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第2話 レズふたり旅

#23 窓辺でオナニー

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 乳房というのはほとんど脂肪の塊なので、揉んでもあまり感じない。

 特に杏里の場合、サイズがサイズなだけに、よほど乱暴に揉まれない限り、快感につながることはない。

 ただ、その手触りは至福ともいうべきものだった。

 芯のない大きなマシュマロみたいなのである。

 マシュマロは揉むとすぐつぶれてしまうが、その点乳房は頑丈だ。

 いつまでも好きなだけ揉んでいられるのである。

 その感触からくる快感が、脳を中継点にしてフィードバックされるのだろう。

 揉んでいると、必ず乳首が勃起してくるから、不思議だった。

 乳首が勃ってきたら、もうしめたものである。

 あとは人差し指で乳頭をつつきながら、残りの4本の指で乳房全体をゆっくりと揉みほぐしてやればいい。

 杏里は息をはずませながら、鏡を凝視している。

 鏡の中にいるのは、淫らな一匹のメスである。

 片手で両方の乳房を揉みしだきながら、小さなパンティの前をしきりに指でこすっている。

 心持ち開いた足の間で、パンティの三角の部分がうっすらと変色し始めているのがわかる。

 丸い染みが2か所ほどできているのだ。

 その染みの一方がふくらんでいるのは、クリトリスが勃起し始めているからだった。

 指の腹がそこに当たるたびに、

「はあん」

 杏里は甘い声を漏らした。

 鏡の中の分身が、悩ましげに豊満な肢体をくねらせている。

 それを見て、杏里はふと思った。

 誰かに見てほしい。

 このはしたない姿を。

 この綺麗で、とてつもなくいやらしい体を。
 
 思い立つと、もう、じっとしてはいられなかった。

 部屋を横切り、窓辺に立つ。

 カーテンを開け、ついでに窓も全開にした。

 潮騒に混じって、遠くで車のクラクションの音。

 窓の向こうに広がるのは、黒々とした海水をたたえた入り江と、それを取り巻く家々の明かりだけである。

 気がつくと、いつのまにかパンティも脱ぎ捨てて、杏里は全裸になっていた。

 窓枠に片足をかけ、腰を突き出して陰部を夜風に晒す。

「誰か見て」

 片手で両の乳房をむんずとばかりにつかんだ。

 空いたほうの手を、股間に忍ばせる。

 乳首を2本の指で挟み、根元を強く刺激しながら乳房を激しく揉む。

 指を立てて股間に開いた”口”に突っ込んだ。

 ねちゃ。

 湿った音とともに、軟体動物の身体の一部のようなものが、指に絡みついてきた。

「ねえ、見て。杏里ったら、こんなに濡れてるの」

 声に出して、言ってみた。

 ううっ。
 
 ぞくぞくするほそ、気持ちいい。

 家々の明かりのどれかから、本当に誰かが見ているかもしれない。

 そう想像すると、倒錯した快感に後頭部がジーンと痺れてきた。

 くちゅくちゅくちゅ。

 はあ、はあ、はあ、はあ。

 夜の中に、卑猥な音と熱い喘ぎ声が溶けていく。

「はうううっ! い、いいっ!」

 杏里が軽くイクのに、長くはかからなかった。



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