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第2話 レズふたり旅

#91 忍び寄る影

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「どっちからにする? やっぱりさっきの続きで、みいちゃんからかな?」
 
 麗奈は背が高く、手足も長い。

 それに比べて細身のみいは、ライオンに睨まれた小鹿のようなものである。

 麗奈の腕でまたたく間に背後から抱きすくめられ、首筋や頬にキスの雨を浴びせかけられた。

「いや、くすぐったい! やめて! やめてください!」

 バタバタ暴れるるみい。

 が、高校時代、運動部で鍛えていたのか、思いのほか、麗奈の膂力は強かった。

 裸のみいを抱きしめたまま、湯船の中をずんずん進んでいく。

「ダメですよ! 麗奈さん、さっき散々いやらしいこと、みいにしたばかりじゃないですか!」

「馬鹿ね、あんなんじゃ、足りないでしょ」

 杏里の抗議もどこ吹く風、軽々とみいを抱きかかえると、脚ですりガラスの引き戸を開け、外に出て行ってしまった。

 奥の引き戸の向こうは岩風呂である。

 急いで後を追うと、麗奈はみいを岩の上に仰向けにし、両手で押さえつけているところだった。

「わあ、可愛い! もう、たまんないわあ! 犯してあげたくなっちゃう!」

 そう言いながら、いきなりみいのつぼみのような乳首をチュウチュウ吸い始めた。

「あん、いやあ、だめえ」

 身体の動きを封じられ、懸命に首を振るみい。

 麗奈は両ひざでみいの両腕を押さえつけ、自由になった手で、さっそくその太腿の間を弄り始めている。

 すぐさま聞こえ出す、ねちょねちょという淫靡な音。

 杏里はカーッと頭に血がのぼるのを感じた。

 みいったら、ほんと、濡れやすいんだから!

「麗奈さん、やめてください! みいを自由にしてあげて! その子はまだバージンなんです。どうしてもというなら、お相手はこの私がしますから!」

 はっきりいって、空腹でそれどころではない。

 が、みいが他の誰かに汚されるのを見るのは嫌だった。

 みいは私のもの。

 みいの花弁は、そのときまで清らかでなければならないのだ。

「なかなか言うわね。杏里ちゃん」

 麗奈がみいの胸から顔を上げた。

 豊かな谷間が汗で光っている。

 紡錘形の乳房が、まるでロケットのように突き出ている。

 獲物を狙う肉食獣の眼が、負けじとそびえる杏里の乳房を捉えた。

「いいいわよお、あなたがそこまで言い張るなら」

 みいを離れ、杏里のほうに向き直る。

 立ち上がると、麗奈のほうが、頭ひとつ分、背が高かった。

 杏里の目と鼻の先に、二丁の拳銃の銃口よろしく、大きな乳輪と尖った乳首が突きつけられる。

「じゃ、まずは舐めて。あなたがどのくらいビッチなのか、この身体で確かめてみたいの」

 望むところだ。

 キング・オブ・ビッチ。

 それがクラスで杏里に奉られたあだ名である。

 手と口で、おもむろに責めにかかった。

 本気になると、杏里の技巧は正直、すごい。

 何げない動作で乳首をもてあそんでいるだけなのに、それが与える快感は爆発的だ。
 
 一本一本の指の動き。

 舌と唇の絶妙なハーモニー。

 陰部まで手を伸ばさなくとも、相手をオーガズムに追い込むことなど簡単だった。

「はうっ! なにこれ! す、すごい! きゃうんっ!」

 麗奈が杏里に乳首をつままれたまま、電撃を食らったオットセイのようにびくんびくんと反り返る。

 わななく太腿を、蜜壺からあふれ出た熱い汁が伝い落ちていく。

「もう、いいですか?」

 うんざりした口調で、杏里は言った。

 もう、限界。

 おなか、空いたよう。

 その時だった。

 突然周囲が昼間のように明るくなったかと思うと、驚くほど近くで、雷鳴がとどろいた。

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