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第3話 ずっとあなたとしたかった
#108 性奴隷杏里⑯
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幸いなことに、最近の地下鉄には女性専用車両がある。
だから、地下鉄に乗っているうちはまだよかった。
問題は、エスカレーターや階段である。
ノーブラ、ノーパンでエスカレーターに乗るのは、かなりスリリングな体験だった。
近所の大学が試験日にでもあたっているのか、駅のホームは大学生たちでいっぱいだ。
地下鉄を降りて杏里がエスカレーターへと歩き出すと、さっそく周りの学生たちがざわつき始めた。
―おい、見ろよ、あのJK。雰囲気、めっちゃエロいんですけどー
―ムチムチで超可愛いじゃん! まさに俺好み!-
―んとだ。乳でけえー
―しかも、あれ、ブラしてないぜー
―え? マジかよー
―スカートも超短いし、あれなら絶対パンツ見えるってー
後ろから、男子学生たちがぞろぞろとついてきた。
エスカレーターは前が人で詰まっているから、逃げるわけにもいかない。
学生たちは杏里の真後ろに鈴なりになり、めいめいスマホを構えている。
堂々と盗撮するつもりなのだ。
―げ、こいつ、パンツ、穿いてねえ!―
かがみこんで杏里のスカートの中を覗き込んだひとりが、驚きの声を上げた。
―ちょ、ちょい、俺にも見せろや―
―どけ、邪魔だ、どけっつーの!―
小競り合いが始まったかと思うと、
―わっ!―
ひとりが足を滑らせた。
ガタガタと音がして、エスカレーターが緊急停止した。
「大丈夫ですか?」
上と下から駅の係員が駆けつけてくる。
今のうちに!
途中で止まったエスカレーターを駆け上がり、改札へ飛び込もうとした時だった。
「待ちなさい」
男の声とともに、右手首をつかまれた。
「え?」
驚いて振り向くと、中年の駅員が立っていた。
「見てましたよ。今の事故、お嬢ちゃんのせいだよねえ」
脂ぎった顔の、ぶよぶよ太った男である。
気のせいか、吐く息に杏里の嫌いなアルコールの匂いが混じっている。
「困るんだよねえ。そういう格好して、エスカレーターに乗られちゃあ」
マイクロミニ丈のスカートから出た杏里のむちっとした太腿をねめ回し、いやらしい口調でそう言った。
「後ろに乗る男にとっちゃあ、目の毒ってもんだよ。それにお嬢ちゃん、さっき聞こえてきたんだけど、あんた、パンツ、穿いてないんだってねえ。そりゃあ、足を滑らせて落っこちる若者が出てもおかしくないさね」
「あ、あの、わ、私に何か用ですか?」
へどもどして杏里が訊くと、駅員がにたあっと笑った。
「ちょっと、駅長室に来てもらおうかと思ってねえ。そこでじっくり話をしようや。お嬢ちゃん、そういうの、趣味なんでしょ?」
「そ、そういうのって?」
杏里は気色ばんだ。
嫌な予感がした。
「ほら、その、ノーブラ、ノーパンで外を出歩いたりするの…。かわいい顔して、痴女なのかなあ? 時々、いるんだよねえ。そういう、天使と悪魔が合体したみたいな女の子」
「いやです。冗談はやめて! 放してください。私、帰ります!」
手を振りほどこうと、杏里は身をよじった。
だが、男は本気のようだった。
ふいに真顔になると、酒臭い息を吹きかけてこう言ったのだ。
「それが、だめなんだなあ。あたしゃ、ここの駅長なんでねえ。この駅ではさ、駅長命令には、誰も逆らっちゃいけないんだよ」
だから、地下鉄に乗っているうちはまだよかった。
問題は、エスカレーターや階段である。
ノーブラ、ノーパンでエスカレーターに乗るのは、かなりスリリングな体験だった。
近所の大学が試験日にでもあたっているのか、駅のホームは大学生たちでいっぱいだ。
地下鉄を降りて杏里がエスカレーターへと歩き出すと、さっそく周りの学生たちがざわつき始めた。
―おい、見ろよ、あのJK。雰囲気、めっちゃエロいんですけどー
―ムチムチで超可愛いじゃん! まさに俺好み!-
―んとだ。乳でけえー
―しかも、あれ、ブラしてないぜー
―え? マジかよー
―スカートも超短いし、あれなら絶対パンツ見えるってー
後ろから、男子学生たちがぞろぞろとついてきた。
エスカレーターは前が人で詰まっているから、逃げるわけにもいかない。
学生たちは杏里の真後ろに鈴なりになり、めいめいスマホを構えている。
堂々と盗撮するつもりなのだ。
―げ、こいつ、パンツ、穿いてねえ!―
かがみこんで杏里のスカートの中を覗き込んだひとりが、驚きの声を上げた。
―ちょ、ちょい、俺にも見せろや―
―どけ、邪魔だ、どけっつーの!―
小競り合いが始まったかと思うと、
―わっ!―
ひとりが足を滑らせた。
ガタガタと音がして、エスカレーターが緊急停止した。
「大丈夫ですか?」
上と下から駅の係員が駆けつけてくる。
今のうちに!
途中で止まったエスカレーターを駆け上がり、改札へ飛び込もうとした時だった。
「待ちなさい」
男の声とともに、右手首をつかまれた。
「え?」
驚いて振り向くと、中年の駅員が立っていた。
「見てましたよ。今の事故、お嬢ちゃんのせいだよねえ」
脂ぎった顔の、ぶよぶよ太った男である。
気のせいか、吐く息に杏里の嫌いなアルコールの匂いが混じっている。
「困るんだよねえ。そういう格好して、エスカレーターに乗られちゃあ」
マイクロミニ丈のスカートから出た杏里のむちっとした太腿をねめ回し、いやらしい口調でそう言った。
「後ろに乗る男にとっちゃあ、目の毒ってもんだよ。それにお嬢ちゃん、さっき聞こえてきたんだけど、あんた、パンツ、穿いてないんだってねえ。そりゃあ、足を滑らせて落っこちる若者が出てもおかしくないさね」
「あ、あの、わ、私に何か用ですか?」
へどもどして杏里が訊くと、駅員がにたあっと笑った。
「ちょっと、駅長室に来てもらおうかと思ってねえ。そこでじっくり話をしようや。お嬢ちゃん、そういうの、趣味なんでしょ?」
「そ、そういうのって?」
杏里は気色ばんだ。
嫌な予感がした。
「ほら、その、ノーブラ、ノーパンで外を出歩いたりするの…。かわいい顔して、痴女なのかなあ? 時々、いるんだよねえ。そういう、天使と悪魔が合体したみたいな女の子」
「いやです。冗談はやめて! 放してください。私、帰ります!」
手を振りほどこうと、杏里は身をよじった。
だが、男は本気のようだった。
ふいに真顔になると、酒臭い息を吹きかけてこう言ったのだ。
「それが、だめなんだなあ。あたしゃ、ここの駅長なんでねえ。この駅ではさ、駅長命令には、誰も逆らっちゃいけないんだよ」
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