上 下
176 / 475
第3話 ずっとあなたとしたかった

#17 JKへの道①

しおりを挟む
 その夜、宇津木から電話がかかってきて、念のためにドアのカギを取り替えて、窓には防犯ブザーをつけてくれるというので、それが済むまで実家で過ごすことにした。
 そうして2日が経ち、登校日がやってきた。
 といっても入学式はまだ先で、教材の購入と制服の採寸というのが主な目的である。
 『私立清流院高等学校』と書かれた、赤レンガづくりの正門をくぐると、校内はさまざまな制服を着た生徒たちでいっぱいだった。
 みんな自分の中学校の制服のまま来ているので、まるで藤一感がない。
 体育館で教科書や副教材を一式買いそろえ、リュックに詰めるとかなりの重さだった。
「高校って、こんなに勉強するのかなあ」
 その重さで、すでに不安になる杏里。
 勉強なんて、中学3年間分でも手一杯だったのに。
 たくさん宿題が出たら、どうしよう。
 ま、いざとなったら、みいに頼んで代わりにやってもらうことにしようっと。
 なんたって、あの子の頭は最新式のAI頭脳なんだから…。
 などとやくたいもないことを考えながら、保健室へ向かう。
 女子はそこで制服の採寸をしてもらうことになっているのだ。
 中学の時は、近所に指定の洋服屋さんがあったものだが、私立となるとそうはいかない。
 特にこの清流院高校の制服は、グレーの生地のブレザーに、紺の襟のついた可愛らしいデザインである。
 そのへんの町の洋服屋さんでは、扱っていないのだ。
 自分の番が回ってきて、中へ入ると、係の女性は妙に脂の乗った年増美人だった。
 熟女を絵に描いたような艶めかしさである。
「さ、そこで上着を脱いで…って、あなた、なにその胸は? あたしより大きいじゃない!」
 ちっちゃなブラで押し上げられた釣り鐘型の杏里の巨乳を見るなり、つけまつげバリバリの目を丸くした。
「ほら、ブラジャーも外して、こっちを向いてごらん。もう、いやになっちゃうね、この子ったら…。こんなおっきなおっぱいして。ねえ、あなた、サイズはいくつ?」
「はあ…去年の秋の身体測定では、確か、92センチだったかと…」
 あれから半年以上経つから、もっと成長しているかもしれないと思う。
 クラスメートたちにも、何を食べたらそんなになるのかとしきりに訊かれたものだが、杏里自身、わからない。
「まあっ、あたしでさえ85しかないっていうのに…もう、あんたって子は、末恐ろしいわね」
 メジャーでアンダーバストを測りながらも、女はなぜか鼻息が荒い。
 次にトップバストを図る段になり、いきなり乳首に冷たいメジャーを当てられ、
「きゃうん」
 と杏里は条件反射で叫んでしまった。
「おや、感じてるのかい?」
 とたんに年増女の声音が変わった。
「午前の客は、あんたが最後だから、なんならちょいと遊んでいくかい?」
 採寸を終えると、奥のベッドを顎でしゃくってそんなことを言う。
「あの、制服は…?」
 杏里は戸惑った。
 遊んでいる暇などない。
 この後、校長室にも呼ばれているのである。
「あんたの体に合うサイズなんて、特注に決まってるだろ? できたら宅配便で送ってやるからさ、2、3日待ってなよ。それよりあたしも最近ご無沙汰でうずうずしてるんだ。ちょいとばかり相手してくれたっていいだろう?」
 上半身裸のまま、ベッドに押し倒された。
 杏里の上に馬乗りになり、そそくさと服を脱ぎ出す熟女。
 あーあ、こうならないようにと思って、きょうは大人しい格好、してきたんだけどなあ…。
 女に乳をいいように弄ばれながら、天井を見上げ、半ばあきらめの境地で、杏里はぼんやりとそんなことを思っていた…。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。 一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか? おすすめシチュエーション ・後輩に振り回される先輩 ・先輩が大好きな後輩 続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。 だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。 読んでやってくれると幸いです。 「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195 ※タイトル画像はAI生成です

声劇・シチュボ台本たち

ぐーすか
大衆娯楽
フリー台本たちです。 声劇、ボイスドラマ、シチュエーションボイス、朗読などにご使用ください。 使用許可不要です。(配信、商用、収益化などの際は 作者表記:ぐーすか を添えてください。できれば一報いただけると助かります) 自作発言・過度な改変は許可していません。

わけあって、ちょっとお尻周りがふっくらしているんです。【日常生活でおむつは欠かせません!】

ろむ
大衆娯楽
前代未聞、 おむつ男子の70%ノンフィクションストーリー⁈ "レポート"では無くちょっと変わったリアルな日常の様子をお届け。

【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 風月学園女子寮。 私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…! R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。 おすすめする人 ・百合/GL/ガールズラブが好きな人 ・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人 ・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人 ※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。 ※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

処理中です...