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第3話 ずっとあなたとしたかった
#56 忍び寄る魔手⑭
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部屋に入ると、服も下着も脱ぎ捨ててシャワーを浴びた。
その間に湯船にお湯を溜め、8分目まで入ったところで身を沈め、中で体の隅々まで丹念に洗った。
犬の唾液を残らず荒い流したと思われる頃、風呂から上がり、ふかふかのバスタオルで全身を拭いた。
パンティ1枚の上に、ざっくりしたトレーナーをかぶり、キッチンに立つ。
お湯を沸かしている間も、トレーナーのざらざらした裏地に乳首がこすれて、変な気持ちになってくるのを抑えきれなかった。
昼間、那智に躰をいいように弄ばれて乱れに乱れた挙句、今度は土佐犬の竜馬にまで…。
その記憶が肌に染み込んでしまったのか、乳首と股間の疼きが止まらないのだ。
夕食はカップラーメンで済ませることにした。
しばらくテレビのバラエティ番組を眺めてぼうっとしていたが、どうにも落ち着かない。
気がつくと、ベッドに寝転んで、スマホをいじっていた。
LINE通話でかけた相手は、紗彩の家にいるはずのみいである。
時間は夜の9時を過ぎているから、みいもペットのお仕事で忙しいかも。
なんせみいは、そもそも紗彩のセクサロイドとして設計された身なのである。
出張の多い夫の代わりに自身を慰めるために、夫の経営する会社に紗彩が発注してつくらせたのだ。
この時間だと、そろそろご奉仕タイムに入ってるかもしれないなあ。
そんなことを考えていると、むらむらと嫉妬心が込み上げてきた。
ああ、どうしてみいじゃないんだろう。
私の相手、どうしてあんなおばさんや、犬なんだろう?
悔し涙が込み上げてきた時である。
発信音が途切れて、
『もしもし、杏里さま?』
予想に反し、いきなりみいの鈴を振るような声が、杏里の耳元で響いた。
『あ、みい…』
一瞬、杏里は絶句した。
まさかみいが電話に出てくれるとは、思ってもみなかったのだ。
『どうしたんですか? こんな時間に? また何かあったんですか?』
みいが、気づかわしげな口調で訊いてくる。
『ごめん…。今、電話、大丈夫なの? そ、その、紗彩さんは?』
『紗彩さまは今朝から旦那様とご旅行です。週末までお帰りにならないので、みいがお留守番してるところです』
みいの声は、気のせいか喜びに弾んでいるように聞こえる。
杏里はうれしくなると同時に、嫉妬の反動で、みいをいじめてやりたくなった。
『あのね、みい、聞いてくれる?』
声をひそめて、話し出した。
『私、きょう、大変な目に遭っちゃったんだ』
『大変なめって?』
『学校で、担任の先生に呼び出されて、裸にされて…』
『え?』
みいが息を呑む気配が伝わってきた。
『それで、あちこち、揉まれたり、触られたりしてるうちに…』
『ま、まさか、杏里さま」
みいの声が裏返った。
『うん…。実はそのまさかなの。私さ、最近、欲求不満なのかも。なんだかすごく感じちゃって』
『そ、そんなあ!』
みいが泣きそうな声を上げた。
『ま、まさか、その、最後まで許しちゃったなんてこと、ないですよね?』
『それは大丈夫、だって、相手は女の人だから。でもね、その人、私をセフレにするって言ってるの』
『ええっ? 杏里さまには、みいがいるのに?』
みいがすすり泣く。
『ごめんね。でも、本当に気持ちよくて…。私、乳首責められるの、弱いでしょ? そこを集中的に…』
『ひどい、ひどいです、杏里さま。それくらいのこと、いつもみいだってしてあげてるのに!』
『それがね、大人の女の人って、乱暴な上に繊細でさ…。私、もう、テーブルの上でぴくぴく痙攣しちゃって』
『いや、もう、聴きたくない』
『それだけじゃないんだよ。その後、授業後、友だちの家に行ったんだけど、そこでね、何が起こったと思う?』
『な、なんですか…?』
みいがおそるおそるといった感じでたずねてきた。
『信じられないかもしれないけど、その家、大きな雄の土佐犬を飼っててね。その犬が私を…』
『犬、ですか?』
今度はみいが絶句する番だった。
『うん。たくましい雄犬だよ。私、服も下着もビリビリに破られて、身体じゅう舐め舐めされて、挙句の果ては、あそことお尻の穴を…』
『いやあっ!』
みいが叫んだ。
『そ、そんなこと言う杏里さま、大きらいです!』
『だって、しょうがないじゃない。感じちゃったんだもん』
わざとふてくされたように、杏里は言った。
『みいこそ紗彩さんにいつもしてもらったりしてあげたりしてるくせに。おあいこだよ』
『そ、そんなあ…。だってこれは、みいのお仕事だから…』
『わかってる。別に責めてるわけじゃないの。ただ、嫉妬してるだけ』
『嫉妬、ですか?』
『そう、嫉妬。だから私、誰とでもすぐ寝ちゃうのかも。たとえ相手が犬でもね』
『ああ…それがみいのせいなら、みいはいったい、どうすれば…?』
かかったな。
杏里は心の中でにんまり笑った。
『じゃ、私のお願い、ひとつ聞いてくれる?』
『は、はい、なんでも』
『このままじゃ、眠れないから、言葉で私をイかせてほしいの』
『言葉…で?』
『そう。テレフォンセックス。ふたりでいやらしいこと言い合いながら、電話口で一緒にオナニーするの。どう、名案でしょう?』
その間に湯船にお湯を溜め、8分目まで入ったところで身を沈め、中で体の隅々まで丹念に洗った。
犬の唾液を残らず荒い流したと思われる頃、風呂から上がり、ふかふかのバスタオルで全身を拭いた。
パンティ1枚の上に、ざっくりしたトレーナーをかぶり、キッチンに立つ。
お湯を沸かしている間も、トレーナーのざらざらした裏地に乳首がこすれて、変な気持ちになってくるのを抑えきれなかった。
昼間、那智に躰をいいように弄ばれて乱れに乱れた挙句、今度は土佐犬の竜馬にまで…。
その記憶が肌に染み込んでしまったのか、乳首と股間の疼きが止まらないのだ。
夕食はカップラーメンで済ませることにした。
しばらくテレビのバラエティ番組を眺めてぼうっとしていたが、どうにも落ち着かない。
気がつくと、ベッドに寝転んで、スマホをいじっていた。
LINE通話でかけた相手は、紗彩の家にいるはずのみいである。
時間は夜の9時を過ぎているから、みいもペットのお仕事で忙しいかも。
なんせみいは、そもそも紗彩のセクサロイドとして設計された身なのである。
出張の多い夫の代わりに自身を慰めるために、夫の経営する会社に紗彩が発注してつくらせたのだ。
この時間だと、そろそろご奉仕タイムに入ってるかもしれないなあ。
そんなことを考えていると、むらむらと嫉妬心が込み上げてきた。
ああ、どうしてみいじゃないんだろう。
私の相手、どうしてあんなおばさんや、犬なんだろう?
悔し涙が込み上げてきた時である。
発信音が途切れて、
『もしもし、杏里さま?』
予想に反し、いきなりみいの鈴を振るような声が、杏里の耳元で響いた。
『あ、みい…』
一瞬、杏里は絶句した。
まさかみいが電話に出てくれるとは、思ってもみなかったのだ。
『どうしたんですか? こんな時間に? また何かあったんですか?』
みいが、気づかわしげな口調で訊いてくる。
『ごめん…。今、電話、大丈夫なの? そ、その、紗彩さんは?』
『紗彩さまは今朝から旦那様とご旅行です。週末までお帰りにならないので、みいがお留守番してるところです』
みいの声は、気のせいか喜びに弾んでいるように聞こえる。
杏里はうれしくなると同時に、嫉妬の反動で、みいをいじめてやりたくなった。
『あのね、みい、聞いてくれる?』
声をひそめて、話し出した。
『私、きょう、大変な目に遭っちゃったんだ』
『大変なめって?』
『学校で、担任の先生に呼び出されて、裸にされて…』
『え?』
みいが息を呑む気配が伝わってきた。
『それで、あちこち、揉まれたり、触られたりしてるうちに…』
『ま、まさか、杏里さま」
みいの声が裏返った。
『うん…。実はそのまさかなの。私さ、最近、欲求不満なのかも。なんだかすごく感じちゃって』
『そ、そんなあ!』
みいが泣きそうな声を上げた。
『ま、まさか、その、最後まで許しちゃったなんてこと、ないですよね?』
『それは大丈夫、だって、相手は女の人だから。でもね、その人、私をセフレにするって言ってるの』
『ええっ? 杏里さまには、みいがいるのに?』
みいがすすり泣く。
『ごめんね。でも、本当に気持ちよくて…。私、乳首責められるの、弱いでしょ? そこを集中的に…』
『ひどい、ひどいです、杏里さま。それくらいのこと、いつもみいだってしてあげてるのに!』
『それがね、大人の女の人って、乱暴な上に繊細でさ…。私、もう、テーブルの上でぴくぴく痙攣しちゃって』
『いや、もう、聴きたくない』
『それだけじゃないんだよ。その後、授業後、友だちの家に行ったんだけど、そこでね、何が起こったと思う?』
『な、なんですか…?』
みいがおそるおそるといった感じでたずねてきた。
『信じられないかもしれないけど、その家、大きな雄の土佐犬を飼っててね。その犬が私を…』
『犬、ですか?』
今度はみいが絶句する番だった。
『うん。たくましい雄犬だよ。私、服も下着もビリビリに破られて、身体じゅう舐め舐めされて、挙句の果ては、あそことお尻の穴を…』
『いやあっ!』
みいが叫んだ。
『そ、そんなこと言う杏里さま、大きらいです!』
『だって、しょうがないじゃない。感じちゃったんだもん』
わざとふてくされたように、杏里は言った。
『みいこそ紗彩さんにいつもしてもらったりしてあげたりしてるくせに。おあいこだよ』
『そ、そんなあ…。だってこれは、みいのお仕事だから…』
『わかってる。別に責めてるわけじゃないの。ただ、嫉妬してるだけ』
『嫉妬、ですか?』
『そう、嫉妬。だから私、誰とでもすぐ寝ちゃうのかも。たとえ相手が犬でもね』
『ああ…それがみいのせいなら、みいはいったい、どうすれば…?』
かかったな。
杏里は心の中でにんまり笑った。
『じゃ、私のお願い、ひとつ聞いてくれる?』
『は、はい、なんでも』
『このままじゃ、眠れないから、言葉で私をイかせてほしいの』
『言葉…で?』
『そう。テレフォンセックス。ふたりでいやらしいこと言い合いながら、電話口で一緒にオナニーするの。どう、名案でしょう?』
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