上 下
199 / 475
第3話 ずっとあなたとしたかった

#40 予告レイプ⑬

しおりを挟む
 みいの体の向きを変え、正面を向けると、杏里はじっとその瞳をのぞきこんだ。
 開いた瞳孔の奥で、一瞬、かすかに赤い光が揺らいだ気がしたけれど、まだ充電が十分ではないのか、みいは動かない。
 洗濯物を干すのに使うロープで後ろ手に手首を縛られ、斜め右に首を傾けたままだ。
「みい…」
 その上にゆっくりかがみこむと、杏里は両手でみいの頬を挟み、その色のない唇にそっと口を押し当てた。
 後ろに突き出した尻を、やにわにつかまれた。
 割れ目に硬く熱いものが押し当てられた。
 男がペニスを挿入しようとしているのだ。
「うう」
 思わずうめいてしまったのは、そのペニスが会陰部をたどって、後ろから秘所をこすってきたからだった。
 杏里のそこはすでに濡れそぼち、襞の間からピンクの真珠をのぞかせている。
 その真珠の裏側を亀頭の先で突かれ、つい感じてしまったというわけである。
 みい! 起きて!
 杏里は必死でみいの唇を吸った。
 唇で唇を割り、隙間に舌を潜り込ませると、みいの舌を引きずり出し、口にくわえて舐め回す。
 早く起きて!
 でないと私、レイプされちゃうよ!
 といっても、レイプそのものが怖いわけではない。
 杏里が恐れるのは、自分自身だった。
 レイプ魔に犯されながらもイッテしまう。
 さすがにそんな自分の姿を見るのは嫌なのだ。
 いくらオナニーやセックスが好きだからといって、それじゃ人間、おしまいだろう。
 そう思わずにはいられない。
 だが、その反面、挿入されたら、頭、真っ白になっちゃうよね。
 その可能性も否定できなかった。
 なんせ、身体の感度がよすぎるのだ。
 倫理観なんてすぐ吹っ飛んでしまうほど、いつもびんびんに感じてしまうのである。
 男のペニスは驚くほど長かった。
 会陰部から膣口にかけてを何度もこすられているうちに、杏里は次第にこらえきれなくなってきた。
 男は今や杏里の背にしがみつき、両手を腋の下から乳房に伸ばしてきている。
 またしても巧緻な乳首攻めが始まり、膣周辺部への攻撃と合わせて、杏里を急速に追い込んでいく。
「ああ…もう、だめ」
 いつまでたっても動かないみいから顔を離し、杏里は首をのけぞらせた。
 ダメだと頭の中でもうひとりの自分が警告する。
 でも、抑えきれなかった。
「お願い…入れて」
 尻をねだるように自分から振って、甘ったるい声で哀願した。
 口にしてしまってから、苦い後悔の念が込み上げてきた。
 ああ、杏里の馬鹿。
 これじゃ、敵の思う壺じゃない…。
「オオ、モウオネダリカイ?」
 歓喜にむせぶような口調で、男が耳元でささやいた。
「ショウガナイナ。ジャ、アゲルトシヨウ。君ノ大好キナ、僕ノコノ愛ノ結晶ヲ」
 めりっ。
 膣が軋んだ。
 太く硬いものが入ってくる。
 受け入れるように、尻の位置を動かした。
 襞が蠢き、熱い棒の先を咥え込もうとしたその時。
 ふいに杏里の乳房の下で、赤い光が点った。
 我に返り、目を見開くと、みいの瞳に輝きが戻っていた。
「ふう。よく寝た」
 つぶやきとともに、ぶちっとロープの切れる音がした。
「任せてください。杏里さま」
 コンセントからコードを抜きながら、静かな口調でみいが言った。

 


 

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約者に大切にされない俺の話

BL / 連載中 24h.ポイント:766pt お気に入り:2,421

【完結】誓いの鳥籠

BL / 連載中 24h.ポイント:227pt お気に入り:154

従妹のおすすめの文庫本()

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

少年プリズン

BL / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:169

 ― 縁 ― (enishi)

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

マッチョ兄貴調教

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:603pt お気に入り:60

サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:113pt お気に入り:44

花嫁は叶わぬ恋をする

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:163

処理中です...