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#50 密命④
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善は急げ? というわけで、馬車に揺られ、連れていかれたのは、王都も場末の裏路地みたいな所だった。
まるで、かつて香港に存在した、中国返還前の九龍城みたいなあやしい雰囲気の一画である。
アグネスとその護衛の兵たちに連れられて迷路みたいな路地を進むと、異様に派手なショーウィンドウが見えてきた。
「ここよ」
冷ややかな笑みを口元に浮かべて、アグネスが店のほうに尖った顎をしゃくってみせた。
「王都公認の娼婦御用達のお店。ここならきっと、あなたにぴったりのエロ衣装が見つかるわ」
ガラスケースに並ぶのは、裸同然の身体に申し訳程度の布切れを貼りつけた妙に色っぽいマネキンたちだった。
私はげんなりした。
これを着ろっていうの?
こんなんじゃ、まともに外を歩けないじゃない!
まるで、かつて香港に存在した、中国返還前の九龍城みたいなあやしい雰囲気の一画である。
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冷ややかな笑みを口元に浮かべて、アグネスが店のほうに尖った顎をしゃくってみせた。
「王都公認の娼婦御用達のお店。ここならきっと、あなたにぴったりのエロ衣装が見つかるわ」
ガラスケースに並ぶのは、裸同然の身体に申し訳程度の布切れを貼りつけた妙に色っぽいマネキンたちだった。
私はげんなりした。
これを着ろっていうの?
こんなんじゃ、まともに外を歩けないじゃない!
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