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#52 密命⑥
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王宮に戻り、臨時にあてがわれた部屋で、最後の仕上げにとりかかることにした。
アグネスに指摘された、ムダ毛処理、いわゆる剃毛というやつである。
あの性悪な従姉の言いなりになってばかりというのは正直腹が立ったけれど、このファッションの場合、それも仕方がない。
なんせショーツの幅が狭い所だと1センチもないので、あそこの毛がはみ出してしまうのだ。
全裸でお風呂場に入り、大理石の床にあぐらをかいて、足の間に手鏡を立てた。
幸いクリスの陰毛は、髪の毛と同じく薄い栗色で、産毛みたいにとってもやわらかかった。
なにより毛深くないのが救いだった。
腋毛処理の要領で、初心者の私でもなんなく作業を終えることができた。
ついでに湯船につかって汗を流し、身体を拭くと、改めて例のコスチュームに着替えてみた。
部屋にある等身大の姿見の前に立ち、いろんなポーズをとって具合を点検していると、どこからかあの白いねずみが姿を現し、私の足元にちょこんとうずくまった。
「へーえ、変われば変わるものですねえ」
鏡をのぞき込み、感心したようにリリスが言った。
「あの清楚で貞淑なクリスが、ここまでセクシーになってしまうとは」
このねずみ、私の囚人服の中に隠れて、こっそりここまでついてきていたのである。
「まあ、慣れるとこれはこれでいいかもね」
ハーフカップのビスチェ風ブラから突き出した巨乳、ベルトにしめられ、きゅっとくびれた腰、タイトミニはぱつんぱつんでお尻の形がそのままわかる。
そして際どい股下から伸びた長い脚には、なんともエロチックな網タイツ。
あとは濃いめにメイクをすれば、どんな男だって振り向かせることができそうだ。
「これで王子を誘惑してみるってのも、おもしろいかもね」
真っ赤なルージュを塗りながら、私は言った。
身をかがめると、胸の谷間がものすごい。
「あんまり波風立てないでくださいね」
心配そうにリリスが言った。
「あなたには大事な使命がひかえてるんですから」
アグネスに指摘された、ムダ毛処理、いわゆる剃毛というやつである。
あの性悪な従姉の言いなりになってばかりというのは正直腹が立ったけれど、このファッションの場合、それも仕方がない。
なんせショーツの幅が狭い所だと1センチもないので、あそこの毛がはみ出してしまうのだ。
全裸でお風呂場に入り、大理石の床にあぐらをかいて、足の間に手鏡を立てた。
幸いクリスの陰毛は、髪の毛と同じく薄い栗色で、産毛みたいにとってもやわらかかった。
なにより毛深くないのが救いだった。
腋毛処理の要領で、初心者の私でもなんなく作業を終えることができた。
ついでに湯船につかって汗を流し、身体を拭くと、改めて例のコスチュームに着替えてみた。
部屋にある等身大の姿見の前に立ち、いろんなポーズをとって具合を点検していると、どこからかあの白いねずみが姿を現し、私の足元にちょこんとうずくまった。
「へーえ、変われば変わるものですねえ」
鏡をのぞき込み、感心したようにリリスが言った。
「あの清楚で貞淑なクリスが、ここまでセクシーになってしまうとは」
このねずみ、私の囚人服の中に隠れて、こっそりここまでついてきていたのである。
「まあ、慣れるとこれはこれでいいかもね」
ハーフカップのビスチェ風ブラから突き出した巨乳、ベルトにしめられ、きゅっとくびれた腰、タイトミニはぱつんぱつんでお尻の形がそのままわかる。
そして際どい股下から伸びた長い脚には、なんともエロチックな網タイツ。
あとは濃いめにメイクをすれば、どんな男だって振り向かせることができそうだ。
「これで王子を誘惑してみるってのも、おもしろいかもね」
真っ赤なルージュを塗りながら、私は言った。
身をかがめると、胸の谷間がものすごい。
「あんまり波風立てないでくださいね」
心配そうにリリスが言った。
「あなたには大事な使命がひかえてるんですから」
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