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第3話 ずっとあなたとしたかった

#92 調教同盟⑳

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 風呂から上がると、部屋の真ん中でみいが待ちかまえていた。
「本当に、どうしたもんですかねえ」
 しかつめらしく眉をひそめ、桜色に上気した杏里の裸身を見た。
 みいはなぜかビキニの水着に着替えている。
 白地に水色の水玉模様の、腰の回りにパレオのついた可愛らしいビキニスタイルだ。
 それに対して、杏里は極小パンティ一枚の姿である。
 杏里が穿いているのは、両サイドがひも状になった、秘所を隠すのがせいいっぱいの超絶セクシー下着だった。
「だって、そんなこと言ったって」
 ふくよかな胸を手ブラで隠しながら、頬をふくらませて杏里は抗議した。
「ただでさえローターで感じてるところに、那智先生の野性的な愛撫でしょ? あれじゃだれだって」
「ノンノンノンノン」
 みいが顔の前でメトロノームのように人差し指を振った。
「それはただ、杏里さまの修業が足りないだけです。そこでですね、みい、ちょっと思いついちゃったんですけど」
 いいよ。余計なこと、思いつかなくても。
 杏里は心の中でため息をついた。
 どうせ、ろくなことじゃないに決まってんだから。
「要は、明日、学校に行く前に、杏里さまが枯れちゃえばいいんじゃないでしょうか? それこそ、何をされても感じないくらい」
 しれっとした顔で、みいが言う。
「え? 枯れる? 何それ? どういうこと?」
 わけがわからず聞き返すと、みいが天井を指差した。
「杏里さまがお風呂に入っている間に、色々準備をしておきました」
 みいの指先を目で追った杏里は、
「う」
 思わず、喉の奥でうめき声を上げていた。
 いつのまにやら、天井にフックが取りつけられている。
 なんだか嫌な予感がした。
 みいったら、あんなもので、何を始めるつもりなのだろう。
「後は、これとこれ」
 テーブルの上に、ポーチから取り出した道具を並べ始めるみい。
 ひとつは、テグスみたいな細い糸の束。
 もうひとつは、黒人のペニスでも模したのかと思われるほど、凶悪な形とサイズのバイブレーターである。
 杏里は呆れた。
 この子のポーチ、どうしてこんなものばっかり入ってるわけ?
「では、始めましょうか」
 すっとみいが立った。
 ベッドの上によじ登り、器用にジャンプすると、輪になったテグスの先を天井のフックにひっかけた。
 もう1本も同じようにひっかけて2本にすると、フックの強度を確かめるようにクイクイ引っ張った。
「これでよし、と」
 糸を手に持ったまま、すたすたと杏里に歩み寄る。
「さあ、手をどけてくださいな」
 胸を隠した杏里の手を引き下ろすと、輪にしたテグスの先を乳首に近づけてきた。
「な、何するの?」
 後ろに下がろうとした杏里の背中が、柱にぶつかった。
「吊るすのです」
 にんまり微笑んで、みいが言った。
「乳首を縛ったこの糸で、杏里さまを天井から」


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