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第2話 レズふたり旅
#119 真犯人①
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「けちんぼねえ…。なるほど」
コホンと軽い咳払いで白けた沈黙を破って、清が言った。
「それで…仮にそのダイイングメッセージの解釈が正しいとして、犯人は誰ってことになるのかな?」
「もちろん、この人です」
杏里はむき出しの右腕をまっすぐに伸ばして、人差し指で正面のある人物を指し示してみせた。
その先にあるのは、奇麗に上を向いた美乳である。
杏里のものほど大きくないにせよ、形だけ見れば、負けず劣らず美しい。
「え? あたし?」
長い睫毛に縁どられた目を大きく見開いたのは、麗奈だった。
麗奈は、畳の上に片膝を立てた姿勢で座っている。
もちろん他の4人と同様、全裸である。
「どうしてそうなるのよ?」
「麗奈さん、あなたはかなりのヘビースモーカーであるにもかかわらず、いつも煙草を源太さんにねだってましたね。それどころか、源太さん亡き後の今朝は、清さんにまでねだってた。つまり、このなかで一番の”けちんぼ”、それはあなたしかいないというわけです」
ここぞとばかりに語気を強める杏里。
「なるほどなあ」
そこに、のんびりとした口調で言葉をはさんだのは、清である。
「言われてみれば、麗奈ちゃんって、昔からケチだったよなあ。下着も、汚れるからって、確か3日に一度しか洗濯しないって言ってたもんなあ。パンツなんて、2日目からは裏返して穿くんだろ?」
「ちょ、ちょっと、それとこれとは話が別でしょ? あたしはただ余分なお金を使いたくないだけよ。結婚資金も貯めておかなきゃなんないし。社会に出たら起業して実業家として活躍したいしね」
血相を変えて、麗奈が否定にかかった。
「それをケチっていうんだよ」
と、そこにすかさず清が混ぜ返す。
「だいたい、証拠はあるの? そんな間抜けな推理で犯人にされちゃ、たまんないわよ! 何なのよ、その『陰毛』足す『チンポ』で『ケチンボ』って。幼稚園並みの下ネタじゃない」
麗奈の綺麗に描いた細い眉がキリリとつり上がる。
「でもまあ、源太が下ネタ好きだったってのは、間違いないしね」
清はいつのまにか杏里の肩を持っている。
それはどうやら、杏里の巨乳の存在感と無関係ではないようだ。
胡坐をかいたその股間からは肉色のフランクフルトが元気よくそびえ立ち、それを清は右手でゆっくりとしごいているのだ。
もちろん、視線を杏里の胸に釘付けにしたままである。
「それだけじゃありません」
麗奈の反論は、想定内だった。
杏里はニカっと笑うと、傍らに脱ぎ捨ててあったショートパンツのポケットを探り、あるものを指でつまみ上げた。
「証拠はこれです。これこそが、麗奈さんが犯人であることの、動かぬあかしなのです」
コホンと軽い咳払いで白けた沈黙を破って、清が言った。
「それで…仮にそのダイイングメッセージの解釈が正しいとして、犯人は誰ってことになるのかな?」
「もちろん、この人です」
杏里はむき出しの右腕をまっすぐに伸ばして、人差し指で正面のある人物を指し示してみせた。
その先にあるのは、奇麗に上を向いた美乳である。
杏里のものほど大きくないにせよ、形だけ見れば、負けず劣らず美しい。
「え? あたし?」
長い睫毛に縁どられた目を大きく見開いたのは、麗奈だった。
麗奈は、畳の上に片膝を立てた姿勢で座っている。
もちろん他の4人と同様、全裸である。
「どうしてそうなるのよ?」
「麗奈さん、あなたはかなりのヘビースモーカーであるにもかかわらず、いつも煙草を源太さんにねだってましたね。それどころか、源太さん亡き後の今朝は、清さんにまでねだってた。つまり、このなかで一番の”けちんぼ”、それはあなたしかいないというわけです」
ここぞとばかりに語気を強める杏里。
「なるほどなあ」
そこに、のんびりとした口調で言葉をはさんだのは、清である。
「言われてみれば、麗奈ちゃんって、昔からケチだったよなあ。下着も、汚れるからって、確か3日に一度しか洗濯しないって言ってたもんなあ。パンツなんて、2日目からは裏返して穿くんだろ?」
「ちょ、ちょっと、それとこれとは話が別でしょ? あたしはただ余分なお金を使いたくないだけよ。結婚資金も貯めておかなきゃなんないし。社会に出たら起業して実業家として活躍したいしね」
血相を変えて、麗奈が否定にかかった。
「それをケチっていうんだよ」
と、そこにすかさず清が混ぜ返す。
「だいたい、証拠はあるの? そんな間抜けな推理で犯人にされちゃ、たまんないわよ! 何なのよ、その『陰毛』足す『チンポ』で『ケチンボ』って。幼稚園並みの下ネタじゃない」
麗奈の綺麗に描いた細い眉がキリリとつり上がる。
「でもまあ、源太が下ネタ好きだったってのは、間違いないしね」
清はいつのまにか杏里の肩を持っている。
それはどうやら、杏里の巨乳の存在感と無関係ではないようだ。
胡坐をかいたその股間からは肉色のフランクフルトが元気よくそびえ立ち、それを清は右手でゆっくりとしごいているのだ。
もちろん、視線を杏里の胸に釘付けにしたままである。
「それだけじゃありません」
麗奈の反論は、想定内だった。
杏里はニカっと笑うと、傍らに脱ぎ捨ててあったショートパンツのポケットを探り、あるものを指でつまみ上げた。
「証拠はこれです。これこそが、麗奈さんが犯人であることの、動かぬあかしなのです」
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