛のソティー、湯気の立つおいしそうなスープ、そして焼きたてのパン。
たちまち杏里の腹がぐうと鳴った。
「食事の前に乾杯しましょ。わが、『可憐な百合を愛でる会』の新会員加入を祝して」
雪乃が杏里のグラスにシャンパンをなみなみとついで、言った。
「あのう、新会員って?」
まさかと思って聞いてみると、
「杏里ちゃん、あなたのことに決まってるでしょう?」
緑子がさも当然といった口調で答えた。
「え? そうなんですか?」
杏里はあわてて沙彩のほうを見た。
沙彩は何も言わず、嫣然と微笑んでいるだけだ。
私が、『可憐な百合を愛でる会』の会員?
いったい、どういうことだろう?
そもそも、それってどういう会なの?
ここに集まってるのは、みんなお金持ちの女の人ばかりって気がするんだけど…。
「えーっと、それで、その『可憐な百合を愛でる会』というのは、いったい何なんですか?」
杏里が思い切ってたずねた時、それまで黙っていた沙彩がおもむろに口を開いた。
「『愛でる会』というのはね、その名の通り、女性同士の性愛を深めることを目的としている集まりなの。これまでは私たちアラフォー女子が中心だったのだけど、そろそろ若い血を入れようということになって…。そこで私があなたを推薦したわけ。筋金入りの現役百合女子高生として、杏里ちゃん、あなたをね」
#113 白百合を淫らに愛でる?
色々話しかけられた気がする。
話しかけられながら、体のあちこちを触られたようだ。
が、杏里は婦人たちの問いかけに、自分がどう答えたのか、さっぱり記憶になかった。
乾杯のシャンパンに続き、次々にワインやカクテルを勧められ、すっかり酔っぱらってしまったからである。
ついこの間まで中学生だった杏里に、アルコールへの耐性はゼロに等しかった。
気がつくと、食事の皿は片づけられ、ホールの照明が落ちていた。
オレンジ色の秘密めいた明かりの中で、大勢の女たちが互いに身を寄せ合い、音楽に合わせてチークダンスを踊っている。
しかも、ただダンスに興じているだけではなく、濃厚な口づけを交わし合ったり、胸や腰を愛撫し合ったりと、どうひいき目に見ても雰囲気がただごとではなくなっていた。
うわあ、見ちゃいられない。
そういえば、沙彩さん、言ってたっけ。
これは、女性同士が性愛の絆を深め合う集まりなんだって。
さっきはぼうっとしててよくわかんなかったけど、てことは、この人たち、全員、レズビアン?
やばい。
早くどこか涼しいところで、酔いを醒まさないと。
よろめく足で椅子から立ち上がった時だった。
ふらつく杏里の左腕を付け根の部分で支えると、ねっとりとした口調で雪乃が言った。
「さあ、杏里ちゃん、そろそろ行きましょうか」
「行くって…どこへ、ですか?」
とろんとした目で雪乃を見上げる杏里。
化粧の濃い雪乃の派手な顔が、酔いのせいで二重にぶれて見える。
「決まってるじゃない。シークレットルームよ」
雪乃の真っ赤な唇が淫猥な形に動いて、そんな言葉を紡ぎ出す。
「この家にはね、ゲスト同士が意気投合した時のための、シークレットルームがいくつも用意されてるの」
「は、はあ…」
酔いの回った頭では、意味が今いちよくわからない。
「行きましょ。悪いようにはしないから」
雪乃が杏里を抱きかかえ、歩き出そうとした、その瞬間である。
「雪乃姐さん、抜け駆けはずるいんじゃありませんこと?」
からかうような声とともに、ボディコンドレス姿の緑子が正面に立ち塞がった。
「抜け駆けだなんて、そんな。私はただ、この子があんまり具合悪そうだったから」
おほほほほと雪乃が高笑いする。
手の甲を口にあてる、いかにもセレブのマダム然とした笑い方だった。
「そんなこと言って、まさかみんなのアイドル、杏里ちゃんを独り占めする気じゃあ、ないでしょうねえ」
口調は丁寧だが、緑子の眼は妙に真剣だ。
「緑子さん、あなた、何が言いたいの?」
雪乃の瞳が妖しく光った。
「シークレットルームなら、3P用のお部屋がいいかなと思って」
緑子がにたりと口角を吊り上げる。
「3P…。いい響きね」
雪乃がうなずいた。
「つまり、私とあなたで、杏里ちゃんを…?」
「どうです? いい案じゃありません?」
と、そこに鮮やかな和服姿の美女が割り込んだ。
「あら? 皆さん、何のご相談かしら?」
沙彩だった。
酔いで美しい頬がバラ色に染まっている。
「訂正するわ」
沙彩を横目で見て、緑子がいたずらっぽく舌を出す。
「ここは、3Pじゃなくて、やっぱり4Pで」
沙彩の紹介を受けて、例の大柄な女性が杏里に花のような笑顔を向けた。
「私は早瀬雪乃。もちろん、独身よ。よろしくね」
露出度の高いドレスから、優にHカップはありそうな乳房が半ばはみ出ている。
見上げるほど背が高く、まさに圧巻のボリュームだ。
見た感じ、どこかの企業の若手女社長といった貫禄である。
「こんばんは。私は沢崎緑子。いつも沙彩にはお世話になってるわ」
続いて右手を差し出したのは、ストレートヘアを背中に流した、モデル体型の美女だった。
化粧映えのする彫りの深い顔立ちと切れ長の眼。
雪乃が女社長なら、こちらは高級クラブのママといった印象である。
「は、はあ、私、笹原杏里って、言います。どこにでもいるような、ただの女子高生です」
どぎまぎしながら杏里がぺこりと頭を下げると、
「そのミラクルボディで『どこにでもいるような』はないでしょ。顔もアイドル並みに可愛いし。ほんと、食べちゃいたいわ」
雪乃が舌なめずりするような口調で言う。
「沙彩から聞いてるわよ。自分の肉体で生け花したり、体を張って探偵したり、卒業式でストリップやったり、色々ご活躍なんですって?」
緑子が、意味深な笑みを口元に浮かべて杏里を見つめてきた。
ネイルで飾り立てた爪で頬を撫でながら、値踏みするように杏里の全身に素早く視線を走らせる。
「ま、お互い、自己紹介はそれくらいにして、杏里ちゃん、おなかすいてるでしょ? のども乾いてるんじゃない? さ、ここに座って、まずはお料理と飲み物をどうぞ」
沙彩のひと言で、みいを先頭にしたメイド服の少女たちが、次から次へと料理の皿とグラスを運んできた。
前菜、仔牛のソティー、湯気の立つおいしそうなスープ、そして焼きたてのパン。
たちまち杏里の腹がぐうと鳴った。
「食事の前に乾杯しましょ。わが、『可憐な百合を愛でる会』の新会員加入を祝して」
雪乃が杏里のグラスにシャンパンをなみなみとついで、言った。
「あのう、新会員って?」
まさかと思って聞いてみると、
「杏里ちゃん、あなたのことに決まってるでしょう?」
緑子がさも当然といった口調で答えた。
「え? そうなんですか?」
杏里はあわてて沙彩のほうを見た。
沙彩は何も言わず、嫣然と微笑んでいるだけだ。
私が、『可憐な百合を愛でる会』の会員?
いったい、どういうことだろう?
そもそも、それってどういう会なの?
ここに集まってるのは、みんなお金持ちの女の人ばかりって気がするんだけど…。
「えーっと、それで、その『可憐な百合を愛でる会』というのは、いったい何なんですか?」
杏里が思い切ってたずねた時、それまで黙っていた沙彩がおもむろに口を開いた。
「『愛でる会』というのはね、その名の通り、女性同士の性愛を深めることを目的としている集まりなの。これまでは私たちアラフォー女子が中心だったのだけど、そろそろ若い血を入れようということになって…。そこで私があなたを推薦したわけ。筋金入りの現役百合女子高生として、杏里ちゃん、あなたをね」
#113 白百合を淫らに愛でる?
色々話しかけられた気がする。
話しかけられながら、体のあちこちを触られたようだ。
が、杏里は婦人たちの問いかけに、自分がどう答えたのか、さっぱり記憶になかった。
乾杯のシャンパンに続き、次々にワインやカクテルを勧められ、すっかり酔っぱらってしまったからである。
ついこの間まで中学生だった杏里に、アルコールへの耐性はゼロに等しかった。
気がつくと、食事の皿は片づけられ、ホールの照明が落ちていた。
オレンジ色の秘密めいた明かりの中で、大勢の女たちが互いに身を寄せ合い、音楽に合わせてチークダンスを踊っている。
しかも、ただダンスに興じているだけではなく、濃厚な口づけを交わし合ったり、胸や腰を愛撫し合ったりと、どうひいき目に見ても雰囲気がただごとではなくなっていた。
うわあ、見ちゃいられない。
そういえば、沙彩さん、言ってたっけ。
これは、女性同士が性愛の絆を深め合う集まりなんだって。
さっきはぼうっとしててよくわかんなかったけど、てことは、この人たち、全員、レズビアン?
やばい。
早くどこか涼しいところで、酔いを醒まさないと。
よろめく足で椅子から立ち上がった時だった。
ふらつく杏里の左腕を付け根の部分で支えると、ねっとりとした口調で雪乃が言った。
「さあ、杏里ちゃん、そろそろ行きましょうか」
「行くって…どこへ、ですか?」
とろんとした目で雪乃を見上げる杏里。
化粧の濃い雪乃の派手な顔が、酔いのせいで二重にぶれて見える。
「決まってるじゃない。シークレットルームよ」
雪乃の真っ赤な唇が淫猥な形に動いて、そんな言葉を紡ぎ出す。
「この家にはね、ゲスト同士が意気投合した時のための、シークレットルームがいくつも用意されてるの」
「は、はあ…」
酔いの回った頭では、意味が今いちよくわからない。
「行きましょ。悪いようにはしないから」
雪乃が杏里を抱きかかえ、歩き出そうとした、その瞬間である。
「雪乃姐さん、抜け駆けはずるいんじゃありませんこと?」
からかうような声とともに、ボディコンドレス姿の緑子が正面に立ち塞がった。
「抜け駆けだなんて、そんな。私はただ、この子があんまり具合悪そうだったから」
おほほほほと雪乃が高笑いする。
手の甲を口にあてる、いかにもセレブのマダム然とした笑い方だった。
「そんなこと言って、まさかみんなのアイドル、杏里ちゃんを独り占めする気じゃあ、ないでしょうねえ」
口調は丁寧だが、緑子の眼は妙に真剣だ。
「緑子さん、あなた、何が言いたいの?」
雪乃の瞳が妖しく光った。
「シークレットルームなら、3P用のお部屋がいいかなと思って」
緑子がにたりと口角を吊り上げる。
「3P…。いい響きね」
雪乃がうなずいた。
「つまり、私とあなたで、杏里ちゃんを…?」
「どうです? いい案じゃありません?」
と、そこに鮮やかな和服姿の美女が割り込んだ。
「あら? 皆さん、何のご相談かしら?」
沙彩だった。
酔いで美しい頬がバラ色に染まっている。
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