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第3話 ずっとあなたとしたかった

#1 JK杏里誕生

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 久しぶりの地下鉄だった。
 杏里は窓に映る自分の顔に、小さく微笑んでみせた。
 1月末日。
 私立清流院高校の、推薦入試の帰りである。
 杏里の上機嫌には、理由がある。
 思ったよりもずっと、面接がうまくいったのだ。
 この日のためのたゆまぬ練習。
 そして思い切った行動が、功を奏したようだった。
 推薦入試の合否を決めるのは、書類審査と個人面接である。
 学力はないが、杏里は通知表の成績、すなわち内申点は悪くない。
 男性女性問わず、先生受けがいいからだ。
 普通、教師に好まれるのは、よく気が利き、教師に笑顔を振りまく、明るい性格の女子と相場が決まっている。
 が、杏里はかなり異質だった。
 性格ではなく、体で内申点をそろえたようなものだからである。
 もちろん、意図してそうしたわけではなかった。
 特に何もしなくても、向こうから勝手に寄って来るのだ。
 杏里はどちらかというと『来るものは拒まず』だ。
 放課後の音楽室で、体育倉庫で、理科室で、人気のない校舎の裏で、毎日のように誰かに身体を求められた。
 そのため、2、3ヶ月も同じ学校に通っていると、自然、大半の教師と関係を持ってしまうことになる。
 ただ、そのほとんどは1回きり。
 だから、教師たちは次を期待してか、学力にそぐわぬ内申点を毎学期杏里に授けてくれたのだった。

 そして今日の面接試験。
 受験生は面接官の前で、3分間スピーチか特技のどちらかを披露することになっている。
「東雲第一中学から来ました、笹原杏里です」
 中学校で予行演習した通りに礼儀正しく名を名乗り、一礼をしてドアを閉める。
 へその出た、丈の短いぴちぴちのセーラー服。
 歩くだけで下着の見える超マイクロミニのスカート。
 太腿の白さを際立たせるひざ下まである黒いソックス。
 面接官たちの視線は、すでに杏里の肉体に釘付けだ。
「えーと、笹原君。君には特技があるそうだが、何をやってみせてくれるんだね?」
 杏里が椅子に腰かけて、下着が見えるように故意に股を広げてみせると、一番地位の高そうな老面接官が、ほとんど前のめりになって、斜め下からスカートの中をのぞき込むような姿勢で訊いてきた。
 その時杏里は、すかさずこう答えたのである。
「ストリップです」

 面接官3人を前にして、テーブルの上でオリジナルのストリップを演じること20分。
 音楽なしでムードを出せるよう、みいを観客に、自宅で特訓したものだ。
 男たちはいつしか勃起した陰茎を非常口から引っ張り出し、杏里の脱衣に合わせてしごき始めていた。
 生乳房を晒したところで、ほぼ同時に3人が果てた時、杏里は確信した。
 ーたぶん合格ね。それもきっと特待生ー

 ふと我に返ると、地下鉄の中が混んできていた。
 杏里は周囲を刺激しないよう、コートの前を合わせ、ドア近くの手すりにつかまった。
 開いた入り口からどっとばかりに乗客が入ってきて、杏里をドアに押しつけた。
 尻と胸に違和感を感じたのは、地下鉄が走り出してすぐのことである。
 杏里は眉をひそめた。
 痴漢?
 んもう。
 今はそんな気分じゃないのに。






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