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第2話 レズふたり旅
#51 みちのくへ
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三島から東京までの東海道新幹線に比べると、東北新幹線はガラガラだった。
しかも、自由席ですら座り放題なのに、なぜかこちらは指定席ときている。
どっちかというと、さっきの東海道新幹線で指定席を取ってほしかった。
そこまで考えて、杏里は、ははあ、と思った。
きっとあれは、紗彩の計画の一端に違いない。
満員電車のなかに杏里とみいを放り込めば、きっと面白いことが起きるに違いない。
そう踏んだ紗彩が、わざと自由席にしたのではないだろうか。
コテージに用意してあったバラエティ豊かな大人の玩具といい、どうもこの旅行、裏に紗彩の意図か動いているような気がしてならない。
ともあれ、ほとんど揺れのない静かな新幹線の車内でみいとふたりシートにもたれているのは、なんともいえずいい気分だった。
気になることと言えば、肌に沁みついた男のザーメンの残り香だが、これはホテルについたらシャワーで洗い流すしかない。
多機能付トイレには洗面台もついていて、そこで一応洗ったのだけれど、完全には匂いが取れていないのだ。
みいはといえば、さっきからずっと押し黙ったままである。
そこはかとない寂しげな表情で、車窓から黙って外を流れる風景を眺めている。
「ねえ」
退屈が極まってきて、杏里はいい加減、そんなみいに声をかけることにした。
「ねえ、みい。まだ、怒ってるの?」
「怒ってなんか、いませんよ」
外を眺めたまま、みいが言う。
「うそ。だって、あれからずっと、話しかけてもろくに返事もしないじゃない」
「そんなこと、ありません」
「そうかな。私がみいにあの男をけしかけたこと、まだ恨んでるんじゃない?」
「あれが、杏里さまの作戦だったってことは、今は理解してるつもりです。でも…」
「でも、何なの?」
「みいには、杏里さまが、どうして平気であんなことできるのか、わからないんです」
「あんなことって?」
「ほら、知らない男の人のあそこを、あんなふうに…」
そこまで言って、恥ずかしそうにみいが口ごもる。
「ああ、あれ」
杏里は納得した。
杏里が康夫に続いて今回も使った技は、
睾丸責め→陰茎しごき→パイずりの連続コンボである。
これでうまくいかない時は、途中に”直腸指責め”をはさむこともある。
まあ、どれも、処女モードの女子の眼からすれば、驚天動地の荒技だろう。
「あれはね、慣れというか、要はさ、ああするのが一番手っ取り早いのよ。事態を打開する策として」
「そうでっしょうか」
「そうだよ。ぐずぐずしてると、ふたりそろって犯されるところだったかも。大半の男ってさ、ただ出したいだけなの。だったら、こっちから先に動いて、出させちゃえばいい」
「そうなんだ…。でも、そんなことする、杏里さま、みいはやっぱり好きじゃありません」
「んもう、強情だなあ」
杏里はふくれ、高々と生足を組んだ。
「どうせ私は今のみいと違って、とんでもないビッチですよーだ。でも、そのおかげで、2回も処女喪失の危機を免れたんだから、少しは感謝してよね」
ぎこちないムードに泣きたくなる。
やりきれない気分で何気なく窓の外に目をやると、東北が近づいてきた証拠なのか、空の色が変わり始めていた。
しかも、自由席ですら座り放題なのに、なぜかこちらは指定席ときている。
どっちかというと、さっきの東海道新幹線で指定席を取ってほしかった。
そこまで考えて、杏里は、ははあ、と思った。
きっとあれは、紗彩の計画の一端に違いない。
満員電車のなかに杏里とみいを放り込めば、きっと面白いことが起きるに違いない。
そう踏んだ紗彩が、わざと自由席にしたのではないだろうか。
コテージに用意してあったバラエティ豊かな大人の玩具といい、どうもこの旅行、裏に紗彩の意図か動いているような気がしてならない。
ともあれ、ほとんど揺れのない静かな新幹線の車内でみいとふたりシートにもたれているのは、なんともいえずいい気分だった。
気になることと言えば、肌に沁みついた男のザーメンの残り香だが、これはホテルについたらシャワーで洗い流すしかない。
多機能付トイレには洗面台もついていて、そこで一応洗ったのだけれど、完全には匂いが取れていないのだ。
みいはといえば、さっきからずっと押し黙ったままである。
そこはかとない寂しげな表情で、車窓から黙って外を流れる風景を眺めている。
「ねえ」
退屈が極まってきて、杏里はいい加減、そんなみいに声をかけることにした。
「ねえ、みい。まだ、怒ってるの?」
「怒ってなんか、いませんよ」
外を眺めたまま、みいが言う。
「うそ。だって、あれからずっと、話しかけてもろくに返事もしないじゃない」
「そんなこと、ありません」
「そうかな。私がみいにあの男をけしかけたこと、まだ恨んでるんじゃない?」
「あれが、杏里さまの作戦だったってことは、今は理解してるつもりです。でも…」
「でも、何なの?」
「みいには、杏里さまが、どうして平気であんなことできるのか、わからないんです」
「あんなことって?」
「ほら、知らない男の人のあそこを、あんなふうに…」
そこまで言って、恥ずかしそうにみいが口ごもる。
「ああ、あれ」
杏里は納得した。
杏里が康夫に続いて今回も使った技は、
睾丸責め→陰茎しごき→パイずりの連続コンボである。
これでうまくいかない時は、途中に”直腸指責め”をはさむこともある。
まあ、どれも、処女モードの女子の眼からすれば、驚天動地の荒技だろう。
「あれはね、慣れというか、要はさ、ああするのが一番手っ取り早いのよ。事態を打開する策として」
「そうでっしょうか」
「そうだよ。ぐずぐずしてると、ふたりそろって犯されるところだったかも。大半の男ってさ、ただ出したいだけなの。だったら、こっちから先に動いて、出させちゃえばいい」
「そうなんだ…。でも、そんなことする、杏里さま、みいはやっぱり好きじゃありません」
「んもう、強情だなあ」
杏里はふくれ、高々と生足を組んだ。
「どうせ私は今のみいと違って、とんでもないビッチですよーだ。でも、そのおかげで、2回も処女喪失の危機を免れたんだから、少しは感謝してよね」
ぎこちないムードに泣きたくなる。
やりきれない気分で何気なく窓の外に目をやると、東北が近づいてきた証拠なのか、空の色が変わり始めていた。
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