そんなお口で舐められたら💛

第3話 ずっとあなたとしたかった

＃37 予告レイプ⑩

　まずいな…。
　むくむくと乳首が勃起し始めるのに気づいて、杏里は青くなった。
　私ったら、マジで感じちゃってる…。
　犯人の愛撫がそれだけ巧みだったせいもある。
　羽毛で撫でるように乳房全体をやさしく揉みながら、時折人差し指で乳首を軽く弾いてくるのだ。
　ぴょこぴょこ弾かれ、杏里の乳首が揺れる。
　片方ずつ、交互にそれをやられるので、刺激に空きがなく、快感が持続するのがポイントだ。
「びんびんニ勃ッテルネ」
　耳元でささやかれた。
　もちろんそれは見ればわかることなのだが、改めて声に出して指摘されると、快感がより募った。
　性感帯は何も触覚だけに依存しているわけではない。
　五感すべて。
　特に杏里の場合、音声によるイメージの喚起も興奮するための大切な要因なのだ。
「あううう…」
　気づくと、甘い声が喉から漏れ出していた。
　レイプ魔の前で、出すべき声ではない。
　よけいに相手の嗜虐心に火をつけてしまうからだ。
　そんなことは、わかりすぎるほどわかっている。
　でも、頭では理解していても、躰のほうが勝手に反応してしまうのだ。
　だって…。
　杏里は目を閉じ、これ以上声を漏らさぬよう、下唇を噛んだ。
　だって私…乳首、弱いんだもの…。
　その気持ちが伝わったわけでもないだろうが、犯人の乳首攻めは執拗を極めた。
　両手の親指と人差し指でつけ根をはさみ、コリコリとねじられた。
　その合間に中指がリズミカルに動き、充血した乳頭を叩いてくる。
「あん…あん…あん、あん」
　全身をがくがく震わせ、食いしばった歯の間から、杏里はうめいた。
「だ、だめ…そ、そんなことしたら…」
「ダメジャナイヨネ？」
　淫靡な含み笑いが耳朶を打った。
「悦ンデルヨネ？　杏里ッタラ」
　犯人の指に、ふいに力が加わった。
　今までの繊細さがうそのように、左右に杏里の乳首を引っ張り始めた。
　痛みは最初の瞬間だけだった。
　それがすぐに激烈な快感に変わり、杏里は無意識のうちに、不自然な姿勢のまま、腰を浮かせていた。
「いやあ、そんなことしたら、と、取れちゃう取れちゃう！」
「ソンナニイイノカイ？　ジャア、、モットシテアゲル。ホーラ、コレデドウ？　杏里ノ乳首、ごむミタイニ伸ビテルヨ」
「や、」やめて…あん、ふう、はあ」
　引っ張りながら、よじってくる。
　乳頭を爪で突き刺され、痛みとも快感ともつかぬ微妙な感触が背筋を突き抜けた。
「濡レテル…」
　感動的なものを発見したかのように、ぽつんと犯人がつぶやいた。
「杏里ノぱんてぃ、グッチョグチョニ濡レチャッテル…。マダ、乳首シカ触ッテナイノニネ…」
「言わないで…」
　杏里は懇願した。
「そんな恥ずかしいこと、言わないで…」
　が、そう口に出すことで、よりいっそう興奮が高まることを、杏里自身が一番よく知っていた。