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第1話 美少女ペットみい
#34 夏色のペット
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「はああ」
きょう何度目かのため息をついた。
杏里も目の前には、雑草の生い茂る庭が広がっている。
庭の周囲は木々の囲まれており、かまびすしいセミの鳴き声が聞こえてくる。
夏休みもあと残り1週間。
みいがいなくなってから、3日が過ぎていた。
あれから、胸に空洞が開いてしまったようなもの寂しさが、杏里を捉えてしまっていた。
何機をやっても身が入らない。
たとえば宿題の途中でも、つい手を休めて、みいのことを考えてしまうのである。
「しょうがないよねえ」
ため息混じりに、このところ癖になってしまっている台詞をつびやいた。
みいは紗彩さんのものなんだもの。
所詮、私なんかとは、縁がなかったんだから。
というか、わずか二日間でも、一緒に過ごせたのが幸運というべきだろう。
でも、と思う。
可愛かったな。
あの黒目がちな瞳。
若いイルカみたいにすべすべした身体。
あれから何度、みいの写真を眺めては、ため息をついたことだろう。
生け花の花瓶に扮した、あの自由研究の写真である。
眺めているとなんだか切なくなってきて、ふと我に返ると右手で自分を慰めていたものだった。
暑い日の午後である。
赤とんぼが時折すっと飛び過ぎていくほかは、まだ秋の訪れを感じさせるものはない。
「ひさしぶりに、あれ、やろうかな」
納屋のほうに目を剥けて、杏里はつぶやいた。
ここまで暑いと、家の中のどこにいても苦痛である。
風がないから、いくら農家を改造した和風建築でも、蒸し風呂のように暑いのだ。
エアコンの冷気に長く当たっているのはもとより性に合わないので、ここは他に涼む方法を考えるしかない。
ということは、やはりあれである。
庭に降りてサンダルをつっかけて、納屋に行く。
ビニールプールは、この前使ってしまった時のまま、奥の棚でしわしわになってつぶれていた。
それを抱えて木陰に運び、自転車の空気入れで空気を入れる。
外の蛇口にホースをつなぎ、思いきり水を出して中をよく洗った。
「よし、準備OK、と」
いったん縁側に上がると、木陰からこちらを覗いている者がいないかを確かめて、タンクトップとショートパンツを脱ぎ捨てた。
夏の午後の明るい陽射しの中に、ムチムチのボディがあらわになる。
つんと突き立った乳房を両手ですくい上げ、ぷるんと揺らしてみる。
片方1キログラム近い杏里の乳房は、中身がみっしりとつまり、弾力に飛んでいる。
乳首を人指し指でコリコリ弄っていると、すぐに固くなってきた。
「あふん」
上半身をくねくねさせて、思わず悶えてしまう。
養父の小田切は、きょうも仕事で朝から家を空けている。
行水をするなら、この夏、最後のチャンスだろう。
真っ裸になって、もう一度庭に降りる。
目の前には、水を張った青いビニールプール。
おそるおそるつま先をつけてみたけど、水は全然冷たくない。
中に腰を落ちつけて、タオルで身体をこする。
「わあ、気持ちいい!」
ついついそう声を上げた時だった。
「お背中、流しましょうか? ご主人さま」
ふいに肩越しに声がした。
「え?」
杏里は固まった。
この声…。
ま、まさか…?
信じられない思いで、ぎこちなく振り返る。
と、奇跡のような笑顔が、そこにあった。
すべらかな裸身が、夏の陽を受けて輝いている。
赤い首輪。
つぶらな瞳。
桜貝のような、可愛い唇。
「みい…」
杏里はつぶやいた。
「会いたかったです。ご主人さま」
まん丸の瞳をうるうるさせて、少女が言った。
きょう何度目かのため息をついた。
杏里も目の前には、雑草の生い茂る庭が広がっている。
庭の周囲は木々の囲まれており、かまびすしいセミの鳴き声が聞こえてくる。
夏休みもあと残り1週間。
みいがいなくなってから、3日が過ぎていた。
あれから、胸に空洞が開いてしまったようなもの寂しさが、杏里を捉えてしまっていた。
何機をやっても身が入らない。
たとえば宿題の途中でも、つい手を休めて、みいのことを考えてしまうのである。
「しょうがないよねえ」
ため息混じりに、このところ癖になってしまっている台詞をつびやいた。
みいは紗彩さんのものなんだもの。
所詮、私なんかとは、縁がなかったんだから。
というか、わずか二日間でも、一緒に過ごせたのが幸運というべきだろう。
でも、と思う。
可愛かったな。
あの黒目がちな瞳。
若いイルカみたいにすべすべした身体。
あれから何度、みいの写真を眺めては、ため息をついたことだろう。
生け花の花瓶に扮した、あの自由研究の写真である。
眺めているとなんだか切なくなってきて、ふと我に返ると右手で自分を慰めていたものだった。
暑い日の午後である。
赤とんぼが時折すっと飛び過ぎていくほかは、まだ秋の訪れを感じさせるものはない。
「ひさしぶりに、あれ、やろうかな」
納屋のほうに目を剥けて、杏里はつぶやいた。
ここまで暑いと、家の中のどこにいても苦痛である。
風がないから、いくら農家を改造した和風建築でも、蒸し風呂のように暑いのだ。
エアコンの冷気に長く当たっているのはもとより性に合わないので、ここは他に涼む方法を考えるしかない。
ということは、やはりあれである。
庭に降りてサンダルをつっかけて、納屋に行く。
ビニールプールは、この前使ってしまった時のまま、奥の棚でしわしわになってつぶれていた。
それを抱えて木陰に運び、自転車の空気入れで空気を入れる。
外の蛇口にホースをつなぎ、思いきり水を出して中をよく洗った。
「よし、準備OK、と」
いったん縁側に上がると、木陰からこちらを覗いている者がいないかを確かめて、タンクトップとショートパンツを脱ぎ捨てた。
夏の午後の明るい陽射しの中に、ムチムチのボディがあらわになる。
つんと突き立った乳房を両手ですくい上げ、ぷるんと揺らしてみる。
片方1キログラム近い杏里の乳房は、中身がみっしりとつまり、弾力に飛んでいる。
乳首を人指し指でコリコリ弄っていると、すぐに固くなってきた。
「あふん」
上半身をくねくねさせて、思わず悶えてしまう。
養父の小田切は、きょうも仕事で朝から家を空けている。
行水をするなら、この夏、最後のチャンスだろう。
真っ裸になって、もう一度庭に降りる。
目の前には、水を張った青いビニールプール。
おそるおそるつま先をつけてみたけど、水は全然冷たくない。
中に腰を落ちつけて、タオルで身体をこする。
「わあ、気持ちいい!」
ついついそう声を上げた時だった。
「お背中、流しましょうか? ご主人さま」
ふいに肩越しに声がした。
「え?」
杏里は固まった。
この声…。
ま、まさか…?
信じられない思いで、ぎこちなく振り返る。
と、奇跡のような笑顔が、そこにあった。
すべらかな裸身が、夏の陽を受けて輝いている。
赤い首輪。
つぶらな瞳。
桜貝のような、可愛い唇。
「みい…」
杏里はつぶやいた。
「会いたかったです。ご主人さま」
まん丸の瞳をうるうるさせて、少女が言った。
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