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第2話 レズふたり旅

#79 嵐の山荘⑨

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 一応ブラジャーはしてきていた。

 だが、杏里のブラは下乳を支え、谷間を寄せる機能優先で、乳房全体を隠す役には立っていない。

 源太はかなり慣れているようで、タンクトップの上からそのブラをずらし、すぐさま乳首を探り当ててきた。

 あ、だめ。

 そんなとこ、触っちゃあ。

 杏里は身もだえした。

 源太のごつい指に撫でられて、乳首が硬くなってくるのがわかったのだ。

 白いタンクトップを押し上げるまん丸の特大マシュマロの頂に、ぽつりと突起が突き立ってきた。

 はううっ。

 ふああ。

 だから、だめって、言ったのに…。

 ふたつのそれを指でつまんで、コリコリこねまわしながら、源太が熱い吐息を耳に吹きかけてきた。

「あれ? ここ、こんなにコチコチになってるけど、ひょっとして、杏里ちゃん、こうされるの好きなのかな?」

「い、いや、に、決まってるじゃ、ないですか…。やめて…やめてください」

 かぶりを振り続ける杏里だが、なぜか抗議の声に力がない。

 本当は…。

 そう。
 
 源太の言う通りなのである。

 乳首を弄られるのが、杏里は好きなのだ。

 好きで好きでたまらない、と言ってもいいほどに。

 あん…。

 杏里の頬が薄桃色に染まる。

 はあ、はあ、はあ。

 恥ずかしいけど、息が荒くなるのは、止められない。

 乳首を中心に、ジンジンする痺れが乳房全体に広がって、もう、気持ちいいことこの上ない。

「なんなら、下も触ってあげようか?」

 源太のもう一方の手が、杏里の短すぎるスカートをたくしあげ、薄いパンティ越しに尻を撫でまわす。

 杏里のパンティは、尻を半分しか覆っていない。

 そのはみ出た肉を、思いっきりつかまれた。

 やんっ。
 
 のけぞる杏里。

「いい子だ」

 のけぞった白い喉に、源太が獣じみた息を吐きかけてくる。

 そのままぐっと抱き寄せられると、杏里のむき出しの下腹に、何か固く熱い棒状のものが押しつけられてきた。

 やだ、これ。

 大きい…。

 思わず手で握りそうになった時である。

「何やってるの? あなたたち」

 冷ややかな声がして、杏里は反射的に身を竦ませた。

 顔を上げると、廊下の入口に、柱に身を持たせかけて、麗奈が立っていた。

 豊かな胸の下で腕を組み、形のいい長い脚を軽く交差させて、冷たい目でこちらを見つめている。

「あ、麗奈」

 杏里を放し、源太が間の抜けた声を出す。

「みいが、待ってますから」

 その隙に、杏里は駆け出した。

 麗奈の冷たいまなざしを背中に感じながら、廊下に飛び込んだ。

 心臓がバクバクする。

 私ったら、何してるんだろ?

 自分の事ながら、呆れてものが言えなかった。

 あの乱暴な河童の着ぐるみ男に抱きしめられて、束の間とはいえ、ぼうっとしちゃうだなんて。

 それにしても、今の麗奈さん、こわかった。

 なんだか、怒ってるみたいだった。

 そんなことを考えながら、正面の部屋に飛び込んだ。

 その瞬間、杏里の頭から今し方の後味の悪い記憶が吹き飛んだ。

 そこは6畳間ほどの狭い空間だった。

 が、杏里が息を呑んだのは、その壁を飾る極彩色の色彩の渦だ。

 部屋の中は、色とりどりの着物を着せられた人形達でいっぱいだった。

 まるで別世界に足を踏み入れたような、荘厳な雰囲気に圧倒される。

「あ、杏里さま、すごいでしょ。これが、オシラサマですよ」

 いつの間にか隣に立っていたみいが、そっと手を握ってきた。

「ここにおられるのは、大勢の人々の願いが込められた、1000体の神さまなんです」

「う、うん」

 よく見ると、人形たちの顔は、人間のものもあれば、馬のものもある。

 年代もまちまちらしく、古いのもあれば、新しいのもあるようだ。

 だしぬけに杏里は恥ずかしくなった。

 こんな神聖な場所で性的興奮を覚えたわが身が、とんでもなくはしたない女に思えて仕方がなかったのだ。




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