そんなお口で舐められたら💛

戸影絵麻

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第3話 ずっとあなたとしたかった

#111 性奴隷杏里⑲

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 沙彩の家は、杏里の家の近くにあった。
 マンションのほうではなく、後見人の小田切が住む、いわゆる実家のほうである。
 こんもりとした森の向こうに丘が続いているのだが、その高台の上に瀟洒な新築の住宅が建っているのだ。
 初めて訪れる沙彩の家は、予想以上に大きかった。
 大理石の門柱のインターホンを鳴らすと、すぐにみいの声がして、門扉が自動で内側に開いた。
 建物の右手の駐車場に、見るからに高級そうな外車が何台も停まっているのを見て、杏里は妙な胸騒ぎを覚えた。
 何かしら?
 パーティでもやってるの?
 一応、お風呂に入り、服も着替えてきた。
 ただ、着替えたといっても、何を着ていけばいいのかわからないので、新しい制服を着てきただけである。
 車寄せの道を歩き出すと、ずっと先の玄関の扉が開いて、中からみいが姿を現した。
 紺のビロード地に白いフリルのついたメイド服。
 足には白い網タイツ、頭には可愛らしいカチューシャをつけている。
「どうしたの? 急に呼び出したりして」
 声をひそめてそうたずねると、みいがいたずらっぽい眼で杏里を見上げた。
「沙彩様のお友だちが何人かいらっしゃってるんですけど、皆さん、杏里様に会いたいっておっしゃるんです」
「私に? どういうこと? 私、そんな有名人でもないし」
 びっくりして目を見開く杏里に、くすくす笑いながらみいが言う。
「ところがそうでもないのですよ。沙彩さまの周りでは、杏里さまはかなりの有名人なのです」
「変なの」
 面と向かって話したことは少ないものの、確かに沙彩はみいを通して杏里に色々な便宜を図ってくれる。
 去年の夏休みの旅行の時もそうだったし、今のマンションの件でもお世話になった。
「大丈夫そうですね」
 ふと気がつくと、みいがかわいい鼻をひくつかせて、杏里の首筋の匂いを嗅いでいた。
「何してるの?」
「杏里さまがちゃんとお風呂に入ってきたかどうか、確認したのです。だって、またいろいろ大変な目にお遭いになったのでしょう?」
「まあね」
 杏里は顔をしかめた。
 体育館での集団凌辱に続き、駅長室での強姦。
 思い出すだけで、腹が立ってくる。
 そんな状況で感じてしまった自分に対してだ。
「その話はまたあとで」
 みいに続いて中に入り、更にもうひとつ正面の扉をくぐると、そこは煌々とシャンデリアに照らされた広いホールだった。
 豪奢なパーティドレスに身を包んだ婦人たちが、ところどころに置かれたテーブルを囲んで談笑している。
 みんな片手にワイングラスを持ち、頬をバラ色に上気させていた。
 ドレスはみな胸元が大きく開き、豊かな胸の谷間を強調している。
 男性の姿はなく、濃厚な化粧と香水、そして女の匂いが空気の中に満ちていた。
「すごい…まるで映画みたい…」
 ぼうっと見とれていると、婦人たちの間を縫うようにして、和服の女性が姿を現した。
「ああら、杏里ちゃん、お久しぶりね」
 沙彩である。
 日本人形のように美しい顔に、しっとりした色合いの着物がよく似合っている。
「こ、こんばんは」
 あわてて杏里は頭を下げた。
 胸の鼓動が一気に高まるのがわかった。
 大人の女性の色香で息が詰まりそうだ。
「きょうは、また、どうして私なんかに…?」
 しどろもどろになる杏里に、沙彩が嫣然と微笑んだ。
「みいから聞いてるわ。最近、色々大変なんですってね。だから、あなたにも少し気晴らしが必要だろうと思って」
 気晴らし?
 これが?
「わあ、かわいい!」
 と、いきなり嬌声が飛んできた。
「その子がうわさの杏里ちゃん?」
 婦人たちが杏里の存在に気づいたのだ。
「すてきな子ね」
 とりわけ体格のいいひとりが、意味ありげに目配せして、言った。
「ほんとに。さあ、みんなでたっぷり可愛がってあげましょう!」

 

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