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第3話 ずっとあなたとしたかった
#91 調教同盟⑲
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那智が電子ロックを解除したらしい。
いきなり車の外に放り出され、さすがの杏里も目が覚めた。
「いたっ!」
コンクリートの上を転がって、ふと顔を上げると、信じがたい光景が視界に飛び込んできた。
4つのタイヤを上にしてひっくり返った赤い車の腹の上に、メイド服姿の少女が立っている。
ツインテールの髪を肩の上で弾ませているのは、間違いなく、みいである。
これ、みいがやったの?
呆れるほかなかった。
いくら力持ちだとはいえ、こんなに大きな車をひとりでひっくり返しちゃうだなんて…。
車の自重で歪んでしまったドアの陰から、那智が這い出してきた。
上半身裸で、胸に大きな果実のような乳房を垂らしている。
杏里を舐め回したせいで、ルージュがはげて歌舞伎役者みたいなメイクになっている。
「おまえ、笹原のラブドールだね? たかが人形のくせに、よくも!」
みいを見上げるなり、地鳴りのような声で、吠えた。
「あなたこそ、何なんですか! 教え子を車の中に連れ込んで! こんなの立派なセクハラじゃないですか!」
みいも負けてはいない。
そう言い返すと、ふわりと車の上から飛び降りた。
「セクハラ? ふっ、馬鹿な。それは、男性教師と女生徒、男性教師と男子生徒、女性教師と男子生徒の場合にしか当てはまらないんだよ。私と笹原は、女と女。だからこれはセクハラなんかではない。それに、私はただ、不良たちに絡まれてショックを受けていた笹原を介抱していたまでのこと。それより、おまえじゃないのか? 笹原の身体に大人の玩具を貼りつけて外を歩かせたのは? ごまかしてもだめだぞ。笹原は、乳首とおま〇こに小型ローターを取りつけられていた。私が襲うもなにも、初めからアヘアへ状態だったんだよ」
「そ、それは…」
今度はみいがやりこめられる番だった。
「杏里さまは、その、秘密の特訓の最中だったんです」
「秘密の特訓だって? ローターをつけて外を歩き回らせるのが、何の得になるっていうの? エロ動画の撮影じゃあるまいし」
「秘密ですから、それ以上は言えません」
「ふん。おまえ、人形のくせに、とんでもない変態みたいだね。そんなド変態に、可愛い生徒を預けてなんておけないわ」
ふたりはすでに一触即発の状態である。
どこからか野次馬が集まってきて、周囲に人垣ができ始めていた。
杏里は野次馬たちがふたりに気を取られているうちに、散らばっているタンクトップとショートパンツを手早く身につけた。
ショートパンツは股のところがぐっしょり湿っていたけど、この際我慢することにした。
「みい、行くよ! 早くしないと、警察呼ばれちゃうよ!」
ママチャリにまたがると、みいの後ろに乗りつけて、そう叫んだ。
「はあい」
みいが振り返って、肩をすくめた。
「ちょっと待っててくださいね」
そしてつかつか車に歩み寄ると、右手一本で車体を持ち上げ、
どしん。
軽々と元に戻してしまった。
おお!
野次馬の間から、歓声が上がる。
「私が漕ぎますから、杏里さまは後ろに」
みいがママチャリにまたがると、杏里は荷台に腰を下ろし、その細くくびれた腰に腕を回して抱きついた。
「今に見てろ。この変態人形め!」
那智が叫ぶと同時に、みいがペダルに足を下ろした。
ぐわん!
尻を叩かれたサラブレッドよろしく、ママチャリがダッシュした。
駐車場から車道に飛び出すと、猛スピードで走り出す。
次々に車を追い抜きながら、悔しそうにみいがぼやいた。
「まったくもう、なんですかあ、あの女は。おかげでアイス、溶けちゃったじゃないですかあ」
いきなり車の外に放り出され、さすがの杏里も目が覚めた。
「いたっ!」
コンクリートの上を転がって、ふと顔を上げると、信じがたい光景が視界に飛び込んできた。
4つのタイヤを上にしてひっくり返った赤い車の腹の上に、メイド服姿の少女が立っている。
ツインテールの髪を肩の上で弾ませているのは、間違いなく、みいである。
これ、みいがやったの?
呆れるほかなかった。
いくら力持ちだとはいえ、こんなに大きな車をひとりでひっくり返しちゃうだなんて…。
車の自重で歪んでしまったドアの陰から、那智が這い出してきた。
上半身裸で、胸に大きな果実のような乳房を垂らしている。
杏里を舐め回したせいで、ルージュがはげて歌舞伎役者みたいなメイクになっている。
「おまえ、笹原のラブドールだね? たかが人形のくせに、よくも!」
みいを見上げるなり、地鳴りのような声で、吠えた。
「あなたこそ、何なんですか! 教え子を車の中に連れ込んで! こんなの立派なセクハラじゃないですか!」
みいも負けてはいない。
そう言い返すと、ふわりと車の上から飛び降りた。
「セクハラ? ふっ、馬鹿な。それは、男性教師と女生徒、男性教師と男子生徒、女性教師と男子生徒の場合にしか当てはまらないんだよ。私と笹原は、女と女。だからこれはセクハラなんかではない。それに、私はただ、不良たちに絡まれてショックを受けていた笹原を介抱していたまでのこと。それより、おまえじゃないのか? 笹原の身体に大人の玩具を貼りつけて外を歩かせたのは? ごまかしてもだめだぞ。笹原は、乳首とおま〇こに小型ローターを取りつけられていた。私が襲うもなにも、初めからアヘアへ状態だったんだよ」
「そ、それは…」
今度はみいがやりこめられる番だった。
「杏里さまは、その、秘密の特訓の最中だったんです」
「秘密の特訓だって? ローターをつけて外を歩き回らせるのが、何の得になるっていうの? エロ動画の撮影じゃあるまいし」
「秘密ですから、それ以上は言えません」
「ふん。おまえ、人形のくせに、とんでもない変態みたいだね。そんなド変態に、可愛い生徒を預けてなんておけないわ」
ふたりはすでに一触即発の状態である。
どこからか野次馬が集まってきて、周囲に人垣ができ始めていた。
杏里は野次馬たちがふたりに気を取られているうちに、散らばっているタンクトップとショートパンツを手早く身につけた。
ショートパンツは股のところがぐっしょり湿っていたけど、この際我慢することにした。
「みい、行くよ! 早くしないと、警察呼ばれちゃうよ!」
ママチャリにまたがると、みいの後ろに乗りつけて、そう叫んだ。
「はあい」
みいが振り返って、肩をすくめた。
「ちょっと待っててくださいね」
そしてつかつか車に歩み寄ると、右手一本で車体を持ち上げ、
どしん。
軽々と元に戻してしまった。
おお!
野次馬の間から、歓声が上がる。
「私が漕ぎますから、杏里さまは後ろに」
みいがママチャリにまたがると、杏里は荷台に腰を下ろし、その細くくびれた腰に腕を回して抱きついた。
「今に見てろ。この変態人形め!」
那智が叫ぶと同時に、みいがペダルに足を下ろした。
ぐわん!
尻を叩かれたサラブレッドよろしく、ママチャリがダッシュした。
駐車場から車道に飛び出すと、猛スピードで走り出す。
次々に車を追い抜きながら、悔しそうにみいがぼやいた。
「まったくもう、なんですかあ、あの女は。おかげでアイス、溶けちゃったじゃないですかあ」
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