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第2話 レズふたり旅
#84 嵐の山荘⑭
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河原の岩に腰かけ、傷心にふける杏里。
そこに水の中から河童が現れ、いきなり杏里に襲いかかる。
地面に引き倒されたところでいったんカットになって、次は森の中の場面だった。
男3人に担ぎ上げられ、今、杏里は頑丈な木の枝に吊るされている。
パンティ一枚の裸で、両手首をしばられ、宙ぶらりんになっているのだ。
「ちゃんと乳首には、ぼかし入れてくださいね」
草むらからこっちを注視している清たちに念を押すと、河童の着ぐるみを着た源太が近づいてきた。
「心配いらないよ。痛くはしないから」
河童の口の間から顔をのぞかせて、源太がささやいた。
「それより、俺も本気で行くから、杏里ちゃんも、感じたら素直に反応してほしいんだ」
言うなり、いきなり丸出しの乳房にかぶりついてきた。
といっても、かぶりついてきたのは作り物の河童の口のほうで、中の人、源太はといえば、しっかり杏里の乳首を自分の口に含んでいる。
舌先で乳頭をつつかれ、唇で根元からちゅうちゅう吸われると、もういけなかった。
「あ、だめ、そんなことしたら、私」
じたばたし始めた杏里に、源太が下半身を押しつけてくる。
尻をつかまれ、ぎゅっと引き寄せられると、太腿の間に固いものが当たった。
勃起した源太のペニスである。
着ぐるみの上からもそれとわかるほど、熱く固くなっている。
「ひと目見た瞬間から、好きだったんだ」
うわ言のように、河童、いや、源太が言う。
「杏里ちゃん、君は素晴らしい。君は僕の天使だ」
「天使にこんなことして、いいんですか?」
言い返すものの、杏里の声は弱々しい。
源太は今や、下半身を押しつけながら、水かきのある手で杏里の両方の乳房を揉んでいて、それが気持ちよくてならないのだ。
「いいんだよ。美しいものを汚す。これほど興奮することは他にない。だから僕は、君をめちゃくちゃに」
その時だった。
「ちょっと、そこの河童のお兄さん」
妙に場違いな声がした。
顔を上げると、源太の肩越しに、あのメイド姿のみいが立っているのが見えてきた。
「こんなところで、何やってるんですかあ?」
ためらう様子もなく、ぽんぽんと河童の肩を叩く。
「がううっ!」
河童がみいに向き直った。
ヒグマみたいに両手を頭上に掲げ、襲いかかった。
「はっ!」
裂帛の気合とともに、みいの右足が一旋した。
ピンクのパンティが一瞬見えたかと思うと、
ドスッ。
鈍い音を立てて、そのつま先が河童の横腹にめり込んだ。
「や」
「とう」
ひるんだ河童の腹に、続けざまにワンツー・パンチが炸裂する。
「だはっ」
口から血の糸を吐いて、源太が吹っ飛んだ。
どうやら本当に気絶したらしく、地面に横たわったまま、ぴくりとも動かない。
「また会いましたね」
何事もなかったかのように杏里の前に立つと、みいが言った。
「ほんとにしょうがない人だこと。馬だけじゃなく、今度は河童にまで襲われて」
「助けてくれて、ありがとう」
言いながら、心の底では、杏里は若干不満である。
けっこう、そそるシチュエーションだったのに。
みいったら、出てくるの、早すぎだよ。
「いいえ、どういたしまして。私、世の中の不正は許しておけないたちでして。たとえ相手が、動物や妖怪でも」
「でも、私のこと、嫌いじゃなかったんですか?」
「好き嫌いと、正義の力の行使は別ですから」
「じゃあ、まだ、嫌いなんですね」
しゃくりあげ始める杏里。
「さあ、どうかしら。あなた、遠野山荘に泊るんだって言ってたわね。いいわ、一緒に行ってあげる。さ、降ろしてあげるから、服を着なさいな」
みいが言って、両手首の戒めを解き、杏里を抱き留めた。
離れようとするみいを抱き寄せて、杏里はその耳元にささやいた。
「あの、もう少し、このままでいて。私、あなたのこと、好きになっちゃったみたいなの」
演技ではなく、みいがぽっと頬を赤らめるのを見て、杏里は嬉しくなった。
よかったあ。
ひょっとして、本当に嫌われたんじゃないかって、私、気が気でなかったんだ。
そこに水の中から河童が現れ、いきなり杏里に襲いかかる。
地面に引き倒されたところでいったんカットになって、次は森の中の場面だった。
男3人に担ぎ上げられ、今、杏里は頑丈な木の枝に吊るされている。
パンティ一枚の裸で、両手首をしばられ、宙ぶらりんになっているのだ。
「ちゃんと乳首には、ぼかし入れてくださいね」
草むらからこっちを注視している清たちに念を押すと、河童の着ぐるみを着た源太が近づいてきた。
「心配いらないよ。痛くはしないから」
河童の口の間から顔をのぞかせて、源太がささやいた。
「それより、俺も本気で行くから、杏里ちゃんも、感じたら素直に反応してほしいんだ」
言うなり、いきなり丸出しの乳房にかぶりついてきた。
といっても、かぶりついてきたのは作り物の河童の口のほうで、中の人、源太はといえば、しっかり杏里の乳首を自分の口に含んでいる。
舌先で乳頭をつつかれ、唇で根元からちゅうちゅう吸われると、もういけなかった。
「あ、だめ、そんなことしたら、私」
じたばたし始めた杏里に、源太が下半身を押しつけてくる。
尻をつかまれ、ぎゅっと引き寄せられると、太腿の間に固いものが当たった。
勃起した源太のペニスである。
着ぐるみの上からもそれとわかるほど、熱く固くなっている。
「ひと目見た瞬間から、好きだったんだ」
うわ言のように、河童、いや、源太が言う。
「杏里ちゃん、君は素晴らしい。君は僕の天使だ」
「天使にこんなことして、いいんですか?」
言い返すものの、杏里の声は弱々しい。
源太は今や、下半身を押しつけながら、水かきのある手で杏里の両方の乳房を揉んでいて、それが気持ちよくてならないのだ。
「いいんだよ。美しいものを汚す。これほど興奮することは他にない。だから僕は、君をめちゃくちゃに」
その時だった。
「ちょっと、そこの河童のお兄さん」
妙に場違いな声がした。
顔を上げると、源太の肩越しに、あのメイド姿のみいが立っているのが見えてきた。
「こんなところで、何やってるんですかあ?」
ためらう様子もなく、ぽんぽんと河童の肩を叩く。
「がううっ!」
河童がみいに向き直った。
ヒグマみたいに両手を頭上に掲げ、襲いかかった。
「はっ!」
裂帛の気合とともに、みいの右足が一旋した。
ピンクのパンティが一瞬見えたかと思うと、
ドスッ。
鈍い音を立てて、そのつま先が河童の横腹にめり込んだ。
「や」
「とう」
ひるんだ河童の腹に、続けざまにワンツー・パンチが炸裂する。
「だはっ」
口から血の糸を吐いて、源太が吹っ飛んだ。
どうやら本当に気絶したらしく、地面に横たわったまま、ぴくりとも動かない。
「また会いましたね」
何事もなかったかのように杏里の前に立つと、みいが言った。
「ほんとにしょうがない人だこと。馬だけじゃなく、今度は河童にまで襲われて」
「助けてくれて、ありがとう」
言いながら、心の底では、杏里は若干不満である。
けっこう、そそるシチュエーションだったのに。
みいったら、出てくるの、早すぎだよ。
「いいえ、どういたしまして。私、世の中の不正は許しておけないたちでして。たとえ相手が、動物や妖怪でも」
「でも、私のこと、嫌いじゃなかったんですか?」
「好き嫌いと、正義の力の行使は別ですから」
「じゃあ、まだ、嫌いなんですね」
しゃくりあげ始める杏里。
「さあ、どうかしら。あなた、遠野山荘に泊るんだって言ってたわね。いいわ、一緒に行ってあげる。さ、降ろしてあげるから、服を着なさいな」
みいが言って、両手首の戒めを解き、杏里を抱き留めた。
離れようとするみいを抱き寄せて、杏里はその耳元にささやいた。
「あの、もう少し、このままでいて。私、あなたのこと、好きになっちゃったみたいなの」
演技ではなく、みいがぽっと頬を赤らめるのを見て、杏里は嬉しくなった。
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