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第2話 レズふたり旅

#74 嵐の山荘④

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 目の前に広がるのは、波ひとつない鏡のように凪いだ水面だった。

 ちょうどそのあたりだけ谷川が深くカーブを描いて、山側に切れ込んでいるのだ。

 エメラルド色の川面に晩夏の陽光がきらめき、ファンタジーの世界のような幻想的な雰囲気を醸し出している。

 周囲は黒々とした森だから、ここまで来ればもう、人目を気にすることはない。

「うわあ、水がすごくきれいだね! 川底のお魚まで見える!」

 首から細い紐で吊った巨乳を揺らし、形のいい尻をつき出して、杏里は川面をのぞき込んだ。

 こんなにきれいな水は初めて見る。
 
 中に入ったら、さぞかし気持ちいいことだろう。

 そこに、やっと着がえを終えたみいが、巨岩の向こう側から姿を現した。

 みいが着ているのは、真っ白なワンピース型の水着である。

 が、よくよく見ると、ふつうの競泳用水着やスクール水着とは、細かい点が色々異なっている。

 まず、Vゾーンの切れ込みが意外に急角度で、腰骨が見えるほどのハイレグである。

 更に、杏里がいつか裏地を取ってしまったので、乳首と恥丘がありのまま、透けて見えてしまっている。

 その身体に、ペットの証である首にはめた赤い首輪と、ツインテールの髪が、いかにもアンバランスで煽情的だった。

「さ、まずは身体を水に慣らさなきゃ」

 水を両手ですくって、近づいてきたみいにかけてやる。

「きゃあっ、杏里さまったら!」
 
 みいが飛び上がった。

「冷たいです! いきなりそんなことしたら、心臓、止まっちゃいます!」

「いい眺め」

 濡れたみいの水着を見て、にたりと笑う杏里。

 胸から鳩尾あたりまで濡らしたみいは、肌に貼りついた水着のせいで、乳房の形から臍の穴まで浮き彫りだ。

 白い水着は水に濡れるとほとんど透明に近くなってしまうらしい。

「あー、杏里さまったら、また何かいやらしいこと、考えてる!」

 両手で胸を隠して、みいが睨んできた。

「そんなわけないでしょ! それよりほら、もっと身体を濡らして!」

 続けて水を跳ね散らかし、追いかけ回しながら、みいをずぶ濡れにしてやった。

 お尻の割れ目までくっきり浮き上がったみいは、遠目から見るとほとんど全裸と変わらない。

「じゃ、そこでストップ! 記念撮影、行くよ!」

 スマホをかまえたら、

「やめてください! 恥ずかしいです!」

 ばしゃばしゃと水を跳ね上げて、みいが川の中に逃げ出した。

 目の前の瀬のあたりはけっこう深いらしく、何メートルも行かないうちに例の犬かきで泳ぎ出す。

「あ、こら、待て! 逃げるなあ!」

 スマホを手近な石の上に置くと、杏里も川の中に飛び込んだ。

 思った通り、水はひんやりしていて、汗ばんだ肌に最高に気持ちいい。

 数メートル歩くと、すぐに水が胸の下まで来た。

 みいのツインテールを目印に、得意の平泳ぎで杏里は泳ぎ出した。

 杏里の場合、胸が浮袋の代わりをしてくれるので、平泳ぎがいちばん楽なのである。

「つーかまえた!」

 あと少しでみいの足に手が届きそうになった時だった。

 ふいに何者かに後ろから抱きつかれて、杏里は水中で硬直した。

 すごい力で胸を揉んでくる2本の手。

「え?」

 それを目にしたとたん、杏里は絶句した。

 今しもブラを引き毟ろうとしているその手は緑色で、なんと、こともあろうに、水かきが生えていたのである。

 

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