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第2話 レズふたり旅

#7 デンジャラス・ビーチ②

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 こんなにエロくなるなんて…。

 それが、海から上がってきたみいをひと目見た瞬間の、杏里の正直な感想だった。

 砂を洗い落とすために海に入ることを進めたのはいいけれど…。

 例の改造スクール水着が肌にぴたりと貼りついて、みいは大変なことになってしまっていた。

 水着の生地が薄いため、身体のラインが細部までくっきり見えている。

 下腹の筋肉さえ透けて見えるほどだから、裏地を取り払った胸と股間ときたら尚更だ。

 すべてが白日の下にさらけ出されていた。

 お椀型のふたつの乳房の形。

 つんとつき出した乳頭の先のへこみ。

 それを囲む乳輪の大きさと色。

 なめらかな下腹の下方から始まる恥丘のふくらみ。

 その中央を縦に走るスリットは、目を凝らせば両サイドの肉襞のしわの一本一本まで数えられそうだ。

「どうしたんですか? そんなにじっと見つめて。まだ私の身体、汚れてますか?」

 波を蹴立てて杏里の傍まで近寄ってくると、小首をかしげてみいが訊いた。

「う、ううん」

 努めて明るく答え、首を振る杏里。

 あんまりセクシーだから、抱きしめたくなっただなんて、口が裂けても言えやしない。

 今のみいは完ぺきな処女モードなのだ。

 性的な話題は極力慎まなければならない。

 ここは少しずつ心を開かせていくしかないのである。

「ねえ、気分転換に、スイカ割りなんてどうかな?」

 砂浜に置いてきたスイカを指さして、杏里は言った。

「楽しそうですね」

 みいの顔がほころんだ。

 まずは体を動かさせて、さっきのトラウマを解消してやらなければ。

 みいにだって人権はあるし、人生を楽しむ権利だってちゃんとあるってことを、身をもって教えてあげるのだ。

「タオルと棒もほら。紗彩さんが、スイカと一緒に用意してくれてたよ」

「紗彩さまが…?」

 みいが少し遠い目をして、空を見上げた。

 あの妖艶な女主人のことを思い起こしているのだろう。

 杏里は胸がちくりと痛むのを覚えた。

 嫉妬?

 やだ、私ったら。

 みいはもともと、紗彩さんのものなのに…。

 でも、と思わずにはいられない。

 せめてこの旅行の間くらいは、彼女のことを思い出さないで。

 私のことだけ、見つめていてほしいのに…。

 ぶるんと髪を振って、気持ちを切り替える。

「じゃあ、まずみいからね」

「ふふっ。うまくいかなくても、笑わないでくださいね」

「大丈夫、私がうまく誘導してあげるから。でも、尻もちをついたら交代だよ」

「はい。わかりました」

 スイカの近くに行き、みいが腰をかがめた。

 木の棒を拾い上げるつもりなのだ。

 その尻に、杏里の眼は釘付けになった。

 水着が濡れているせいで、桃みたいな尻の割れ目がくっきりと浮き出している。

 小ぶりながらきゅっと肉がしまった、形のいい尻である。

 抱きつきたくなるのをかろうじてこらえ、後ろからタオルで目隠ししてやった。

 頬が触れそうなほど近づくと、みいは日向のいい匂いがした。

「さ、行くよ。私の声のするほうに来るんだよ」

「わあ、なんだかどきどきしちゃいます」

 目隠しをしたまま、みいが両手でつかんだ棒切れを頭上に振り上げた。

 と、つるりんとした腋の下があらわになった。

 反った胸では乳房が布を限界まで押し上げ、乳首を固く突き立たせている。

 腰は折れそうなほど細く、内股気味の立ち方からして可愛らしすぎる。

 やばいなあ。

 杏里はめまいを覚えた。

 みいったら、ハンパなくセクシーじゃん。

 ようし。
 
 こうなったら、偶然を装って。

「準備はいい?」

 邪な思いに胸を疼かせ、スイカを抱えて離れた位置まで移動する。

「OKです」

 元気よく応えるみい。

「じゃあ、よおい、スタート!」

 足元にスイカを置き、杏里は号令をかけた。

 よちよちとみいが歩き始める。

「こっちこっち!」

 その周りをまわりながら、杏里が手を叩く。

「あ、行き過ぎた。2歩戻って! そう、そのまま10歩前進!」

「どこですかあ? 杏里さまあ。みい、なんだかとっても怖いんですけど」

「そっちじゃないったら! ほうら、こっちこっち!」

 慌てて方向を変えようとして、

「あ」

 みいがよろめいた。

 計画通り。

 杏里の広げた腕の中にふわりとみいが倒れ込んでくる。

「つかまえた!」

 その濡れた肢体をぎゅうっと抱きしめて、熱い吐息とともに杏里は言った。

「交代だよ。私の可愛い人魚姫」







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