そんなお口で舐められたら💛

第3話 ずっとあなたとしたかった

＃48 忍び寄る魔手⑥

　裸の背中が壁に当たった。
　ごつんと音がするほどの勢いだ。
　それほど那智の行為は乱暴だった。
　両手で杏里の乳房をつかみ、千切らんばかりに揉みしだく。
　那智の手のひらに当たる杏里の乳首は、すでに石のように固く尖っている。
　それを人差し指と中指の股に挟み込み、強く締めつけながら、乳房全体を揉みくちゃにする。
　次第に身体の力が抜けていくのがわかった。
　杏里はパンティ一枚の裸体である。
　場所は職員室の片隅。
　相手は体格のいい担任の中年女教師。
　考えてみれば、これほど現実離れした、アブノーマルなシチュエーションも他にないに違いない。
　その非現実感が、どうやら杏里の嗜虐心に、ひどく火をつけてしまったようだった。
「い、いい…」
　無意識のうちに、そう喘いでしまっていた。
「あ、あなた、好きなの…？　こうされるのが」
　乳房を揉みくちゃにしながら身体を密着させ、杏里の耳元で那智が熱い息を吐く。
「そ…そんな…恥ずかしいこと…き…聞かないで…」
　杏里は切なげに首を振った。
　少しずつ、那智の猛々しさが怖くなってきていた。
　やっぱり、この人だったんだ。
　愉楽にかすむ頭でぼんやりと考えた。
　ポケットにあのメモを入れ、偽のメッセージで私を公園に呼び出したのは…。
　目的は、これ。
　私の身体を狙って…。
　ちょうど、こんなふうに弄ぶために…。
「何を今更」
　那智の鼻息が荒くなった。
「感じてるんでしょ？　はっきり言いなさい！　気持ちいいって！　もっと虐めてほしいって！」
「そんな…」
　膝から下に力が入らない。
　杏里の躰を支えているのは、今や乳房を鷲掴みにした那智の両手だけである。
「言いなさい！　これでもか！　これでも言えないって言うの？」
　やにわに乳首をつねり上げられ、杏里はびくびくと痙攣した。
「あんっ！　だめえ！」
　痺れるような疼きが、身体の芯に湧き上がる。
「ほーら、こんなに硬くして、こんなに伸びちゃって！　これ、いったいどうしたの？　恥ずかしくないの？」
　かさにかかったように、言葉で那智が責めてくる。
「は、恥ずかしい…」
　甘ったるい声で、舌っ足らずに杏里は言った。
「でも、感じてる。そうなんでしょ？　さ、はっきり言いなさい。どうしてほしいの？　ここでやめていいの？」
「ダメ…やめ…ないで」
　杏里の声には哀願するような響きが混じっている。
「もう少し…してください…」
　ああ…。
　口にしてしまってから、恥辱でカッと顔全体が熱く火照った。
　杏里のばか。
　私ったら、なんてことを…。
「してほしいのね？　で、何をしてほしいの？　言わないとやめちゃうよ？　それでもいいの？」
「いや…」
　杏里は、上目遣いにねっとりと那智を見た。
　瞳が欲情でしっとりと濡れている。
「もっと強くして…。お願い、です…。杏里…の…恥ずかしい…勃起乳首を…もっと強く…強く、引っ張って…」